CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

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ポコのレガシー

2024年05月21日 | West Coast Rock

1982年MCAレーベルからアトランチック・レーベルに移籍したポコだったが、レコード会社とバンドの各々の目指す方向性に齟齬があったのか、特に1984年に出たアトランチックからの2作目、Inamorataでは70年代のカントリー・ロックの代表的なバンドとは思えないような作風だったし、売り上げも惨憺たる結果となった。

各メンバーはバンドから脱退し、ほぼ閉店休業という状態が続いていたのだったが、急に当時オリジナル・メンバーでポコ再結成なるニュースが飛び込む。

1969年のデビュー・アルバム、Pickin’ Up The Pieces当時のオリジナル・メンバーが集まり、さらに当時アルバム完成する直前にバンドから去ったランディー・メイズナーも参加!って本当に驚いたね。

元バァファロー・スプリングフィールド組のリッチー・フューレイとジム・メッシーナ、ペダル・スティール・ギターを弾くラスティー・ヤング、ドラムスのジョージ・グランサムにランディーが集結しポコ通算19作目のアルバム、Legacyが1989年にRCAレーベルから出た。

カントリー・ロック一辺倒ではなくメンバー個々が持ち寄ったバラードやAOR的な作品も収録され、かってのレガシーを受け継ぐ清涼感あふれる作品となった。

興味深かったのは、ランディー・メイズナーが歌った、Nothin’ To Hide(リチャード・マルクス作)。この曲がランディーがイーグス時代に歌ったパワー・バラード、Take It To The Limitによく似ていたのと、イーグルスにランディーと入れ替わって参加したティモシー・シュミットが今回のプロジェクトに参加しなかった事ですかね?さらにジムに変わってポコの参加しラスティーとバンドを長きに渡って支えてきたポール・コットンが何かの事情で参加出来なかったことは残念だった。

また特筆すべきは、今回集まったメンバーがデビュー・アルバムから唯一オリジナル・メンバーだったラスティーをリスペクトした形で、集まったメンバー達による主導権争いもなく和気藹々とアルバム制作されたように感じてなんともほっこりした気分に。

ラスティー、ポールそれにランディーが亡くなってしまった今思えば、この再結成プロジェクトがこのアルバム1枚で終了したのも非常に残念だった。

もう少し彼らのレガシーを味わいたかったね。