名古屋するめクラブ

~名古屋発くうみるあそぶ~

<映画> ウディ・アレンのMatch Point

2007年07月02日 01時21分01秒 | 観る(映画・TV)

どうかな。

テーマも好みじゃないし、後味もよくないね。

不倫関係に陥る男と女。

本気になる女と、その女を殺そうとする男。

モチーフは『罪と罰』。ドストエフスキー。

主人公がこの本を読むシーンがあるんだけど、それも取って
つけた感じで、モチーフのアピールもちょっとあからさま。

脚本の詰めも甘い。

恋愛ものって、恋に落ちるまでの、心の動きやときめき、
戸惑い、駆け引きなんかの描写がポイントだと思うのですが。。。

確かに、彼女は誰の心をも惑わせてしまう程美しいかもしれない
けど、いくら美かったにせよ、人生のマッチポイントを迎える彼が、
人生を台無しにするほどの危険を冒してしまう過程の心理描写を
含めた演出も曖昧だし、同時に、妻の地位を利用して立身出世を
夢見るこの男の性格設定も甘く、2人の恋の成り行きに
全く必然性を感じることができず、共感もできませんでした。

でもね、ほんとのこと言うと、

何より残念だったのは、大好きなドニゼッティの「愛の妙薬」
のアリアが、この不倫痴話映画(失礼!)のテーマに使われた
こと、しかも、その曲の物悲しさが、舞台である、どんよりとした
イギリスの風景に妙にマッチしてしまっていたこと。 


ウディ・アレン。

彼の精神衛生は大丈夫だろうか。
余計なお世話だけどさ。

 マッチポイント

PS. KUNI-さん、見ました。けど、ごめんなさい。
こんな感想になっちゃった。なんか、完全否定みたいだけど、
「娯楽作品」と割り切って見ればおもしろいと思います。


今日の1曲:人知れぬ涙  from   愛の妙薬

ドニゼッティ:愛の妙薬(全曲)
リッチャレッリ(カーティア), トリノ放送交響合唱団,
リガッチ(スザンナ), ヌッチ(レオ), トリマルキ(ドメニコ)
カレーラス(ホセ)
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MATCH POINT(2005年)124分
製作:イギリス/アメリカ/ルクセンブルグ
監督 ウディ・アレン
製作総指揮 スティーヴン・テネンバウム
脚本 ウディ・アレン
出演:ジョナサン・リス・マイヤーズ 、スカーレット・ヨハンソン 、エミリー・モーティマー 、マシュー・グード 、ブライアン・コックス 、ペネロープ・ウィルトン 、ユエン・ブレムナー 、ジェームズ・ネスビット 、マーガレット・タイザック他