昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

フォルクスワーゲン ゴルフⅡ GLi

2007-03-20 | 三流オトコの二流品図鑑
 PCの入れ替えのためにデータを整理していたら、現用のライトバンに乗り換える以前の愛車、VW ゴルフⅡ GLiの写真が出てきた。ゴルフ (Golf)は言わずと知れたドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンの主力モデルだ。’74年に初代モデルが登場して以来30年、現在は5代目のゴルフⅤまで進化している。 

          

 車名の由来はスポーツのGolfではなく、 メキシコ湾(ドイツ語で Golf von Mexiko )の風」から。なお、VWの車名は、風の名前から取ることが多い(ジェッタ、ヴェント、 ボーラ、シロッコetc)。ジジアーロがデザインした初代ゴルフは、エンジン横置き前輪駆動方式と、効率的なキャビンスペー スを持って登場し、世界中で大ヒット。ビートルの後を継いでフォルクスワーゲンの代表車種となり、また世界の小型車の 模範とされた。
2代目となるA2は 初代デビューから9年後の1983年に登場(カブリオレを除く)し、現在のポロ位の大きさで、初代のコンセプ トをうまく継承しつつ、以後8年間にわたってGolfの地位を確固たるものとしたモデルでもある。

 以前乗っていたゴルフⅡ GLiは、89年式1.8リッター直4SOHCの4つ目グリル仕様を中古で購入。国産車とは一線を画したその造形美は、今をもってしても痺れさせる魅力を放っている。ただ、新車時250万を越す価格は、「夢のまた夢」であった事も事実。ボクの知るところ、国産2BOXカーでは満たされぬお坊ちゃま/お嬢様やヤンエグ(ヤング・エグゼクティブ:死語)御用達のビギナーズ輸入車であり、BMWやAudiへステップアップする通過点のクルマでもありました(^^; それを思うと、合理性に美意識を求め(その実はヤンエグを気取って)TOYOTAカムリから中古のVW ゴルフⅡ GLiを無理して買った、あの頃の自分が恥ずかしくもあり、逆に我ながら振り返ると微笑ましい気さえする(笑)

          

 非力なセルをスタートさせるとゴルフⅡでお約束の、あのブルブルという独特の振動が伝わってくる。これは単にマウントの構造が悪いといってしまえばそれまでだが、それ以上にエンジンの共振処理の関係なんでしょうね。
ゴルフⅠを絶賛し、30年間ゴルフを世界のスタンダード・カーとして毎年持ち上げたり、コキ下ろしたりしつつ、昨年をもって終了した『間違いだらけの。。。。』で有名な評論家・徳○寺大先生なんか露骨に「嫌い」とコメントしてましたが、個人的にはこの振動は、なんか「車を運転してる~♪」って感じがして好きです(^^
この振動は、アイドル時だけで、走り出せば全く問題なく、トルクが低中域にうまく配分され、パワーをストレートに感じるところも魅力だった。
 ワイディングロードではFF車のためか、FR車独特のあの後ろからついてくるフィーリングとは異なり、加速減速時に関わらず、車が「ひと塊り」になってついてくるという感覚だ。ライン取りさえ間違わなければかなり速く走れる車である反面、このクルマに限らずFF車の場合、限界で滑り出したら「車もろとも♪」が待ち受けている。その一歩手前を何度か経験し、決して無理をしない優良運転手に成長させてくれたのもゴルフⅡに出会ったからこそだろう。
 どこからでも加速するトルクとコンパクトボディ+FFの特性を十分生かしたコーナーリング性能。この2つの良さを絶妙なタッチで表現しているちょっとひ弱なシャシーと、偶然?にもできたパッケージの良さがこの車の特長ではなかろうか。

          

 いまだにゴルフⅡで「ゴルフは終わった」と言う人も多くいるが、’90年前半というのは、’70年代半ば、ゴルフⅠの誕生から派生した考え方で時系列的に進化した「クルマづくり」のコンセプトから転換期の時期だったのかもしれない。
その中には、「持つ喜び」とともに「乗る楽しさ」や「操る楽しさ」が、今以上に含まれていた事は周知の事実であり、Ⅲ以降のゴルフとの違いが良くも悪くも大きくクローズアップされる丁度「節目」のモデルとして、新旧の特長がより鮮明に浮かび、そのギッャプが先の「終わった」という表現に繋がっていったと思う。

 まぁ「レコードからCDに替わっていった時と同じ」と例えるのは、少し乱暴でしょうか。
そんな議論の対象にもなった車ですから、後々の為にも、誰か周りに所有しておられる方がいたら、ぜひ乗せてもらっておいてください。