50◎台湾の果物や野菜は如何ですか
果物や野菜は内地にあるものは大概ありますが果物は只寒国(かんこく;韓国?)にある林檎や栗、梨、
胡頺子(ぐみ)胡桃(くるみ)「イチヂク」「マルメロ」、木通(あけび)、蒟蒻(こんにゃく)、蕗(ふき)、等はありませぬ梅、桃、李桃(すもも)はありますが余り上等ではありませぬ柿は渋柿はありますが甘柿は少ないです、茄子、かぼちゃ、芋、西瓜、瓜等は秋より冬迄が最も多く出来ます併し甜瓜(あまうり)はありませぬ、果物の内で最も柑橘類は本島の気候に適して味も美味であります、全島至る處栽培に適しますが台中の員林(いんりん)と新竹の新埔は全島第一の産地であります栽培町歩は
2300町歩で一カ年の収量は1499萬9559斤で内地に移出するものは一カ年183萬3500斤此の価格が33萬5135圓と云う大層な額であります年々聖上陛下に献上する文旦と云う柚も台南の麻豆(まとう)と云う處から出来ます。
又内地に少ない果物としては芭蕉の實即ち「ばなな」ですが之は全島至る處に栽培せられて居ります其の植え付け町歩数は8940町歩で一カ年1億3139萬9701斤と云う収量であります。
又、鳳梨(おんらい)「パイナップル」も又本島の気候に適し一カ年の収量は905萬3907個でその価は89萬圓以上であります之は年々増産するばかりです。
又、龍眼肉と云うものがあります多く南部の山地又は畑の畦畔(けいはん)等にある樹になるのですが樹数51萬本余で一カ年の収量961萬餘斤ぐらいですが干し龍眼又は砂糖漬けとして支那に輸出します一カ年に13萬5000圓餘であります。(以上台湾事情に由る)
その他釈迦頭(しゃかとう)と云う奈良の大仏の頭の様に粒々のある握り拳ぐらいの果物があります之は台灣の南部に多いのですが味は「あけび」の様です。
又、楊桃(ようとう)と云う内地の「ほうずき」形をした果物があります、之を横に切れば丁度兵士の帽章の様な星章形となるちょっと珍しい果物でありますその味は甘酸っぱいものであります。
又、様子「マンボウ」と云うものがあります、これ又熱帯地の果物で南洋諸島にあります果物では台灣は南部方面に沢山あります、その形は楕円形で鶩(あひる)の卵大で始めは青色ですが熟すれば赤黄色となります、九月ごろに出来ますが甘味に僅か酸味を帯びて居ります先ず味に於いて果物の王だと言われて居ります。
又、抜仔(ばっし)と云う果物があります之は内地の石榴(ざくろ)の様な風で大きいので梅の實位でその味は薄甘味であります併し石榴の様に烈れはしませぬ。
又、木瓜(もくくわ)と云うものがあります木瓜は南部にありますが全島出来ぬと云う訳ではありませぬが主に南部が適して居ります、木と草の間の植物でその区別は専門家に譲りましてまずその木の高さは6尺より1丈2、3尺位ですが5、6尺より實が生りますその葉は丁度傘を広げた様に一箇所より四方にかの天狗の羽団扇(はうちわ)と云う様なものが周りに出でてその茎の下に千成瓢箪を吊るした様に生りますその形は小さいくびれの無い瓢箪の様なものです内地の甜瓜(あまうり)のようなものであります。
尚、珍しい果物には𤪼霧(れんぶ)と云うものがありますこれも熱帯植物で南部より他はありませぬ例え之を移植しても北部では結実しませぬ此の果物の形は(あさがお)大でその味は内地の林檎の味の様で極軽い味でありますその色は白赤、浅紅、白青色t色々ありますが之れ等は多く生食用にするのであります。
又、牛心梨(ぎゅうしんり)と云うものがあります牛の心臓の形をして居ると云う所から名付けたもので大きさ及び形は蓮の蕾の少し大きい様なものでその色は茶色をして居ります味は甘だるいものです之は台灣の南部にありますが極めて稀な果物であります。
又、波羅蜜と云うものがあります之も南部の旗山郡(きざんぐん)にありますが極めて稀な果物であります形色は牛心梨の様ですが大きさは人の頭ぐらいで味も牛心梨に似て居りまして矢張り甘だるいものであります。
