45◎台湾は交通や通信が便利ですか
それは大層便利であります、先ず内地から台灣に行くには神戸、門司、長崎等何所からでも台灣の基隆へ行く航路がありまして又3、4日に一回位の定期便が往復して居ります又今年(大正う14年)より高雄、横浜間の直航便も出来益々便利となりました又支那に行くにも基隆、淡水、高雄何れの港からでも常に船が往復して居ります、海路を取りて基隆から東海岸を経て台灣を周はるには先ず蘇澳(すおう)、花蓮港。台東、大板埒(だいはんらつ)車城(しゃじょう)、高雄、安平(あんぴん)、淡水、基隆(きいるん)
の順序でありますが西海岸を経て台灣を周はるにも此れと反対に基隆、淡水、安平と常に沿岸船が往復して居ります又膨湖島に行くにも右の港の何れからでも自由に往復が出来ます、
陸上は汽車が北の基隆より南の渓州駅迄278哩三(マイルサン)の縦貫鉄道がありますから朝基隆を出発すると夕方には渓州に着きます、尚ほ官線(幹線?)の支線としては八堵(はっと)宜蘭、蘇澳間、及び臺北、北投、淡水間があります又縦貫線の一部複線とも云うべき竹南(ちくなん)、追分(おいわけ)間の海岸線があります、又縦貫線を起点として各小都会、及び村落に通ずる製糖会社の私設鉄道や軽便鉄道は至る所にありますのみならず、人力車、自動車もありますし荷物の運搬なども右の機関に依るのみならず馬車牛車、荷車担送人夫等どこにもありますから大層便利であります。
通信も台灣、長崎間の海底通信がありますから内地を朝発信したら午前12時には台灣に着いて居ります、無線電信所も各所にありますから海上や内地及び各国の出来事も直ちに知ることが出来ます、陸上の通信は至る所郵便電信局があり又電話もありますから如何なる偏僻(へんぴ)な山中に住む人も大層便利であります又要所要所には燈臺(灯台)や測候所(そくこうじょ)等を設けて船舶や其の他の交通の便に備え都会は勿論村落に至る迄電燈が行き渡って居るので少しも不便を感ずる様なことがありません又飛行機は南部の屏東と云う所にありますが、此れは国防と云うよりは蕃人防御に用いて居るので郵便飛行等はまだまだのことでありませう。
それは大層便利であります、先ず内地から台灣に行くには神戸、門司、長崎等何所からでも台灣の基隆へ行く航路がありまして又3、4日に一回位の定期便が往復して居ります又今年(大正う14年)より高雄、横浜間の直航便も出来益々便利となりました又支那に行くにも基隆、淡水、高雄何れの港からでも常に船が往復して居ります、海路を取りて基隆から東海岸を経て台灣を周はるには先ず蘇澳(すおう)、花蓮港。台東、大板埒(だいはんらつ)車城(しゃじょう)、高雄、安平(あんぴん)、淡水、基隆(きいるん)
の順序でありますが西海岸を経て台灣を周はるにも此れと反対に基隆、淡水、安平と常に沿岸船が往復して居ります又膨湖島に行くにも右の港の何れからでも自由に往復が出来ます、
陸上は汽車が北の基隆より南の渓州駅迄278哩三(マイルサン)の縦貫鉄道がありますから朝基隆を出発すると夕方には渓州に着きます、尚ほ官線(幹線?)の支線としては八堵(はっと)宜蘭、蘇澳間、及び臺北、北投、淡水間があります又縦貫線の一部複線とも云うべき竹南(ちくなん)、追分(おいわけ)間の海岸線があります、又縦貫線を起点として各小都会、及び村落に通ずる製糖会社の私設鉄道や軽便鉄道は至る所にありますのみならず、人力車、自動車もありますし荷物の運搬なども右の機関に依るのみならず馬車牛車、荷車担送人夫等どこにもありますから大層便利であります。
通信も台灣、長崎間の海底通信がありますから内地を朝発信したら午前12時には台灣に着いて居ります、無線電信所も各所にありますから海上や内地及び各国の出来事も直ちに知ることが出来ます、陸上の通信は至る所郵便電信局があり又電話もありますから如何なる偏僻(へんぴ)な山中に住む人も大層便利であります又要所要所には燈臺(灯台)や測候所(そくこうじょ)等を設けて船舶や其の他の交通の便に備え都会は勿論村落に至る迄電燈が行き渡って居るので少しも不便を感ずる様なことがありません又飛行機は南部の屏東と云う所にありますが、此れは国防と云うよりは蕃人防御に用いて居るので郵便飛行等はまだまだのことでありませう。