すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

指一本からピアノの音色を求めて

2010-12-18 | おむすびティータイム

まずは、お知らせ。
12月のティータイムは、お休みしますm(__)m

************* * *********** * **********

最近、
我が家のピアノで練習をしている青年がいます。

とっても優しい音色を奏でてくれて、
私は同じ部屋で心地よく仕事をさせてもらっています。

11月13日のおむすびティータイムでは
彼の演奏を聞かせてもらいました。

以前おむすびティータイムに参加してくれたとき
彼の演奏が、好評で
「彼の演奏会をしてほしい」という要望がありました。

でも、「僕の演奏なんか・・・」という本人の心境から、
普通にティータイムに参加してもらって、
紹介させてもらうことにしました。

その場で涙ぐむ人もあり・・・
やっぱり好評でした。

でも、私が彼を紹介したいと思ったのは、
「上手だから」ではありません。
私は、
そんな評価をする力もなければ、
感性に自信もありません。

ただ、
彼のピアノとの出遭いから今に至るまでのプロセス。

そこに私はとても惹かれるのです。

少しそのお話しを・・・

彼は中学の頃、対人関係で悩んでいたんですね。
ちょうどその頃、、
ネットで偶然一人のピアニストに出逢うんです。

彼の演奏はもちろん、
ブログで綴られていることにぐいぐい惹き込まれていく。

気がつくと一か月。
これほど長い時間同じ人のブログを読み続けたなんて、初めて。

「こんな生き方、かっこいい!
 おれもやってみたい」。

そこで、習ったこともないピアノのふたを開けます。
それまで、ピアノなんて、遠い世界のものだったのに・・・。

耳に残る旋律を楽譜に起こし、
指一本から、
力の入れ方、指使いなどいろいろ試しながら、
音を感じ、音を探っているうち
今の演奏に至っているのだそうです。

そして、そのピアニストに会いに東京まで行くんですよ。

実際に生の演奏を聞いてみると・・・

「今まで自分は、自己中過ぎたかな」

彼は、そう思ったんですって。

それからは、
聞いてくれる人のことを想って弾くようになったそうです。

「僕がただ好きで弾いているピアノが、
たまたま耳に入って、
何か人の助けになれば、うれしいなあ」。

 

これから、彼がどのような道を歩んでいくのか・・・

陰ながら応援させてもらいたいと思います。

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リースとしめ縄は似てる・・・?

2010-12-15 | ほっとひといき

 昨年から垂水紀子さんを講師にお招きして、
生の黄金ヒバを使ったリース作りをしています。

いただいた姫林檎がさらに色を添えてくれてました。

今年は、私の確認ミスで芯に使うリースが足りなくなってしまい、
急遽、犬の散歩の途中で葛のつるを刈り取って、
作ってみました。

結構いけました!

私はクリスチャンでもないのですが、
クリスマスが好き。

なぜかなあ?

時期的にも年の終わりで、
一年を振り返ること、
来年の準備を始めることと重なるからでしょうか?

こうしてリースを手つくりしていても
ゆっくりとヒバを一本一本合わせていく作業の中で
何か謙虚な気持ちになれるような気がするのです。

しめ縄を自分の家でなっていたときというのは、
こういう心境だったのではないかと、
ふと思ったりして・・・

今年もあとわずか。
大切に過ごしたいと思います。

 

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さあ、ここからだよ!(14日の続き)

2010-12-13 | 素老日誌

●「人生これからが、本番」に惹かれて

お茶をしてから、
母の部屋に行く。

母の視線は、
壁に貼ってあるものから棚に並んでいるものに移って行った。
そして、
きゅっと視線が止まった。

視線の先には、一冊の本。

「人生、これからが本番」
(日野原重明著、日本経済新聞社)

4年ほど前だった。
あの時も本屋さんの本棚で母の視線が止まったのだ。

買ってきて、
家でとりつかれたように読んでいたものだ。

そして、再びこの日、
母はこの本のタイトルに惹かれたのだ。

この日、何度本を手にとってタイトルを口にしたことだろう。
母のどこかで覚えているのだろうが、
今の母の心に潜むものとも共鳴するからではないだろうか。

そんな母の一面を見ることができたのも私には嬉しいことだった。

「人生、これからが本番」

そのとおりよ。

がんばれ、お母さん!
がんばれ、おばあちゃん!

●家族の賑やかさの中で

後は夕食のなべの準備ができるまで、母は眠った。

息子が買物から帰ってくると、起きようとする。

できないし、やらないんだけど、
以前の母には必ず出てきていた言葉が出た。

「私も手伝うわ。
ああ、嬉し、手伝わせてもらえるなんて・・・」。

そして、ひと泣き。

「人の役に立てると思ったら、
こんなにうれしいことはない」。

これは、認知症になってからの母の口癖だったのだ。

「人の役に立ちたい」。

それは生きている限り母が・・・人が願うことなのかもしれない。

車いすでテーブルについてまたひと泣き。

兄の家族と7人でなべをつつく。

母は、鍋に触らないように気をつけてそっととっている。

母は食べながら話すことはほとんどない。

食べるなら食べるだけ。
とるなら取るだけ。
周りとは無関係のように見える。

それでも、
鍋に近づく暖かさ、
賑やかなしゃべりの中で家族ならではの空気を感じているに違いない。

横になっても流しの音が聞こえ、
人の声がし、呼べば誰かが来てくれる。

狭い我が家だからこそ抱く安心を感じているに違いない。

私はそう思う。

しかし、今晩皆が帰ると残されるのは、
私と母の二人だけ。

さて、ここからだよ。

ゆっくりと二人で過ごすのだ。
きっとそこから見えてくることがある。

ここからだ。

 

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車椅子の母が帰ってきた!

