すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

Pålegg(ポレッグ)で “おうちカフェ!”

2020-11-25 | ノルウェーの生活

ノルウエー語の「Pålegg(ポレッグ)」

って、聞いたことはありますか?

この言葉には、
ノルウェー人の手軽好きでアバウトな面が、
よく出ている気がします。

「翻訳できない世界の言葉」には、
こう紹介されています。

その通り。
少し、補足しますと、

「火を使わず(事前に調理済み)、
すぐにパンにのせて食べれるもの全部」。

ジャム、ハム、チーズ、レバーペースト、
キャビア(魚の卵の燻製)、さばの甘酢漬け、
ゆで卵、生野菜、野菜のピクルスなどなど・・・

これらを全部ひっくるめて、
Pålegg(ポレッグ)言い、
あのボソボソ栄養たっぷりパンにのせます。
ものによっては、
フォーク、ナイフを使って食べるんですよ。
(普通ガブッといく相方さんが、
 この時だけは、上品に見える)

朝食、昼食、お弁当、夜食に、
どこででも、いつでも、誰でも
簡単に食事するのに、
ノルウエー人には欠かせないもの。

保存食が必要な国の知恵でしょうね。

チーズ、ハムの種類が多いのは、
想像していただけるでしょう。

他に、例えば・・・


燻製にしたタラの卵を練ってある。このチューブで長持ちする。
 

タイセイヨウニシンの甘酢漬けときゅうりのピクルス
レバーペーストのメーカーも多い。
野菜あえ。お手軽品で店にたくさん並ぶ。

*  *   * *  * *  * *  *

もうじき極夜、という頃、友だちからの提案。

「太陽が見えなくなる日、うちでカフェしない?」

喜んで行ってみると、
Snitter(スニッテル:切ったパンにpåleggをのせたもの)を

作ってくれてありました。


そっか・・・
ケーキでなくても、この手があったんだわ、
と目から鱗。

極夜が始まる、このタイミング。
ほっとする灯りに包まれて、
お喋りも 笑顔も 弾みます。

これぞ、まさに心温まるおもてなし。


人を呼ぼうと思うと、つい構えてしまうけど、
気軽さが大事。
簡単でいい。

大事なのは、会っておしゃべりすること。


この時間を作ることが、いかに貴重か。

Pålegg(ポレッグ)で おうちカフェ!

とか

Pålegg(ポレッグ)一個持ち寄りカフェ!

ええ感じや~ん。

 

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今年の極夜前は、ひときわ映える

2020-11-16 | アイリッシュハープ

10月に降り積もった真白な雪
見事なオブジェを創り出す霜

ところが今、雪も霜もないんですよ。
暖かいんですねえ。今日は5℃。

しかし、こちらは、正確にやってくるんだなあ。

今週です。

Mørketid(モルケティドゥ・極夜)。


今年は、
町のカフェで友だちと会ったりするのも減るだろうな。
そう予測する分、
ひときわお日様が愛おしくなりました。

想像してみてください。

太陽が、落ち日のよに低いところにありながら
瞬時に落ちることなく、
ゆっくりと照らし続けるときを。

こういう時間が2か月ない、ということを。

お日様もなごり惜しんでいるような
少しでも長くこの地に光を届けようという
お慈悲のような。

今日は、霜の頃から、トロムソの光をお届けいたします。

雪ではなく、霜景色。
 




太陽と反対側の空に映える

雲に
 
山に


街に

枯れ木でさえ、輝かせてしまう
 

石も
 

輝く家々、わかります?カヤック、ヨット、グライダーから、いいなあ。
 

いま、練習ですか。。。 来夏は、私もやってみよーかなあ!!
 
