すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

異常気象の中、植物の生命力が覚醒した?

2022-08-30 | 日本とノルウェー
今日は、8月最後の投稿です。
日本も朝夕は、
秋の気配が訪れていることと思います。

ここの花や野菜の季節は、6月から9月。

せめてこの4か月、いつでも少しでも
何か庭に花があってほしいと、
花期を考えて苗を植えてきました。
少しでも採りたての野菜が食べたいと、
種をまいたり、土を作ってきました。

期待しすぎず、希望を持って。

日本でも畑作りは、太鼓判付き「下手」でしたし。
ここも日当たりがいいわけでもないので。
しかも、雪が多いし。

それでも、今年はどうでしょう!

ここの庭で野菜、花を作りを始めて、
5年。

地球温暖化に、
ボカシの土作り、
植物の生命力。

いろんなことが重なった賜物!

ただの親バカですが、はい。
だけど、たまらなく
愛しくて、有難い。

庭に出ては、うっとりしちゃうんです。

紹介させてくださいませ。


花がついても、実にならず。
実がついても 赤くならず。
ずっとそんなだったので、
夢じゃないか・・・
一回摘んで終わりではないか・・・
と思ったが・・・


こんな収穫が続き、今日もまだ花が咲いている。
まだ夢のようだ。
これだと義母が食べる‼


左は、ニュージーランドスピナッツ。
右は、イタリアンパセリ。
土の下半分は、冬越ししたボカシ野菜くず。
こんな方法、日本では考えられない。
肉厚で、柔らかい。
40㎝以上は伸びている。


初めて花をつけたのが、6月。
それから毎日花をつけている。


量は多くないが、10~12㎝ほど。
食べごたえはある。


日本から帰ってから、つまり6月初めに
部屋で種をまき、育った。
これもボカシの土。
今年も毎朝ジュースで頂きました。


名前もわからなくなっちゃったし、
どんな花かも知らずに、何年?
いきなり、
こんなに沢山花が咲いて、びっくり!


この子も同様。

この子は、実は変態株でした。
葉の形も変で均等にもつかない。
やっと花がついたら2,3個で、
花びらは1,2枚。
もう捨てようか、と思って何年?
今年、一気に育ち、こんな美形に!
わからんもんです。


5年前、義父の故郷の庭から移植したものの
定着しなかった子(と思っていた)。
それが、今年、
突如、草むらに現れた!


4年前に植えました。
9月の私の誕生日に咲いていてほしいと。
昨年、やっと咲いて喜ばせてくれました。
しかし、今年は、8月1日からずっとこの調子。
誕生日まで保たなくても十分だよ~!
日本で意外に身近になかった「桔梗」。

酷暑に見舞われた皆さんには、
申し訳ないのですが、
異常気象の暖かさに 感謝してしまう
北極圏の夏でした。

松の木の下で、乾燥する場所だけど、
最後の賑やかさを見せてくれています。



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フィンランドへの旅(その4)~ やっぱりサウナでしょう ~

2022-08-23 | 北欧
さあ、今日は、
「フィンランドへの旅・最終回」です。

皆さんは、ご存知でしょうか?
フィンランドが、
「サウナ」の発祥地であることを。

トロムソに住み始めた頃、
シャワーだけでは体が温まらず、
どうも体の疲れが取れない気がする。

疲れがたまってきて、
「お風呂に入りたーい!」と号泣する私に
「サウナならあるよ」と相方さん。

それから私たちのサウナ通いは始まりました。
今やサウナ必須です。

ですから、「本場フィンランドのサウナに行きたい!」
は当然の願望でした。

ところが、力むまでもない。

キャンピング場にも、ホステルにも、ホテルにも
サウナがあるではないですか。

日本でお風呂が当たり前のように、
フィンランドにはサウナがあって
当たり前なのですね。

キャンピング場のサウナは、
川のほとりにありました。



サウナで温まっては、湖に飛び込む!
という映画で見たシーンを思い出す設定。

でも、コンクリートの建物の中でも、地下にもある、
というのが意外でした。

もう一つ意外だったのは、
お風呂ほど手入れが要らないかも、
ということ。

洗った服を干しているところさえありました。
それくらい乾燥する、ということでしょう。

ホテルのサウナで一緒になった彼女は、
自分の家にサウナがあって、
毎日サウナに入ると言います。

自分の家にあるなんて、いいよなあ。

ところが、この旅の後、
思いもしない展開になるのです。

家の中に置けるサウナがあるんだ!

