XII.魔法かもしれない?
A157.科学が人を環境を痛めつける
素晴らしい“魔法”と思っていた科学が、僕らの情況を悪くしはじめたのだ。そして、有吉佐和子が『複合汚染』を書いた時代よりも、確実に環境汚染はひどくなってきている。
アトピーの子供は増えているという。そして、癌の人たちも増えている。化学化合物が確実に遺伝子を痛めつけているというのである。
しかし、田舎はやはり都会より自然がある。そう思える。しばらく、石井は、ぼんやり考えたあと「故郷の手袋山に行きたいなぁ」なんて、ポツリと言った。
ピッポーン!
チャイムがなった。
ガッチャ、ガッチャ!
ドアのノブを動かす音がした。
はいはいしていたあやちゃんは止まり、それらの音をきいて、ここに来た最初のころのテレビを思い出した。それは、
『戦闘機がごう音をとどろかせ。
プシュ。
ミサイルが発射された。
ドカーン!
戦闘機が爆発した』
と、いうものだった。
「ただいま」
桃子が帰ってきた。石井はテレビのスイッチをきり、眉をつりあげて、にぎりこぶしをつくって、立ち上がった。
後ろからはいはいをして、
「マンマ、マンマ」
と、あやちゃんが続いた。
テレビは部屋中をあい色にそめていた。外の景色もあい色だった。星たちが涙のようにふりそそいでいた。
石井と桃子は、ダイニングでピーチを食べながら話し合っていた。
リビィングのTVでは終戦記念の番組を放送していた。
テレビの老人は、
「今はたいへん平和だ。物のありがたみもわからず、多くの人はダイエットブーム…」
あやちゃんが、あい色に染まった部屋で、テレビのリモコンにのって遊んでいた。
ガー・ピー! テレビは雑音を出し、ちがう放送をうつした。
「多くの子どもたちが、内戦の影響で、難民となって国から逃れ。今、×××の国境近くでは、コレラで何万人もの人々が死んでいます」
死体と間違われて、生き埋めにされかけた子どもの大きなまん丸の黒い瞳が輝いていた。
ガー・ピー
「陰湿ないじめは、少年を死においやった」
ガー・ピー
「エリート学生は、そして、凶行におちいったったのでした……」
ガー・ピー
「働き盛りの男性が首を吊って亡くなりました。またも、不思議なことに遺書がないのです。二歳の子供と生まれたばかりの赤ちゃんを残して、そんなこと考えられません!」
ガー・ピー
「……昆虫農薬の会社ができました。益虫であるテントウムシを大量に飼育して農家に売り出します。益虫であるテントウムシは化学化合物の農薬とちがって、自然を利用したものであり、汚染の心配はないとのこと。それでいて害虫であるあぶら虫を食べてくれます」
ガー・ピー
「有機農法に取り組む太田さん一家では、カモを飼育することをはじめました。わが岡本村では初めてのことです。カモは雑草を食べてくれるのです。これで雑草を抜く手間が減るというわけです。それに、カモが成長すれば、肉を食べることができるのです。ところが、太田さんはカモに愛着が生まれて殺すなんてとんでもないと怒っています」
ガー・ピー
「ニニロッソ……、日本には1967年を皮切りに毎年のように来日し、いつかサンタ・クロース代わりに来日するのが常となり、そのたび収益を寄付したり、施設を訪問したり、トランペット教室を開いたり……」
ガー・ピー
ガー・ピー
ガー・ピー
………(テレビの画面は細胞のようだ)。
一つのあるいは多くの有機体を映しだしているのだ、それが地球という星を彩っているのだ。人知で、現在知られている生命の星は地球だけである。
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[レインボー・ループ]もくじ
A157.科学が人を環境を痛めつける
素晴らしい“魔法”と思っていた科学が、僕らの情況を悪くしはじめたのだ。そして、有吉佐和子が『複合汚染』を書いた時代よりも、確実に環境汚染はひどくなってきている。
アトピーの子供は増えているという。そして、癌の人たちも増えている。化学化合物が確実に遺伝子を痛めつけているというのである。
しかし、田舎はやはり都会より自然がある。そう思える。しばらく、石井は、ぼんやり考えたあと「故郷の手袋山に行きたいなぁ」なんて、ポツリと言った。
ピッポーン!
