烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

朝市の平目を造る

2008-06-22 21:20:14 | 烏合庵の食卓

夏至の週末.石狩漁港の朝市は,海水浴シーズンの準備が始まるまで,6月いっぱい位だった筈.刺身ネタなぞ探しに出かけてみる.
5月中旬まで店頭をにぎわせていた鰊は,糠漬を含めすがに僅か.主役は平目・鰈類・ほっけ・かすべ(乾)や蛸など.ある店の平目が目を引いた.¥980-,“青ッ端”に毛が生えたくらいの大きさだが,活けに〆めを喰らわせたばかり.縁側辺りの筋肉が,まだうねうねと動いている.コレは,買いです!
幾つかの店でその他数点買求めて帰宅.早速拵え.



粗炊きするなら大名卸しはご愛嬌.5枚にも,6枚にでもお好きなように.けれど,絶対に気を付けなければいけない事がたった一つ.



肝臓の傍の,この胆嚢(苦玉).平目の胆汁は苦味が強く,量も多いので,不用意に破れば粗炊きの味は台無しに.慎重に外し,粗を断ち割る.このあたり,包丁一本などとイキがるのは止めて,キッチン鋏でチャチャっと始末.


縁側は別取り.刺身の柵は例によって昆布締め.昆布と平目をミルフィーユ,キッチンペーパーとラップできっちり包み,冷蔵庫で2~3時間休ませる.




粗炊きは,薄味で.昆布を敷いた鍋に粗を入れ,水をひたひた.少量の酒を加えて弱火に掛ける.くらくらと沸いたらあくを引き,味を見て,控えめの味醂と醤油で整える.臭みは殆ど無いが,おまじない程度に生姜を加え,とろ火でくらくら30分.時々煮汁を廻し掛けながら炊き,火を止めて1時間ほど休ませる.




飯の炊き上がる頃合をみて,粗炊きの仕上げ.中火で煮汁を詰めながら絡めて出来上り.昆布〆を引き,縁側を添えて造里も整う.煎酒には,薬研堀の一味(焼き粉)を充ててみた.


他の店で求めた茹がさえび(シャコ)と河蟹(モクズガニ)の鉄砲汁を添えれば,“朝市定食”の出来上り.早速,頂きます.




造里はさすがに美味い.今日は当日に食べてしまったが,昆布で〆なくとも,柵をペーパータオルに包んで一晩休ませた辺りが最高の喰いごろかも知れない.粗炊きは,美味いのだが,肉が“生き”すぎていて,味の入りを拒まれてしまった感がある.濃い目の煮汁をざっと纏わせたほうが良かったかも.


次のハンドルのため色んなことを考えながら,ご馳走さまの前に.


昆布〆を7~8片,醤油で軽くヅけて置き,茶漬け椀に盛った飯の上へ.一撮みの塩で塩梅.


茶葉の半量を焙じ,残り半量と水を加え,濃い目に煎じる.椀に廻し掛け,揉海苔を散し,山わさびの天盛り.コレが,今日のイチバン!かな.
色々,楽しく,頂きました.

コメント
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