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randomnote

日記。

台湾みやげ話 片岡巌 12

2011年12月07日 | 台湾みやげ話
12◎台湾人の結婚は如何ですか

 先ず媒人(なこうど)が男家女家の間を奔走して取り定(き)めることは内地と異(かわ)りませぬ、其の際女(よめ)及び婿の生年月日を記した紙を賣ト者(ばいぼくしゃ)に占トわせて互いに相性(あいそう)だと定(き)まったら男家より女(よめ)方に指輪を送ります、又定まったら聘金(へいきん)と云う我が国なら結納金ですが之を男家より女方に送ります、台湾ではこの聘金に依って婚約が成ると云うて良い位で体裁の良い人身売買です、それですからたとえ総ての約束や式が古式に協(かな)居っても、この聘金を女家に渡さぬ時は破断になります、ですから台湾の結婚に聘金が第一で式は第二です式としては種々ありますが、門名(もんめい)と云うて双方の姓名判断を聞き相性か否かを定める、次は訂盟(ていめい)と云うて愈々約束すること、次は納采(のうさい)と云うて結納品を送ること、次は納幣(のうへい)と云う之は聘金を送る式、それから請期(せいき)と云う之は輿入れの日を定めること、次は親迎(しんげい)と云う、之は婿が女家に迎えに行き嫁を輿に乗せて連れてくること即ち輿入れを云うのです、之を六大禮式と云うのですが男家はその度に吊り台に、鳥肉、獣肉、菓子、その他種々なる食物を送るのであるがこの数の多い程晴(ハレ)として居ります、輿入れの日には女(よめ)は男家の神仏祖先を拝し之より侍事すると云う意を表しそれより祝宴がありますことは内地と異なりませぬ、今は斯く複雑の禮式は漸次簡略に仕て居ります、又女の美醜に依て聘金が差(ちがい)ます、美人になると5、600圓より以上、限りはありませぬ極く下等になれば3、40圓からありますが更に聘金の入らぬものはありませぬ。。(台湾風俗誌に由る)

「六大禮式」門名・訂盟・納采・納幣・請期・親迎

台湾みやげ話 片岡巌 11

2011年12月07日 | 台湾みやげ話
11◎台湾人の出産は如何ですか

台湾の女が妊娠しても五月帯(いわたおび)( 岩田帯 )とか云う祝いは致しませぬ只帯も何もせず袴の紐(はかまのひも)一筋(ひとすじ)で腰を締めて置く丈で御腹は太(おおき)くなり次第にして居ります、さうして臨産(うむとき)は寝台ら下の土間に縕袍(ほろ)を敷いて其の上に産み落とします、昔は産婆と云うものもなかったので、只経験のある婆さんが世話を仕ます、甚(ひどい  0のは自分で始末を仕ます、産児(あかご)には産湯は使いませぬ、只紙か布に胡麻油を付けて汚物を拭(ぬぐ)ふて置きます、又産児に新しい産着等は拵(こしら)えず只大人の着物に包んで置きますもの多いのです、今は文化も進んで教育を受けた産婆も出来ましたので少しは昔より進歩して居りますが産婆を頼むものは未だ僅かであります。(台湾風俗誌に由る) 

台湾みやげ話 片岡巌 10

2011年12月07日 | 台湾みやげ話
10◎台湾人は迷信が深いと云う事ですが如何ですか

そうですその迷信の多いのに驚き入ります仮令(たとえ)ば竹に花が咲けば反乱が作(おこ)る、
䓶桐(しとう)に花が咲いても反乱、濁水渓の水が三日悅(す)めば反乱、何の日の雨が降ったから悪疫流行、龍眼の實(りゅうがんのみ)が沢山生ったから悪疫、五月何日には天が毒水を降らす日だから井戸に蓋をする、又犬が屋根に上がったから火事が出来る、猫の聲が何(どう)、鶏(にわとり)の啼聲がどうと種々沢山の迷信があります。