 
コロナ & mørketid- 極夜
みなさん、無事過ごせますように。
 
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コロナ期に、ハープがますます大切なものに

2020-11-10 | アイリッシュハープ

久しぶりのコロナ報告です。

ノルウェーでは、11月5日で
新感染者621人、死者合計284人。

トロムソは少なかったのですが、
先週高校で感染があり、全生徒がテストを受け
30人以上が陽性反応と判明。

外出はかなり慎重になっているところです。

極夜にも入るし、どう乗り切ろう、
と案ずるのは私だけでないはず。

幸いにも、私はハープに随分救われています。

会えなくても一緒に弾ける

3月、家籠りのお蔭で、
Arctic Harp Circleの相棒アンゲラと
毎週ZOOMで弾き始めました。

ネットでは音がずれるのをミュートの切り替えで補ったり、
パートを録音・送り合って練習したり。

7月、実際に会ってすぐ弾けた
あの達成感と心地よさは、
この時期に得た貴重な体験です。
(コロナが落ち着くと、時間が取れなくなった。)

 
恒例のNHMも オンライン参加型で。

もう一つ、ネットで会う回数が増えたのが、

NHM(ノールディック ハープミーティング)

今週は、年に一度のイベントがありました。

もちろん、オンラインで。

北欧の民族音楽のコンサート、レッスンはもちろん、
ハープ系の古楽器を通して、
音楽、歴史を自分たちで発掘、探求し合う姿が、
私にはとっても興味深いんです。

プロもアマチュアも一緒にやっているのも、面白い。

今年の主催者曰く、
「食事タイム、入れるのを忘れた!」

見事にぎゅうぎゅうのスケジュールで、
しかも中身は濃い。
今年は北欧周辺だけでなく、
アメリカからの参加もありました。

この大変な時期の創意工夫、その熱意に感心しました。

NHMの中心Erik Ask-Upmark(スウェーデン)ハープ以外に
夫婦で作るDråmでは、スウェーデンのバグパイプ、ニッケルハルプも聞ける


SteinVillaはノルウエーハープの復刻者で、楽譜の形でも継承に貢献している。
妻のMaritsは、ランゲレイクというハープを弾く。
ランゲレイクとノルウェーハープのコラボは、軽快な音色を生み出す。

 

トラブルが発生し、レクチャーを待っている時のこと。

「この絵でお話作ってくれる人いる?」

と誰かが言うと、

ユーモアたっぷりに話を始める人、
それに 誰かがハープを弾き始める。
じゃあ、これはどう?と別の人が始める。

こういう所で、日頃の姿・力が出るんですねえ。

なんて素敵な人たちなんでしょう。

自分のことで、意外だったのは、
英語が、以前より少し(!)わかるようになっていたこと。
日々ノルウェー語しか使っていないのに。

それにしても、英語だけって、疲れますわ。
(ノルウエー語だって疲れるー!)

おまけに、YoutubeやZOOMやFBや、
ヘッドホン?テレビ?いやステレオか、
とツールの使い分けにも疲れましたわ。

でも、

自分の姿を消して、お茶して適当に息抜きする。

この手も覚えました。

日頃のオンラインレッスンに支えられ

この度、初見で指使いが楽になってる!と自覚。
ハープを弾き始めて8年というより、
今年5月から始めたオンラインレッスンの成果です。

先生は上原奈未さん。

昨年のNHMに参加され、
トロムソでコンサートをしてくださった
hatao & namiの奈未さん。
アイリッシュ・北欧音楽を演奏する数少ない日本人の一人です。



hatao & nami 4 枚目のCD「5分間の魔法」発売!オリジナル曲満載
どのCDにも 北欧の曲が入っている

シャナヒー:結成22年の奈未さんのもう一つのグループ
ハープ、フィドル、パーカッション、オルガンなどで、 
北欧の昔話の世界が愉快に妖しく広がる
 

彼女がオンラインレッスンを始めると知り、
速攻、申し込みました。
「ノルウェーの曲を中心に」という注文までつけて。

日本語でノルウエーの曲を学べる。

さらに、奈未さんが発掘するノルウェーの歌の歌詞を訳したり、
私も一役買わせていただけるのです。
(私と相方さん、二人で一役)

