ニュース雑記帳

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明石市大蔵海岸の事故で、国と市の4職員に無罪判決

2006-07-08 13:39:20 | Weblog
平成13年12月、兵庫県明石市の大蔵海岸で、人工砂浜が陥没し、当時四歳の女の子が生き埋めになり死亡した。この事故に関して、当時の国交省・明石市の職員4人が、業務上過失致死罪で起訴されていたのだが、7日、神戸地裁は、彼らを全員無罪とした。

裁判所の判断としては、国にも市にも砂浜を管理する責任はある、だから事故などを未然に防ぐ注意義務もある、けれど、この事件の場合、人が亡くなるような事故になることの予見は出来なかったろうから、無罪なんだそうだ。

ふうむ・・何か、納得できないものが残る・・・

私は、比較的「自分の不運は受け入れよう派」だと思う。何か不幸なことが起これば、その責任を追求し、誰かを責めたくなる気持ちは分かるけれど、それも度を越すべきではないと思っている。改善の為に泣き寝入らないということも大切だけれど、自分の不運を受けとめることも必要だと考えている。そんな私でも、この判決には、釈然としないものを感じる。

正直、被告になった4人を有罪にして、たとえ執行猶予を付けるにしても、前科者にするのには抵抗はある。けれど、明石市長が「個人の過失が争われたが、市の組織として十分な管理ができなかったことを深く反省し、再発防止の徹底に取り組んでいきたい」と言っているように、市や国としては、責任を負うべき出来事なのではないかと思う。つまり、たとえ予見が出来なくても、国や自治体は、自分たちが管理している場所での事故という結果に対して責任を追うべきではないのだろうか。そういう趣旨で、個人ではなく、国と市を被告には出来ないのだろうか。

国や自治体の管理地といっても、一般に開放されていない場所で事故があったのなら、それでも結果の責任を取れとは言わない。けれど、この事故は、国や自治体が自らの責任において手を加え、市民に開放している人口の砂浜で起こった事故なのだから、たとえ予見できなかった事故でも、予見できなかったことに責任を負うべきではないだろうか。

市は、その認識で、何度か謝罪しているようだし・・・あとは、それを裁判所が認めれば、遺族は多少なりとも慰められるのではないだろうか。是非とも、個人ではなく、国と市という組織を訴えて、有罪判決を下して欲しい・・・と、私は思う。