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randomnote

日記。

台湾みやげ話 片岡巌 15

2011年12月08日 | 台湾みやげ話
15◎台湾人の好む食物は何ですか

まず豚肉、韮、蒜(にんにく)其の他山羊、鶏、鶩肉等から油物を好んで食べます、それですから台湾人の料理は殆んど蛋白な油の入らぬ物は無い様です、それですから始めて台湾に行った人は台湾の料理を食べぬものは沢山あります豚や鶏の腸でも洗って料理に使います。

台湾みやげ話 片岡巌 14

2011年12月08日 | 台湾みやげ話
14◎台湾人の住家は如何ですか

田舎の住家は煉瓦又は土角(之は土を練って四角に長さ八寸幅五寸高さ二寸位の煉瓦状に作りたるもの)を積み重ねて壁代用として竈形に造り瓦又は草屋根を葺いてあるのですが多いのですが貧困のものは竹又は丸太の柱に草の屋根の極簡単なものがあります、市街になりますと壁は煉瓦で隣家と隣家と一つの壁を共有して家を建て掛けて居ります屋根は瓦葺きの家の内は全部土間又は煉瓦敷でそして真っ闇(まっくら)で中には房間(ぼうけん)と云う房(へや)が一隔々々(ひとしきり)になって居ります之が各自の寝所即ち寝室で城郭であります此処に自分の財宝を格納して置く所であります、食事は多く正廳(せいてう)と云う客間で卓上に食物を置き腰掛けながら食べます、商人などで小さい店は店と客間と神床(かみどこ・正廳)が皆兼用せられて居ります 一見随分狭困るしい様に見えます 皆なさんが長崎や方々の支那人町を見るのと少しも異(かわ)りがありませぬ

台湾みやげ話 片岡巌 13

2011年12月08日 | 台湾みやげ話
13◎台湾人の葬式は如何ですか

台湾人が死んだ時は四方に報せて親族故舊(しんぞく・こきゅう)が集まりて弔う事は内地と異(かわ)りませぬ、台湾人は死んで後死体を棺に入れて一ヶ月以上或いは2年3年と家の正廳(床の様な所)に祭って置いて朝晩焼香し忌日々々には供物を捧げて礼拝をするのですが之は殯歛(ひんれん)と云う習慣であります、今日では衛生その他でそう久しく置く人がありませんがそれでもニ、三ヶ月は珍しくありませぬ
  それから愈々吉日を選んで葬式をするんですが中以下の葬式はそうでもないだしか富裕や名望家となると花車や、放鳥や、喇叭や、銅鑼や其の他の音楽で盛んなものです、棺は8人又は16人又は32人位で擔(かつい)で其の後が相続人近親で盛んに大聲で
號泣行きます其の後が友人の見送りで棺の先が和尚、道士等が導道をします。愈々埋葬してから後は七日、七日、四十九日、1箇年、3箇年等の祭りは内地と異わりません、しかし3年後には埋めた人を掘り出し骨を全部洗って甕に納めて地相の良い所を選んで改葬します其の墓を風水すると云います彼の蹄鉄型の墓が風水であります、台湾人はこの風水を造る地の選定が悪いと子孫に祟りを為し子々孫々繁昌せずに終いに絶滅するとて大いに恐れられているのでありますが之等が内地と異なった風俗と迷信であります。
(台湾風俗誌に由る)