家に帰ってから、
家の中に置けるサウナがあることを知りました。
しかも、夏のセールをしている。

「うちにもサウナを置けるんじゃない?」

夢にも思っていなかったことを、
急に現実的に考え始めました。

トロムソバーデに通う金額、ガソリン代、
今秋からかかる通行金(これはまた別途お話します)を計算。
これで予算立て。

こりゃ、無理な話じゃない。

次に、置く場所があるのか? 

中途半端に広い洗濯場、
あそこを何とかできるのでは? 

まあ、いろんな問題を解決するのが、
パズル合わせのよう。

実際、やってみないとわからないことだらけ。
でも、できそうな予感。

とにかく洗濯場が綺麗になるだけでも嬉しい!
と私たちは自力で
洗濯場の改修に踏み出しました。
(これが、かなり大変で、時間もかかりましたが。)





やっと明日、電気屋さんが来てくれて、
大きく前に進むはず。

この動き始めたことに自己満の私たち。
夏の大きなお仕事、冬支度。
フィンランドの大きなお土産でした。

フィンランド
ありがとう~!


2022.7.12.23:10
コッコラの夜は、
沢山のツバメが 鳴きながら飛び交う

コロナ感染増大、残暑厳しき中、
読みに来てくださった方々、
ありがとうございました。

どうぞ、無事乗り切ってください。
そして、機嫌よくいましょうね。

次回から、通常モード(省エネモードです)になります。
これからも、よろしくお願いいたします。


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フィンランドへの旅(その3)~ カウスティン民族音楽祭 ~

2022-08-18 | 山歩き
今日は、カウスティン民族音楽祭のお話です。



カウスティン民族音楽祭のことを知ったのは、
トリタニタツシさんからでした。
 ※トリタニタツシさん:
  三重県松阪在住ミュージシャン。
  北欧と日本の音楽の橋渡しの実績22年。
 
カウスティン民族音楽祭とは、

カウスティンは、人口4200人程の小さな町。

「フィドル(バイオリン)と民族音楽を残したい」
と、1968年に始まった音楽祭。

50数年経ち、フィンランドだけでなく、
いろんな国から参加があり、
今では北欧最大の音楽祭だそうです。

今年は、
毎日約200のステージがあり、
出演者総数約4500人、
来場者総数約16000人。

(今年のプログラムは、こちらから
https://kaustinen.net/en/aikataulu-2022/)

何に出逢えるかは、
直観と縁におまかせ!



誰でも参加できる場

出演者は、
多忙なプロから
(今年は、サーメ人の音楽・ヨイクを
 新スタイルで広めたノルウェーの
 マリ・ボイネが来た!)
世に出る登竜門に挑戦する者、
夢を抱く若人、
地域のサークル、
子どものクラブ活動までと、
幅が広い。


ここはメインステージ


ウクレレ!
年の功?笑顔・突っ込み、あったかい~!


カフェに 笑い声と歌声が広がる。

こういう舞台も含めて 会場は30か所。

一日入場券を買えば、
大人も子供もどのステージも自由に聞ける。
ダンスであれば、その場で自由に参加できる。

出演側にも 来場側にも 
これほどオープンなシステムで
50年も続くとは、
素晴らしい!
 
私たちは、ホテルのあるコッコラから
バスで50分、
朝10時から夜9時まで
丸3日参加しました。

毎日、満腹でした~!

一部ですが、紹介いたします! 

★ トリタニさんも“TOBO”で出演!

彼が学んだスウェーデンのTOBOにある音楽学校の
同窓生と6人で「TOBO」を結成し参加。
彼らの出番は、3ステージ。



TOBO、ダンスの生演奏も!



最終ステージ。
屋外だが、音響がよい。
突然空が晴れ、人も集まってきた!

★ さすが本場。カンテレ尽くしだ!

伝統的なものから近代的な曲まで、
バラエティー豊かなカンテレの種類、演奏法が、
あちこちで聞ける!



何台ものカンテレの演奏を聴くのは初めて。
波動の合間を潜り抜けるような繊細な響きに感動。
後で知ったが、かなりの名手が揃っていたらしい。

★カンテレ奏者と製作者の対談


モダンな奏法で人気のIda Elinaさん


カンテレ製作者ペッカさん。
彼女の新しい奏法に相応しいカンテレを
改良してきた。



一番前の席で、かぶりつき!
巧みな奏法と魅力的な歌声を身近にして
たちまち、Idaファンになってしまった。

この二人の対談がいかに興味深く、
二人が皆の憧れであるかが、
会場から伝わる。

ただ、話が全くわからん・・・
フィンランド語の通訳者がほしかったわあ。

★カンテレ6弦で、ここまでできる。



相方さんが買ったカンテレと同じ? 
いや、1本多い、6弦だ。
でも、6弦で、ここまでできるんだ!
励まされる人は多いに違いない。

★ダンスは、言葉を超える!



