総理がコジキでコジキがソーリィー 094 “闇教育” 「でも、じいさんたちには、生きていくことしか考えられないよー」 「わたしもよ、そのなかに、環境問題があって、核問題があって……」 「そういうもんかい」 「政治家以外はね……」 「どうして、政治家以外なの」 「政治家は何でも、自分の都合のいいようにもっていくための、道具でしかないのよ。日本の“闇教育”もすごいもので、こうやってホームレスの人がいても、憲法二十五条があるわけよ」 彼らの心に闇がなければ、こんなこと見過ごしていられるわけがない。 「二十五条とは国は最低生活の保証をしてくれているってことでしょう」 「これが最低生活なのかしら?」 「う~ん、国民には労働をする義務もあるらしいねえー。役所の人はそういっていたよ」 「ところが、労働する場がないのよ。だから困っているのに」 「労働できる人には生活保護は支給できませんっていうんだよ」 「まったく、話は最期まで聞かないといけないねえー」 「ところで、どうしてホームレスと“闇教育”が関係あるんだよ」 「それは、困っている人たちがいても、自業自得って教えていることよ。そして、ホームレスの人がいても、困っている人がいても、見過ごしていく、ホームレスの人たちを闇の世界に封じこめてしまうのよ」 「そうかあー。それで“闇教育”とホームレスが関係があるってことかあー。頭いいなあー」 「ユダヤ人虐殺も、ホームレスの問題も差別が一つの原因よ。わたしとは関係がないという人たちが作りし出したのよ」 「“闇教育”がなせる業というわけだなあー」 「ぼくのクラスなんて、闇の闇、もう真っ暗だよ」 「どんなふうに? 騒いでいるだけじゃわからないわよ、気持ちはわかるけど」 「ぼくのクラスの班ってどうやって決めると思う? 知っているわけないよね。野球のほら新人を指名するのと同じなんだよ。まず班長が立候補して、選挙があって、班長が決まると、班長は好きな人を選んでいくわけなんだ」 「えっ、班長が選ぶの……」 「わたしの子どもの時代は、班が決まってから、班のメンバーで班長を決めたよ」 「それじゃいけないんだよ。班長が自分の政策を言わないといけなんだ。どんな班にしたいかを選挙するんだよ」 「政策ね……。何か寒いねえー」 熊谷老人は背をさらに丸くした。 「班長が決めるから、ぼくのような嫌われ者は、誰も選んでくれないというわけ……。仕方ないか、じゃ、おれの班、お荷物の三沢を背負うよ!」 「先生なんか言わないの」 「言うよ、偉い! 三沢というお荷物を背負うことは、大変なマイナスだろうけど、我慢してやってくれって」 「異常だわ」 「でっ、それはまだいいんだ。辛いのは批判会なんだよ」 「批判会? なんだよ、それ」 高橋青年は不愉快そうに言った。
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