ちょっと、そこの兄貴ってば!
新しいやつばっかり聴いて、たまにはオイラのも聴いてみてよ!
ここ20年程、古いCDに変わってリマスターだとかリミックスを謳ったCDが次々に登場し、音質が改善されたと買い換えるコレクターも多い。
それまでのレコード再生の欠点とも言える傷や静電気などによるレコードの溝の汚れから発生する雑音に悩まされた。これがCDの登場により解消され素晴らしい技術だと賞賛されたものの、80年代当時は現在と比べてようやく技術が誕生し確立したばかりで、まだまだ問題点も多々あった。
特に80年代初期に製造されたCDは音圧が低いものだとかあり、また劣化したマスター・テープから原音に忠実にデジタル化するのは骨の折れる作業だったと想像する。
80年代も後半を過ぎるとある程度デジタル化の技術も進化し、単にデジタル化するのではなくホワイト・ノイズの消去、イコライザーやコンプレッサーなどを駆使して既出の音源をさらに聴き易くするためにリマスターするのが通例となってきた。
そして1987年ついに満を辞してビートルズのレコード時代の全カタログがジョージ・マーチンの手によってリマスターされた。
特に8トラック録音時代のアビー・ロードのアルバムはCD化されるのが待ち遠しかった。
ただアビー・ロードのCD化は1987年のリマスター・プロジェクトが初ではなく、何と東芝がプロユースと称して発売したアビー・ロードのLP制作に使用した特別なテープを使って1983年に既にCD化(CD番号CP35-3016)されていたのであったが、音源を管理していた英EMIの了解を取らずに制作した東芝の勇足によって、幾らかの商品は市場に出たものの英EMIの要求によって廃盤・回収となった。
すなわち現在の最初の正式なCDは1987年に出たジョージ・マーチン監修によるリマスターされた米盤CDP 7 46446 2か英盤CD-PSC 7098である。この後2009年に再リマスターされ、2019年には50周年記念盤としてジョージの息子、ジャイルズによってリミックスされたのが最新盤となる。
そのため1987年のCDを聴く事が全くなくなってしまった。ただ個人的には久々に聴いてみて1987年のCDの出来は当時の技術でのデジタル化としてはかなり良く出来ていて、2009年のリマスターと比べても遜色はないと改めて感じた。
因みに、それぞれのCDのCome Togetherの波形を比較してみると、
音源は1987年のリマスター盤と同じもの、ただし1991年の再発アメリカ盤のCD。
1987年盤、Come Togetherの波形
2009年リマスター盤、Come Togetherの波形、前回と比較すると音圧は少々上がったものの、波形はほぼ同じ形で音量を調節すればそれほどの差は感じられなかった。
2019年リミックス盤、Come Togetherの波形
リミックスによって波形が異なり更に音圧も高めで以前の2商品とは全く別物の作品かな?これを新しい発見をもたらしたアビー・ロードとして賞賛するかどうかは聴き手次第ですかね。
温故知新って事で旧規格CDも楽しもうではないかと...
2019年MIXは各楽器が粒たち音圧が力強くなりジョンの声が溶け込んで一体化して聴こえる。
まさに温故知新ですね。
気分によって聞き分ける愉しみがあります。時には、デラックス盤のTake5も聴いたりもできるし。
そして、4トラック時代の音源はわざわざ泣き別れのステレオ・ミックスを聴くのではなく、モノ音源で良いんじゃないかって思えるのですが....
これってやっぱり原理主義者なんですかね?
最初期はCBSソニーの工場でプレスされていて、
自社工場が出来てから自前でプレスしたとか。
一度聴いてみたいけど、無理だろうなぁ。
CD創成期のものだと、フロイドの「炎」がレアなようです。
最初期の帯付きのものだとン万円の値段が付くとか付かないとか。
駄耳の持ち主の私なぞは聴いても多分その違いはハッキリわからないでしょうね。