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はじめに、三十番神の歴史・・・
三十番神は、平安時代に起源をもちます。第三代天台座主の慈覚大師円仁は、比叡山において法華経の如法書写を行い、首楞厳院(しゅりょうごんいん)を建立しました。
この時、教典ならびにお堂の守護のために神々をお祀りしました。はじめは十二支(中部)の日々にあてて十二神でしたが、延久5年(1073)に良正阿闍梨(りょうしょうあじゃり)が十八神(前部と後部)を選び、三十番神が完成しました。
三十番神社は、1カ月30日の間、毎日交替の当番で法華経の信仰者を守護する、日本国の所々にお祀りする三十の神様のことです。
その順番は、1日を熱田(あつた)大明神とし、以下順に2日諏訪、3日広田、4日気比(けひ)、5日気多(けた)、6日鹿島(かしま)、7日北野、8日江文(えぶみ)、9日貴布弥(きふね)、10日伊勢、11日石清水(いわしみず)、12日賀茂、13日松尾、14日大原野、15日春日、16日平野、17日大比叡(おおびえ)、18日小比叡(おびえ)、19日聖真子(しょうしんじ)、20日客人(まろうど)、21日八王子、22日稲荷、23日住吉、24日祇園(ぎおん)、25日赤山(せきさん)、26日建部(たけべ)、27日三上、28日兵主(ひょうず)、29日苗鹿(なえか)、そして30日を吉備(きび)大明神とするのが一般的です。
ご先祖の戒名を記する過去帳にも、日付ごとに神名が記されているものがあります。
日蓮宗で三十番神をお祀りするようになったのは、日蓮聖人の弟子の時代からで、その早い例は中山法華経寺の第二世となった日高(にちこう)上人、(正嘉元年(1257年正)-正和3年4月26日(1314年6月9日))と、日蓮聖人から京都への布教を命ぜられ京都妙顕寺を開かれた日像上人(にちぞう)、1269年9月7日(文永6年8月10日)- 1342年12月11日(康永元年/興国3年11月13日))と言われています。
これより以降、盛んにお祀されるようになり、特に名古屋の定徳寺、長崎の護国寺、新潟県柏崎の妙行寺は、三大三十番神として有名です。