音楽が鳴り出すと、
子どもたちが自由に踊りだすんです。
まさに、「演奏・音楽が先にありき」



私もダンスのレクチャー受けました。

何が嬉しいって、
言葉がわからなくても
踊れちゃった、ということ。

これは、日本でないから
よけいに味わえる喜びかも。
日本と北欧をつなぐ人、もう一人あり。

タツシさんの他に、
もう一人日本人の参加がありました。

“HIROMI & MINNA”のHIROMIさん。

MINNAさんは、
カンテレの指導やコンサートに何度も来日している方。
HIROMIさんは、
フィンランドのカンテレ奏者を支援したり、
「日本カンテレ友の会ブログ」の運営者。
ご自身もカンテレを弾かれます。

この音楽祭では、
お琴で出演されました。
(残念ながら私は聞けませんでしたが・・・)

カウスティンへの参加を考えていらっしゃる方、
HIROMIさんが、ブログに体験者として
詳細を書いてくださっています。
ぜひ、お読みください。

「Rakas Finland 日本カンテレ友の会ブログ」

それにしても、
ここにはハープの気配すらない・・・

どっぷり音楽に浸かり、感じまくり、
たっぷりエネルギーをもらって、
私は思うのでした。

やっぱり、私はハープやわあ。

子どもから、若い人やお年寄りとも、
いろんな楽器とも一緒に
ハープを奏でるおばあちゃまになる!
(って、もうおばあちゃんやろ)

そう、ハープで
おばあちゃまに
磨きをかけていきまする!
(ペースは遅いけど・・・)


(つづく)
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フィンランドへの旅(その2)~ オウルの街に立ち寄って

2022-08-08 | 民族音楽、ダンス
トロムソから
最終宿泊地点Kokkola(コッコラ)まで
約950Km。
途中Pelooのバンガローで一泊。

Kaustinenでは、
朝から晩までフェスに参加する予定。

でもなあ・・・

「せっかく暖かいところに行くんだもの。
 夏の装いで“まち”を歩きたい!」

というわけで、
Oulu(オウル:人口20万人ほど)で
もう一泊することにしました。

こんな理由でしたが、後になると、
Kaustinen民族音楽祭に向けて
前準備をしていたようなものでした。

広場のマーケットで懐かしい味!


こういう広場が裏道を入ってもいくつかある。

オウルの市街地は、
閑静な教会、公園から、
商店街、文化施設が隣接。
歩いて回れるんです。





オウル大聖堂 白色と吊り下げられた船が印象的。

腹ごしらえは、
地元の人のお勧めのマーケット広場で。
家族連れ、仕事帰りの人も来ています。
マーケットが、長年住民に定着しているようです。



モイックという小魚のバターソテー

トロムソでは小魚がないからか、懐かしい味!

温もりと哀愁のVilho Lampi展 で
 動き出したもの

私に思わぬ出会いをくれたのが、
オウロ美術館。



Vilho Lampi展。
長く陽の目を見ていなかった地元の画家。
画家を志しながら
百姓を継がざるを得なかった人生。

温もりと哀愁漂う彼の眼差しに
トロムソでずっと見てきた景色、色、
そこに写し積もられてきた感情が
揺れ動き始めたのです。

彼の思いに及ぶはずもないのに、
想像までも溢れてくるのでした。

これも「心のクリーニング」というのでしょうか。
不思議と心が、軽くなりました。



踊るのに最高の場所と選ばれたのが、
なんと橋の上!
(そう言えば、そういう歌あったなあ)

太陽(月?)の光に輝く水面に 
バイオリンの音色、歓声、足音が響鳴する。
聞こえてくるようです。

こんな風に見れたのは、
「フォークダンス」のとらえ方が、
ノルウェーですっかり変わったからでしょう。

心地よい音楽に 思わず体が動き出す。
踊ってもらえるから、演奏者の磨きがかかる。
日常にあって、日常を忘れさせてくれる。
人に触れて、心やわらぎ、勇気を得て帰る。

「フォークダンス」とは、
そういうものだったんではないでしょうか。

日本では、体育やキャンプで
いきなり経験する「フォークダンス」。
(今でもそうでしょうか?)

もっと自然に導入してほしいよなあ。
嫌だったなあ、フォークダンス(笑)。

Kaustinenで、踊るぞ!フォークダンス!
(ひざを痛めてから、まだ踊っていない。
 さあ、どうなる?)

