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こんなの知ってますか? その4、ジョン・マイルズ

2015年08月08日 | BRITISH ROCK
1976年、アラン・パーソンのプロデュースによるデビュー・アルバム、REBELが発売された。

彼のサウンドを表現 するとすれば、メロディアス・ロックとでも言うのか、美しいメロディーにロック・サウンドが絡む。アラン・パーソン・プロジクトやアル・スチュワートなどのアルバムでストリングス・アレンジメントと担当したアンドリュー・パウエルが担当し、クラッシックープログレ的な音が楽しめる。

また、アラン・パーソンがプロデュースしたことから、過去に彼が関与した、ビートルズ、ピンク・フロイドやパイロットなどのグループに繋がるようなサウンドの印象を受けるが、決してそれらのグループのサウンドを模倣しているわけではなく、ジョン・マイルズの場合、演奏に負けない彼の力強いボーカルがこのアルバムの一番の魅力であると言える。

アルバムは全英9位、そこからシングル・カットされた、MUSICは全英3位のヒットとなり、70年始めからの音楽活動がようやく報われた。この曲は、ハードなロック・サウンドにストリングスが絡む雄大なスケールの曲であるが、6分にも及ぶ長尺の曲だったので、シングル・チャートで全英3位になったのには当時驚かされた。

彼は、エルトン・ジョンのアメリカ公演の前座として北米でプロモーションを行い、ある程度の評価は得られたが、残念ながらアメリカでのレコードの売り上げに繋がらなかった。

ビートルズのサウンドを継承し、かつピンク・フロイドをDARK SIDE OF THE MOONでメガバンドに引き上げた アラン・パーソンが、伝統あるアビーロード・スタジオで制作した英ロックの王道とも言えるこのアルバムのサウンドが何故アメリカでブレークに到らなかったのかと言うと、二つの理由があったと思う。

1976年というとアメリカでは、ディスコやファンク・ミュージックが全盛時代に突入し、その後2年ほどそのブームが続いたのである。すでに一流になっていたミュージシャンでさえ、売り上げには四苦八苦し何とか過去の実績でその時期をやり過ごせたのだが、新人となると新しい流行の壁を打ち破るには力不足であったと思える。

また、所属レコード会社のプロモーションも旧態依然の状態だった。所属レコード会社はメジャーの英デッカであった。60年代ビートルズの秘められた才能をデビュー当時見いだすことができず、大きなチャンスを失った。何とかストーンズと契約しメジャー・バンドに育て上げたものの、彼らが自身のストーンズ・レーベルを立ち上げると、デッカは一気に凋落の道をたどる。子会社のデラム・レーベルに属するムーディー・ブルースやテン・イヤーズ・アフターなどが、60年代末期にわずかに気を吐いただけとなった。80年代にデッカは、ポップ・ロック路線を諦め、クラッシック専門となり、その後ユニバーサルの傘下となる。

と言うことで改めてこのジャケットを見てみると、モノクロ感覚の写真に、ジョン・マイルズが写っている。ショートのオールバックの髪型(グラハムボネットか?)に、裏地にボア付きのシープ・スキンのような革ジャンを羽織り、下はジーンズ、そしてライフルを両肩に かけポーズを取っている。まさしく英デッカ(米ロンドン)のアーチストであったトム・ジョーンズのような出で立ちで、古いポップ・シンガーをイメージしそうである。

この手のサウンドであれば、ジャケットのデザインはヒプノシスなどを採用し時代をリードするポップ感覚を出せば、ジョン・マイルズのイメージは変わったのではないだろうか? もちろん当時のジャケット・デザイナーがあえて時代錯誤感を出すことでシュールな感じを狙ったのかもしれないが?

1978年発売のルパート・ホルムズのプロデュースによるザラゴンのジャケのデザインは、オールバックの髪型はやめて、スター・ウォーズのマーク・ハミルのような出で立ちで、近未来とアーマケドンような空間に立ちすくんでいて、今回のデザインがアルバムのサウンドと一致するイメージはよく出せているように思う。

そして、デザインのクレジットを見るとやっぱりヒプノシスだった。しかし、時すでに遅しで、アメリカではディスコとソフトなサウンドが売りのAORが中心となり、イギリスではパンク・ロック全盛時代となっていた。

ザラゴン、ジャケ表の写真

ザラゴン、ジャケ裏の写真

何事をするにもタイミングが重要で、もしデビューがもう2-3年早ければアメリカでも十分ブレークできる実力を持っていたと思え、非常に残念なアーチストだったと言える。

John Miles - Music - 1976


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