昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
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衝撃のBCLラジオ④ TFM-2000F

2007-03-10 | 三流オトコの二流品図鑑
 SONY TFM-200Fは、いわゆるBCLラジオであるスカイセンサー・シリーズが出回る以前から発売されていたワールドゾーン・シリーズの下位機種であるTRシリーズの流れをくみ、海外駐在員や報道機関などで使われていた短波受信対応トランジスタラジオのデザインが気に入り、オークションで落札した。

          

 海外のBCL(Broadcasting Listening / Listenerの略:放送受信を楽しむことマニア)雑誌か何かの紹介記事の中で、机の上に置かれたTR/TFMシリーズの手提げハンドル付筐体と、全バンドを俯瞰できる横行ダイヤル・スケールのチューニング・ダイヤルに指をかざして微笑むおじさんの写真が、『大人のラジオ』の雰囲気を醸し出してカッコよかったことを思い出す。

          

 TFM-200Fの発売は1969年11月、MW/SW1~4/FMの6バンドをカバーし、背面にはアンテナ、アース端子のほか、クリスタルのソケットを装備するが、SSBやCW(モールス信号)を復調するBFOはついていない。単一乾電池4本を入れると自重は4kg。電源はDC6V(単1x4個)およびAC100V/117V/220V/240V選択可能なシリーズ電源を内蔵しており電源コードも本体内に格納する。

 受信周波数
    MW 530~1605KHz
    SW1 1.6~3.5MHz
    SW2 3.5~7MHz
    SW3 7~14MHz
    SW4 14~26.1MHz
    FM 76~90MH

 チューニング・ノブは重いフライホイールによる素晴らしい操作感が味わえるとともに、全バンドFETによるRF付きのため、高感度・高S/N比で受信できる。音の良さは評判どおりで、朗々と響く。こんな存在感、質感を持ったラジオはもう作られないのでしょうか。ロッドアンテナは取手部に組み込まれていて、全部伸ばして倒すとカチッと止まるようになっている珍しいタイプです。

          

 当時の定価25,800円は、大卒の初任給より高く、誰もが気軽に手に入れることのできるラジオではなかったようだ。