龍の声

龍の声は、天の声

乞う行為

2024-08-08 07:51:03 | 日本

乞う者を見て与えるのは施しであるが、最上の施しとはいえない。心を開いて、自ら進んで他人に施すのが最上の施しである。また、ときどき施すのも最上の施しではない。常に施すのが最上の施しである。

施した後で悔いたり、施して誇りがましく思うのは、最上の施しではない。施して喜び、施した自分と、施しを受けた人と、施した物と、この三つをともに忘れるのが最上の施しである。

正しい施しは、その報いを願わず、清らかな、慈悲の心をもって、他人も自分も、ともにさとりに入るように願うものでなければならない。

世に無財の七施とよばれるものがある。財なき者にもなし得る七種の布施行のことである。

一には、身施、肉体による奉仕であり、その最高なるものが次項に述べる捨身行である。
二には心施、他人や他の存在に対する思いやりの心である。
三には眼施、やさしきまなざしであり、そこに居るすべての人の心がなごやかになる。
四には和顔施、柔和な笑顔を絶やさないことである。
五には言施、思いやりのこもったあたたかい言葉をかけることである。
六には牀座施、自分の席をゆずることである。
七には房舎施、わが家を一夜の宿に貸すことである。

以上の七施ならば、だれにでも出来ることであり、日常生活の中で行えることばかりなのである。