名古屋するめクラブ

~名古屋発くうみるあそぶ~

戸田提山作品集 「薄墨桜」

2007年03月13日 21時52分52秒 | 観る(ライブ)

近年の代表作を「和」、「気」、「妙」3つの視点で分類、
簡単な作品解説も紹介されていて、先生の人生哲学を
感じ取ることもできる作品集。「薄墨桜」。


戸田提山(ていざん)。

書家。愛知県安城市生まれ。

母の恩師ということもあって、私自身も学生時代
お稽古に通わせていただいていたことがあった。

書集を眺めるうちに、刈谷のアーケイド商店街の近くにあった
お稽古場のイメージとともに、墨の匂い、力強くも繊細に筆を
持つ先生の手のイメージまでもがぼんやりとよみがえってきた。

先生は、どんな風に字を書くかということより、その字が
どんな風に成立ち、どんな歴史がありどんな意味合いを
持っているか教えてくださった「古典」の先生でもあった。 

書かれた字から人の心の内をも見抜き、静かに
お話をしてくださるカウンセリングのプロでもあった。

 

そんなことを思い浮かべながら書集を見入る私に
「本物の迫力はそんなもんじゃないよ」と母。

今、名古屋城の天守閣で提山先生のお弟子さん
による先生の個展が開かれてるらしい。

 

「書とは、人間としての究極の理想を、
意味を持つ文字を書くという制約の下で、
線という手段で表す芸術である。

そして、
この場合の理想とは、天の声、地の声、さらには
宇宙の根元からのメッセージを指す。(薄墨桜より)」

 

芸術家としての使命を持ち続け生涯を書に捧げた人生。
戸田提山先生。 2004年永眠。

 

書人 戸田提山展
日展内閣総理大臣賞『霊機』他50余点の造形性溢れる作品群
2月17日(土)~3月18日(日)〈会期中無休〉
名古屋城天守閣二階展示室