時代小説のシリーズにうかうか手をだすとかなり面倒なことになる。
シリーズになると、とにかくずーっと続く。
えんえんとお付き合いしなければいけないというしがらみ。
池波正太郎の剣客商売、鬼平、梅安、平岩弓枝の御宿かわせみなどなど。
時代ものの第一作目を買うということは、この先の長いお付き合いを予感させる。
今回は、そんな時代小説新シリーズ。一体どれだけ続くのか分からないが借りてしまった。
ちょっと、かわせみを思い出させる話だった。
深川芸者の文吉と髪結いの伊三次の恋のはなし、お互い25とかなり年になってきているのだが、伊三次がいまだに床をもたない髪結いなので、文吉を養えないために、紐のような存在となっている。
その上、八丁堀の同心の手先もやっている。お金もあんまりもらえないのに。それも文吉には不満。
文吉も伊三次といっしょになりたいのだが、伊三次の遠慮に困惑する。
伊三次も一生懸命お金をためて、文吉といっしょになろうと思うのだが、そのお金も盗まれてしまう。
伊三次にぜひがんばってもらいたい、このままだと文吉に新しい旦那がついてしまうかも。
こんな二人の周りで、事件がおこるってな感じ。
おもしろいのは、いつもこの二人が主人公の短編ではなく、他の登場人物たちと入れ替わり立ち代りで話がかかれているところ。このスタイルはぜひ貫きとおしてほしい(もうシリーズ完結してるかもしれないが)。