果物や野菜は内地にあるものは大概ありますが果物は只寒国(かんこく;韓国?)にある林檎や栗、梨、
胡頺子(ぐみ)胡桃(くるみ)「イチヂク」「マルメロ」、木通(あけび)、蒟蒻(こんにゃく)、蕗(ふき)、等はありませぬ梅、桃、李桃(すもも)はありますが余り上等ではありませぬ柿は渋柿はありますが甘柿は少ないです、茄子、かぼちゃ、芋、西瓜、瓜等は秋より冬迄が最も多く出来ます併し甜瓜(あまうり)はありませぬ、果物の内で最も柑橘類は本島の気候に適して味も美味であります、全島至る處栽培に適しますが台中の員林(いんりん)と新竹の新埔は全島第一の産地であります栽培町歩は
2300町歩で一カ年の収量は1499萬9559斤で内地に移出するものは一カ年183萬3500斤此の価格が33萬5135圓と云う大層な額であります年々聖上陛下に献上する文旦と云う柚も台南の麻豆(まとう)と云う處から出来ます。
又内地に少ない果物としては芭蕉の實即ち「ばなな」ですが之は全島至る處に栽培せられて居ります其の植え付け町歩数は8940町歩で一カ年1億3139萬9701斤と云う収量であります。
又、鳳梨(おんらい)「パイナップル」も又本島の気候に適し一カ年の収量は905萬3907個でその価は89萬圓以上であります之は年々増産するばかりです。
又、龍眼肉と云うものがあります多く南部の山地又は畑の畦畔(けいはん)等にある樹になるのですが樹数51萬本余で一カ年の収量961萬餘斤ぐらいですが干し龍眼又は砂糖漬けとして支那に輸出します一カ年に13萬5000圓餘であります。(以上台湾事情に由る)
その他釈迦頭(しゃかとう)と云う奈良の大仏の頭の様に粒々のある握り拳ぐらいの果物があります之は台灣の南部に多いのですが味は「あけび」の様です。
又、楊桃(ようとう)と云う内地の「ほうずき」形をした果物があります、之を横に切れば丁度兵士の帽章の様な星章形となるちょっと珍しい果物でありますその味は甘酸っぱいものであります。
又、様子「マンボウ」と云うものがあります、これ又熱帯地の果物で南洋諸島にあります果物では台灣は南部方面に沢山あります、その形は楕円形で鶩(あひる)の卵大で始めは青色ですが熟すれば赤黄色となります、九月ごろに出来ますが甘味に僅か酸味を帯びて居ります先ず味に於いて果物の王だと言われて居ります。
又、抜仔(ばっし)と云う果物があります之は内地の石榴(ざくろ)の様な風で大きいので梅の實位でその味は薄甘味であります併し石榴の様に烈れはしませぬ。
又、木瓜(もくくわ)と云うものがあります木瓜は南部にありますが全島出来ぬと云う訳ではありませぬが主に南部が適して居ります、木と草の間の植物でその区別は専門家に譲りましてまずその木の高さは6尺より1丈2、3尺位ですが5、6尺より實が生りますその葉は丁度傘を広げた様に一箇所より四方にかの天狗の羽団扇(はうちわ)と云う様なものが周りに出でてその茎の下に千成瓢箪を吊るした様に生りますその形は小さいくびれの無い瓢箪の様なものです内地の甜瓜(あまうり)のようなものであります。
尚、珍しい果物には𤪼霧(れんぶ)と云うものがありますこれも熱帯植物で南部より他はありませぬ例え之を移植しても北部では結実しませぬ此の果物の形は(あさがお)大でその味は内地の林檎の味の様で極軽い味でありますその色は白赤、浅紅、白青色t色々ありますが之れ等は多く生食用にするのであります。
又、牛心梨(ぎゅうしんり)と云うものがあります牛の心臓の形をして居ると云う所から名付けたもので大きさ及び形は蓮の蕾の少し大きい様なものでその色は茶色をして居ります味は甘だるいものです之は台灣の南部にありますが極めて稀な果物であります。
又、波羅蜜と云うものがあります之も南部の旗山郡(きざんぐん)にありますが極めて稀な果物であります形色は牛心梨の様ですが大きさは人の頭ぐらいで味も牛心梨に似て居りまして矢張り甘だるいものであります。