アカネさんシリーズ001 恋のタイムマシーン 086音楽会 井上を除いた三人はデイ・ケアー・センターの娯楽室に行く。 ちょっとしたホールくらいの大きさである。 でも、やっとバスケットができるくらいの場所ね。 「それでは、ソーラン節を歌いましょう」 前に立つ若い女の人が歌詞カードを棒で指さしている。 ピアノ伴奏で歌っている。 だけど、歌っているのは、ごくわずかだ。 年寄りだからって、真昼間から、ソーラン節もないわね。 ちょっとは楽しくなる歌が必要だわ。 そうよ、プラス思考、プラス指向よ! 「小一郎、カラオケの準備をするのよ」 「えっ!」 「使い方がわらないの!」 「いいえ、わかってますよ」 「先輩いいんですか?」 「いいよ。前の戸川さんにはわたしが断っておくね!」 「これ、わたしの歌う曲の順番よ」 茜は小一郎にメモを渡す。 「歌う曲の順番?」 「早く、カラオケの準備をしなさい」 「あら、歌いたいご老人がいるのね」 「はい」 「いいですわよ。あの紹介は永山さんからしてくださいますか」 「はい」 何と、積極的な生き方だろうな、まるで茜みたい。 小一郎はもじもじしながら、そう思った。
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