すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

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水力発電100%の国・ノルウェーの底力 - ひらめきの旅から -

2020-09-21 | ノルウェーの文化

久々に、「ひらめきの旅から」の第3話です(#^^#)

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「100% 水力発電!? 100%?」

9年前、私が相方さんを訪ねた時、
私が、最も驚いたことでした。

そうなんです。
家庭用電力は100%、
工業用を含めても、94%が水力発電。
(他4%が
風力、2%が火力)

この凄まじい水力を何に利用した?

旅の始まり、相方さんにも初めての経路で行くことにしました。
それが、「水力の原点」に出逢わせてくれました。

それは、水車!

向こう側が、フィヨルド
 
でも、のどかな風景を思い浮かべる日本の水車とは、
随分違います。

それは、足でも滑らせたら命はないだろう、
というほどの凄まじい川の勢いに水の量

16世紀ノルウェーで
水力が「製材」に利用され始めたそうです。

ここもその一つ。

木材もノルウェーの大事な資源。
材木がフィヨルドで運ばれ、
川の水力で製材される仕組みです。

今は博物館になっており体験できるのですが、残念ながら、すでに時間外。

険しい山、流れ落ちるベック

前回までで、
連なる山、湖やフィヨルドを紹介してきましたが、

もう一つノルウェーの景色で特徴的なのが、
「ベック」。

地形によっては、滝になり、
狭く、急傾斜岩面をくねるように流れ落ちる「ベック」。
「川」とは識別され、
「小川」とは訳し難い存在。

そのベックがあるわ、あるわ、
それは無限と言ってよいほどです。

雪解けの水も含んで、
川、海、湖に流れ込みます。

景色としては美しいが、生活にはどう?

険しい岩盤の山が海辺までそそり立ち、
平野も狭い。
車で走っている間、それが延々と続くのです。

さらに、雪も多い、ときたら、

「まち」として発展するには、不利でしょう。

景色としては超美しいですが、
「生活」「社会経済」となると難しかったはず。

しかし、この地形要素を
見事
にエネルギーに生かしたのですね。

8月でもまだ雪は、残っており山肌を解け流れている

Mange bekker små gjør en stor å.

旅から帰り、いろいろ調べてみました。

世界初の発電所は、ナイアガラの滝の傍の水力。

それが、1881年 

その翌年、1882年

トロムソ県にあるSenja(セニヤ)という島で
ノルウェー初の発電所(水力)ができているのです。

早くから、長年、
自然エネルギーにこだわり続けてきたのですねえ。

現在ノルウェーの水力発電所の数は、
約1400。

100%を維持しているのは、
大小様々、沢山の発電所なのです。

ノルウェーに来てすぐ覚えた諺が
思い出されました。

あれこそ、地味~なノルウェーの底力ではなかったか、と。

この大きな転換の時期 
私も小さなベックになりたい。

Mange bekker små gjør en stor å.
(沢山の小さなベックが、大きな川を創る)

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