カンテラを衝動買い!

もう一つの出逢いが、カンテレ。

相方さんが、楽器屋さんで試し弾きして
音色が気に入っちゃったんですねえ。

一旦店を出たものの、
「やっぱり買ってくる」と
彼は、戻ったのでした。



カンテレは、フィンランドの民族楽器。
私は、生であまり聞いたことがなかったのですが、
お蔭で、カンテレがぐっと身近になったわけです。

「これで帰ってもいいか」というくらい
二人とも満足したオウルでした。

しかし、さあ、いよいよ明日から、
お目当ての
カウスティン民族音楽祭です!(つづく)

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フィンランドへの旅(その1) ~ 車で国境を超える ~

2022-08-01 | 季節
皆さん、お元気でしょうか? 
ご無沙汰いたしました!

今年は、ご縁があって、
フィンランドのカウスティネン民族音楽祭に行ってきました。
Jimny、今夏も頑張ってくれました!


青い線を往復。

恒例になりつつありますねえ。
今回も「4回シリーズ」でお届けいたします。

・フィンランドへの旅 
 (その1) ~ 車で国境を超える ~
 (その2) ~ オウルの街に立ち寄って ~
 (その3) ~ カウスティン音楽祭 ~
 (その4) ~ やっぱりサウナでしょう ~

コロナ下、猛暑中の
ひととき、
ご一緒していただければ、嬉しいです。

*** ** *** * ** * ** * ***

以前、スウェーデンに車で行った時、
「ここ?」と聞いている間に
「国境」は通り過ぎてしまいました。

島国日本育ちの私にとって、
あまりにも あっけなかった・・・。

国境をゆっくり味わいたい!

これが、今回したいことの一つ。

● 念願のキルピスヤルヴィ

国境を超えると最初に出てくる小さな町は、
Kilpisjarvi(キルピスヤルヴィ)。

ヤルヴィは、フィンランド語で「湖」。

キルピス湖は大きな湖で、
この湖の中に、
スウェーデン、フィンランド、ノルウェーの
分岐点があります。

トロムソからキルピスヤルヴィまで、
車で2時間半(休まなければ)。

スキーで湖上の分岐点を見届けようと
計画を立てるもものの実現できぬまま、
キルピスヤルヴィに来ることさえ叶わず・・・。

というわけで、私にとって、
念願のキルピスヤルヴィ!
(このお話は、またいつか)

ノルウェーとフィンランドの陸上の国境はここ。
キルピスヤルヴィが現れる少し手前。


ここからフィンランドだ!

フィンランド語でフィンランドは「SUOMI(スウォミ)」

黄色に塗られた石が点々と置かれている。

●川向うに スウェーデンを眺めながら



この川が、
スウェーデンとフィンランドの境界。

道路は、川に沿って走っているので,
ずっとスウェーデンとフィンランドを
同時に眺めているようなものです。
(初めの地図をご覧ください)


この先の橋を渡ると スウェーデン(Sverige)
こんな表示が何回も出てくる。

せっかくだからと
橋を渡ってスウェーデンに入り、
10時にオープンしているはずのカフェへ。
ところが、
閉まっている・・・?

「そっかあ!
 スウェーデンはまだ10時になっていないんだ」。
(時差:1時間)

すぐそこにあって、異国であり、時間も違う。
コロナの閉鎖期には、国境に当たる橋も通行止め。

「陸続き」の現実に
少し触れた気がしました。

住んでいる人にとって、
単純に線引きされるものではないはずでしょうに。

●フィンランドと北欧3国の違い

スウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語は似ていて、
お互いに自国語を話して通じるそうです。
(私でも少しはわかる。すこーしですが)

フィンランド語は、隣国と言えど
全く違うという不思議。

でも、この国境周辺の言葉は、
フィンランドなまりのスウェーデン語。
(相方さん曰く)

相方さんは、まず聞いていました。
「ノルウェー語でいい?」

ノルウェー語で通用していたのが、
次第に「英語」に変わっていきました。
(相方さんもフィンランド語はできないので)。

言語は文化を現す。

フィンランドで、
どんな体験ができるんだろう!?

それにしても、
わかっちゃいたけど、本当に山がない。
そして、なんだ、この森林の広さは!



時速100キロで一本道。

トナカイや子ぎつねに
止められることはあっても
いつまでも続く森林風景。

材木資源の豊かさに圧倒されつつ、
助手席で
つい眠りに落ちてしまうのでした。
(つづく)


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