老荘思想に「上善は水の如し(じょうぜんはみずのごとし)」という言葉がある。
「上善」とは、最も理想的な生き方のこと。
水は己の形に囚われることがない。器を選ばず、周りに合わせることができる柔軟性を持っている。
雲となり雨となり、条件次第で氷へと形を変える。様々な姿に変化しながらも、その特性や性質を失うことがない。時に静かに、時に激しく、清濁併せ飲むのが「水」という存在である。
水は多くのものに恩恵を与えながら、人の嫌がる低いところに身を置いている。自己を主張して他と争うことも、無理に逆らうこともありません。
そんなふうに私たちも生きることができれば素晴らしい。水のあり方のような生き方こそが理想的な生き方であると説いている。