2010-12-10 | 素老日誌

【14日より】

●神社で社を見据える瞳

息子が帰ってきてくれて、
レモンの里に母を迎えに一緒に行ってくれた。

家の駐車場から降りて、
目に入った神社にまず行ってみることにした。

以前、
認知症になった母を元気にしてくれたものの一つに、
神社の掃除があった。

ここ数カ月で近所のに大型ショッピングセンターができ、
うちの前には新しい家が立ち並び、
家の周りの景観が全く変わってしまった。

見違えるような景色の中、
神社は、
母が結婚してからずっとそこにあり、
変わらぬ空間がそこにあった。

神社の中に入ると、
母の眼はキョロキョロするでもなく
何かを見据えるように木々や社を見つめる。

何か頭の中に浮かんでくるものをキャッチしているようにも見える。

それくらい落ち着いて
じっくりと自分の内部と外部とに向きあっているかのような表情だった。

その表情を見ただけで、
私は帰ってきてよかったと思った。

こういうことは、
人の力では到底及ばない力を発揮するものだ。

涙が封じ込めたものを溶かしてくれる

この日、母はとにかく泣いた。

グループホームに行ってから脳梗塞も経験し、
こうして回復するまで、
家を離れていた5カ月、
母は一体どんな想いをしてきたことだろう。

母の涙は、
言葉ではいい表わせないさまざまな想いの結晶だろう。

そして、
封じ込めていたものをきっと溶かしてくれているのではないだろうか?

家の門まで来くると、
車いすに座って立ちつくすように母は言った。

「ああ、うちやなあ」。

母は、覚えていた。
それだけで私はホッとして、嬉しくてたまらなかった。

玄関に入ると・・・

「ああ、帰ってきたんやわ」。
「おかあさん、お帰り!」
「おばあちゃん、おかえり!」

その場で、母は顔を覆って泣き出した。

「帰ってこれたんや。
こんなに迎えてくれて・・・
喜んでくれて・・・
うれしいわ。

ありがとう。ありがとう・・・」

それは、何分ほど続いただろうか。
「もう玄関でお茶にしよか?」なんて、息子が言ったほどだ。


息子が母をお姫様だっこしてくれて、家の中に車いすが入った。
この家が車いすを迎えるのは初めてだ。

キッチンのテーブルについて、またひと泣き。

昨日、「おばあちゃんと食べて」
といただいたシフォンケーキを紅茶でいただく。

こんなふうに母と我が家のテーブルでお茶をすることができるとは・・・
3週間前までは思いもしていなかった。

しかし、母は車いすで帰ってきたのだ。
帰って来ることができたのだ。

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母は家に帰ってこれる?

2010-12-09 | 素老日誌

私は、悩んでいた。

なかなか血圧が下がらず、
情緒的にも不安定な母の様態に
「母にとってどうしてあげることが一番いいのだろう?」と。

そして、私自身も肉体的にも精神的に不安定になっていた。

そんなとき、レモンの里の倉田さんから提案があった。

「豊吉さんのストレスのことを考えると
三日でも家に帰らせてあげたら、どうやろう」。

そう言われて、
私は咄嗟に泣きながら、答えていた。
「無理です!」と。

しかし、本当に無理だったろうかと、
以前のケアマネージャンさんに相談したところ、
私一人でも
介護保険が使えなくても(グループホームにいると使えない)
何とかなりそうだということがわかってきた。

これは、やってみなければ、後悔する。

そう思い直し、三日間の帰宅を実行することにした。

車いすの母が帰ってくるとなると・・・

今の家で障害になることを考え、
一つ一つ解決しながら準備を進めていった。

この作業は、
「どうしたらいいのかわからない」と思っていた私に
「できること」を教えてくれ、
落ち着きを取り戻させてくれることにもなった。

帰宅三日間は、
今の私の悶々とした気持ちに応えてくれるものが見つかるに違いない。

準備しながら、その思いは確信になってきていた。

いよいよ、帰宅の日が来た・・・。

(明日に続く)

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謎のエイリアンがやってきた!

2010-12-08 | 教室

 

これは、何でできているかわかりますか?

11月教室に飾っていたフォックスフェイス!
ナスの仲間で黄色い実。

「これ、面白い形やー!」
とか言いながら、
目などを描いたり、爪楊枝でつないだり
・・・・

何人かの生徒さんの手にかかるうちに
教室のツリーの裾にこんなのができました。

タイトルは・・・

クリスマスの夜に謎のエイリアンがやってくる!

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