◎プラセンタという言葉
・プラセンタは英語で胎盤という意味である。 しかし健康食品や化粧品で「プラセンタ」と呼んでいるのは胎盤そのものではなく、胎盤から細胞分裂を促進する成長因子(グロースファクタ)や他の栄養素を抽出したものことである。
◎プラセンタ・パワー
・プラセンタは新たな細胞を作り出すのに欠かせない。
◎一個の受精卵が爆発的に細胞分裂を繰り返して赤ちゃんが作られる
・哺乳類は、たった一個の卵とたった一個の精子が出会った後に受精卵となって子宮壁に着床し、そこからもの凄いスピードで基幹細胞から目的となる各種の細胞に分化ながら、細胞分裂を繰り返していく。そして、数十兆という多数の細胞にまでなって赤ちゃんの体が形成された後に、赤ちゃんは母親の外に出てくる。
◎受精卵から胎盤が作られる
・子宮壁に着床した受精卵だが、ここで、非常に面白いことが起こる。受精卵は、大きく2つの部分に分かれる。1つは赤ちゃん本体で、もう1つが胎盤である。受精卵の子宮壁側が胎盤となる。そして、赤ちゃん本体と胎盤の間はホースで結ばれている。このホースは臍帯(通称「へその緒」)と呼ばれている。
◎胎盤は母体から栄養を取り出し成長因子を作り出す
・赤ちゃんが子宮の中で爆発的な細胞分裂を起こす上で、胎盤が重要な役割を担っている。役割の1つが、母体から栄養や酸素などを取り出して赤ちゃんに送ること。そして1つが、赤ちゃんの細胞分裂を高速かつ正確に行うための秘密兵器である「成長因子」成分を生成して赤ちゃんに送ることである。成長因子は、細胞分裂因子とかグロースファクタとかとも呼ばれる。ちなみに、戦争中、親の栄養状況が極端に悪くても、赤ちゃんが子宮内で驚異的な成長を見せることがあったと言われているが、これは、大いに胎盤の役割によるものである。
◎プラセンタが美容、健康、精神など広範囲に用いられる理由
・昨今は、技術が進み、プラセンタの有効成分を安全に抽出することが可能となり、また研究が進み、プラセンタの様々な効果や機能が科学的に実証されており、更なる研究も行われている。
現在までの研究では、プラセンタには、単なる栄養成分だけではなく、細胞の分裂を適切にコントロールする成分が含まれていることがわかっている。これを、専門用語で 「成長因子」(グロース・ファクター) あるいは 「細胞増殖因子」 という。この成分は、もともとは胎児が子宮の中で驚異的な成長を確実に行うために必要とされるものである。
細胞分裂が必要な細胞の表面には受容体 (レセプタ) と呼ばれる鍵穴が現れる。プラセンタの成長因子は、その鍵穴から細胞にアクセスし、細胞に対して細胞分裂が適切に行われるのに必要な情報を伝達する。その情報を受け取ると、細胞は分裂し、新しい元気な細胞を作り出す。また、末梢の毛細血管まで作り出すという研究結果もある。しかも、癌化した細胞は増殖させないという研究結果もある。
つまり、プラセンタは体全体の様々な部位に対して、上記の作業を行い、その結果、細胞分裂が必要な古くなって弱った細胞や怪我などでダメージを受けた細胞から新しい細胞を作り出すのを助ける働きがあると考えられる。
細胞のリフレッシュとあいまって、血流、情報伝達物質、ホルモンバランスなどの改善等の総合的な効果によって、肌をきれいにしたり、体の調子を整えたり、やる気が出てきたりと、生命活動のレベルをアップさせ、活き活きとした生活へと導くことにつながる。
◎プラセンタの効用
・プラセンタは美白効果が高い
・プラセンタは線維芽細胞を活性化 → たるみやシワを改善
・プラセンタは血行を促進 → 新陳代謝促進で肌の若返り促進
・プラセンタはホルモンバランスを整える
※ 医療ではプラセンタによる更年期障害治療が保険適用
・プラセンタは代謝機能を促進する → 体力アップ・疲労改善・痩身
・プラセンタは自律神経を整える → 不安感などを抑え鬱症状を緩和
・プラセンタはストレス耐性を向上させる→メンタルヘルスに良い
◎プラセンタの応用と安全性
・プラセンタは肝臓病や婦人病の注射や薬として認可された製品もある。また、健康食品や化粧品にも応用されている。
・プラセンタの安全性は「副作用」と「病原体」の2つのリスクに分けて考えることができる。副作用は、大部分の人にとって生じないか無視可能なレベルである。病原体に対するリスクは、プラセンタの種類や使い方で変ってくる。