磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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D072.人間の御先祖さま?

2005年11月29日 | 【小説】 レインボー...
VI.青の部屋(虹の世界)

D072.人間の御先祖さま?





 カールは、いつものへんな笑いをした。それから
「これが、きみたち人類のご先祖様だよ。この弱くって小さな生き物がきみたち脊椎動物の祖先なんだよ」
 と教えてくれた。

 ユリカは、小さな魚の体は透き通っていて、ほそい背骨があるのがはっきりと見えた。

「その背骨、つまり脊椎を持った構造が重要だったんだ。海の世界は、ほら、ますます、生き物が増えていく、つまり……」
 カールは目の前の魚たちは、たくさんに増えていた。

 ユリカたちは流されているので、ちがう場所に来たともいえるのだが……。
「このように海の中が生物でいっぱいになるんだ。生き物たちは陸にあがろうとする。その時、兜で身を固めたものは重すぎて、陸上に上がることはできず、この小さな魚の子孫が上がることができたんだ」

 人類がまだ誕生していない遠い昔のことを教えてくれた。

「そして、ずっとたって人類が生まれたのね」

「まだだよ。恐竜の時代があったり、人類の歴史はとっても新しく、人類の歴史はまだとっても短いんだよ。この地球の歴史から考えたならばね」

 カールはどこかの博士みたいだなーとユリカは思った。だって、とても物知りだからである。

「恐竜と人間はいっしょにいなかったんでしよう」
 ユリカは質問した。

「そう言われているね、反対意見をいっている人たちもいるけどね。この魚たちも人類と同じ時代の地球にはいなかった。オウム貝などの一部の生物を除いて……。ところで、こんな話をしていたのかな」
 カールは首をかしげた。

「弱肉強食の話をしていたのよ」
 ユリカは思い出してはなした。

「そうだった。強いから生き残り、弱いから生き残るというものじゃないんだ。この目の前の魚の子孫が生き残り繁栄していくんだ。弱肉強食はたとえでしかないんだ。すべてではないんだ。人間は科学というものをもった。それで人類こそが支配者だと思っている。科学というのも、あの兜に似ているよ。確かに今までは役に立った兜だったろうけど、その兜によって滅びるかもしれない」
 カールは嘆いていた。

 ユリカはカールがユリカのおじいさんのように思えた。よく似たことを言っているからである。

「ライオンは百獣の王と言われるが、もし、ライオンだけになったら、ライオンは滅ぶだろう。なぜなら、食べ物がなくて、お腹がすいて、死んでしまうだろうね。ライオンは兎たちや弱い生き物によって生かされているんだよ。弱い動物は草や木の実を食べて生きている。何も意見を言わない植物たちが、動物全てを生かしているんだよ」
 カールは熱心に話している。

 話をおえるとユリカがテレビや図鑑で見慣れている海にかわっていた。でも、いろいろな色はなく、青色だけしかない。

「わぁー、クジラよ」
 ふたりは、クジラが通るあいだ。暗闇の中にいた。




閑話休題

人類の祖先である脊椎動物は弱いものでした。
しかし、その弱さが強みにかわる時がきます。
それは陸上にあがるとき、兜のあるものは
大きなものは、その重さゆえに陸上にあがれませんでした。

そして、人類も最初は弱かった。
弱いゆえに知恵をもったという。
人類は弱かったから強くなったのです。
でも、いつも同じ時代は続かないものですね。

今、改革をしなければならないことは
沢山あります。

医療についても、日本の医療は異常です。
ラジオで本日、わかりやすく説明されていました。
「名医は一度で手術をすまして、儲からず、
下手な医師は何度も失敗して、何度も患者を来るして、
その都度、お金が入る。」

まさに、不要な検査をする医師は儲け、
そんな必要もない検査をしたら、
患者に肉体的にも経済的にも負担にかけるという
医師は儲けられない。

ぼくは劣等生だったもので、
ご老人たちにはよく愛情をかけてもらいました。
まあ、口は悪いので毒マムシのような
ガキでしたが……。

ひどすぎる! 弱者ばかりに負担をせまる!
そんな改革はやめていただきたい!

理念ある、きちんとした改革を!
本気でやって欲しいものです。






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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
死語 (雨漏り書斎)
2005-11-30 00:05:17
「医は仁術」



生語? 「医は算術」



よく言われますよね。
返信する
「人間の修理工場」 (鱧男)
2005-11-30 20:32:54
「医は算術」は今もいわれますね。



最近は「人間の修理工場」と病院のことをいう人がいます。

患者さんが退院していくとき、「これで家にかえって、

やっと病気がなおせます」とブラックジョークがぴったり

くるような感じもしないこともないと思いました。
返信する

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