こんな有難いことがありましょうか。


トロムソ図書館で借りた民族音楽の本から写す奈未さん(2019年我が家で)

 師走前のひとときに

6月、コロナ期に
奈未さんは、ハープのソロで初めてアルバムを出されました。

SØLVHARP  Celtic &Nordic music for harp

アルバムのカバーデザインから
歌詞の訳、楽譜集、全て自作。
渾身の一枚です。



その中の一曲だけ、私たちに訳してほしいと言われ、
畏れ多くも引き受け、使って頂きました。
(Haruko & Torのデビュー作!)

「Jeg Vet Om En Kilde(いのちの泉)」。

ノルウェー中世の聖歌で、魅惑的です。

他には、子守歌、静かな曲から、
アイリッシュの小気味よいリズム曲、
北欧の優美なダンス曲と、
バリエーション豊かに、
しっとりとアレンジされています。

静かな夜長に 染みます・・・

ハープ、やっててよかったぁ。

 

日本もコロナが増えていますし、
師走が近づく時期。

どうぞ皆さん、
家のよき時間が増えますように。

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ノルウェー代表料理・フォリコールになるはずが・・・

2020-11-02 | アイリッシュハープ

皆さんは、お肉料理がお好きですか?

私は好きですが、がっつり派ではありません。
日本で初めて食べた羊の肉が悪かったのか、
羊の肉は、あえて食べたいと思ったこともありませんでした。

しかし、ここに来て、
その私の好物に「ラム(子羊の肉)」が堂々入り!

11月、さすがに寒くなってきた頃。
今日はラムを使ったお料理をご紹介いたします。

ノルウェーの代表的料理・フォリコール

ここ暮らして3年。
フォリコールが、ノルウェーの代表料理
というのにも納得するようになりました。

フォリコールは、Fårikål。

Får:羊の肉、i:~の中に 、kål:キャベツ

この3語がくっついてできた名前。

つまり、「キャベツの中の羊のお肉」。
その名の通り、
たっぷりのキャベツと羊(ラムが多い)のお肉を
コツコツ2,3時間煮込んだお料理です。

味付けは、塩とコショーのみ。
ただし、胡椒の実を丸ごとふんだんに使います。

このシンプルな味付けは、素材の旨味を最高に引き出し、
柔らかくて、実に美味しい。

秋は羊の肉もキャベツも旬。
山から帰ってくるラム2kgが1500円ほど、
キャベツは1玉100円もしないほどで、
スーパーにゴロゴロ出ます。

安くて、簡単で、美味しい!

ノルウェー人はこの季節に1回はフォリコールを食べる、
と言っても過言でないかも。

フォリコールのはずが、意外なお料理に

先日、もう一回フォリコールを作ろうか
と思っているところに、義妹夫妻が来訪。
ついでに、料理好きな義弟は、準備していたラムで
別の料理を仕込んでいってくれました。

まず、とりだした鍋にびっくり!

うちのキッチンにあるにも関わらず、
使ったことがなかった鍋。

どうやって使うのか?

この鍋でラムの表面を焼いて、
塩コショウ、タイム、ローズマリーなどハーブを少々。
そこに野菜を入れて、ガラスの蓋をして、
鍋ごと(!)180℃のオーブンで焼くこと2.3時間。
焼きあがってから、
作っておいたブラウンソースを絡めて、出来上がり。

美味―い!!! 
ラムが、さらにもっちり柔らかくなって旨味が出ている。

これには、驚きました。

それにしても・・・

私:あの鍋があんなふうに使えるって、知らんかったん?
相方さん:アハハ・・・今日、思い出した。

この冬は、相方さんを当てにせず、
料理をもっと学びましょう!

 


夏の山では、自由に過ごす羊たちに出逢います。
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