チャイムがなった。
ガッチャ、ガッチャ!
ドアのノブを動かす音がした。
はいはいしていたあやちゃんは止まり、それらの音をきいて、ここに来た最初のころのテレビを思い出した。それは、
『戦闘機がごう音をとどろかせ。
プシュ。
ミサイルが発射された。
ドカーン!
戦闘機が爆発した』
と、いうものだった。
「ただいま」
桃子が帰ってきた。石井はテレビのスイッチをきり、眉をつりあげて、にぎりこぶしをつくって、立ち上がった。
後ろからはいはいをして、
「マンマ、マンマ」
と、あやちゃんが続いた。
テレビは部屋中をあい色にそめていた。外の景色もあい色だった。星たちが涙のようにふりそそいでいた。
石井と桃子は、ダイニングでピーチを食べながら話し合っていた。
リビィングのTVでは終戦記念の番組を放送していた。
テレビの老人は、
「今はたいへん平和だ。物のありがたみもわからず、多くの人はダイエットブーム…」
あやちゃんが、あい色に染まった部屋で、テレビのリモコンにのって遊んでいた。
ガー・ピー! テレビは雑音を出し、ちがう放送をうつした。
「多くの子どもたちが、内戦の影響で、難民となって国から逃れ。今、×××の国境近くでは、コレラで何万人もの人々が死んでいます」
死体と間違われて、生き埋めにされかけた子どもの大きなまん丸の黒い瞳が輝いていた。
ガー・ピー
「陰湿ないじめは、少年を死においやった」
ガー・ピー
「エリート学生は、そして、凶行におちいったったのでした……」
ガー・ピー
「働き盛りの男性が首を吊って亡くなりました。またも、不思議なことに遺書がないのです。二歳の子供と生まれたばかりの赤ちゃんを残して、そんなこと考えられません!」
ガー・ピー
「……昆虫農薬の会社ができました。益虫であるテントウムシを大量に飼育して農家に売り出します。益虫であるテントウムシは化学化合物の農薬とちがって、自然を利用したものであり、汚染の心配はないとのこと。それでいて害虫であるあぶら虫を食べてくれます」
ガー・ピー
「有機農法に取り組む太田さん一家では、カモを飼育することをはじめました。わが岡本村では初めてのことです。カモは雑草を食べてくれるのです。これで雑草を抜く手間が減るというわけです。それに、カモが成長すれば、肉を食べることができるのです。ところが、太田さんはカモに愛着が生まれて殺すなんてとんでもないと怒っています」
ガー・ピー
「ニニロッソ……、日本には1967年を皮切りに毎年のように来日し、いつかサンタ・クロース代わりに来日するのが常となり、そのたび収益を寄付したり、施設を訪問したり、トランペット教室を開いたり……」
ガー・ピー
ガー・ピー
ガー・ピー
………(テレビの画面は細胞のようだ)。
一つのあるいは多くの有機体を映しだしているのだ、それが地球という星を彩っているのだ。人知で、現在知られている生命の星は地球だけである。
閑話休題 アレルギーも若い世代ほど、 罹患している率が高い。 博物学には日本にはないといっても いいほど、発達していないという。 アレルギーも昔より、 ひどいような気がしてなりません。 何度も書きますが、 よいところばかり見ないで、 予防原則を守ってもらいたい。 苦しんでいる人たちのことを、 忘れないでいただきたいものです。 関連記事 |
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そういえば、鱧男さん!ハーブ飲んでるみたいだけど、
喘息はないですか? ハーブや湿布薬は喘息によくないって話も・・・?
そういえば(←その2)、
医療も大切だけど、予防にも力を入れればいいのにって・・・鍼の先生が言ってたっけ・・・。
アレルギー体質(一概に言えないけど)・・・周りを見ていると・・・
最近は、なんだか成人病(いわゆる自己管理と節制)に属するか?とも思えてきたりして・・・・
むしろ、いいみたいです。
コーヒーは気管を拡張するそうなので、
喘息にいいと書く人もいますし、
ジャスミンティーは鼻がとおります。
白血病も昔は若い人の病気のようにいう人が
いましたけど、血液の老化と、昔から
書くお医者さんもおられました。
どうなんでしょうね。
でも、中年でも確かに増えてきている感じがします。