ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

O家の人々(★★)

2006年11月15日 22時57分01秒 | 古い日記
B君の日記から。

’02 ○月×日

今日はRさんが来ました。
来た早々、いきなり玄関の所で立ち止まって、考え込んでいます。

「なあ、biro君。一つ教えてくれ。こっちの青い魚(コバルトスズメ)はいいとして。」

彼は靴箱の上の海水水槽(60cm)を指差していいました。
「これは、何?」

僕は何でそんな事を聞くのか?理解できませんでした。一目瞭然だからです。

「何って...ムラサキ・ウニですよ。」

「そういう事を訊いているんじゃねえ!」

彼は「自分が求めている答え」が返ってこないと、すぐに「逆ギレ」します。
この時もそうでした。

「俺が知りたいのは『何故、ここにウニがあるのか?』って事だよ。」
「ペットです。オヤジが飼ってるんです。」
「...。」

こう言うと彼は黙り込んでしまいました。

「あの、もう一つ。」
「何ですか?」
「この『増えるワカメ』は?」

何故、水槽に入れてるのか?という意味だ、と思ったので僕は答えました。

「餌です。」
「...。」

以来、僕の父がどんな人なのか?知りたがってますが、会わせたくありません。

(終)