○作曲家、クロード・フランセ(P)(A.Charlin)
邪気の無いラテンミュージック集だが、いつもながらドライな演奏振りで特有の素っ気無さが不思議である。これだけ思いっきりふざけた小品集を書いておきながら、奇妙に面白さを引き立たせることもなく、かといって構造の職人的な紡ぎ方を魅せつけようとするわけでもなく、旋律構造だけは明確にくっきり、いわばラヴェル的な表現で再現しようとしている。ただ楽天的でシンプルなわけではなく不協和で複雑な諧謔性があるのは確かで、演奏も意識的にやっているのだろう。曲集自体はクラシックとしてはどうかと思う。が音楽的には文字通り楽しめるし旋律も往年を思わせる閃きがあり、晩年作にしてはいいものだ。wergoに残した協奏曲を含む自作自演集と同じ匂い、何か筆のすさび的な、マンネリズムの産物であるとわかっていてそつなくやっている感じがする。まあ、80年代にもなってまだこういう曲を書いていたというのは、クラシカルな感覚ではなく、ライトミュージックの感覚であったのだろう。○。
邪気の無いラテンミュージック集だが、いつもながらドライな演奏振りで特有の素っ気無さが不思議である。これだけ思いっきりふざけた小品集を書いておきながら、奇妙に面白さを引き立たせることもなく、かといって構造の職人的な紡ぎ方を魅せつけようとするわけでもなく、旋律構造だけは明確にくっきり、いわばラヴェル的な表現で再現しようとしている。ただ楽天的でシンプルなわけではなく不協和で複雑な諧謔性があるのは確かで、演奏も意識的にやっているのだろう。曲集自体はクラシックとしてはどうかと思う。が音楽的には文字通り楽しめるし旋律も往年を思わせる閃きがあり、晩年作にしてはいいものだ。wergoに残した協奏曲を含む自作自演集と同じ匂い、何か筆のすさび的な、マンネリズムの産物であるとわかっていてそつなくやっている感じがする。まあ、80年代にもなってまだこういう曲を書いていたというのは、クラシカルな感覚ではなく、ライトミュージックの感覚であったのだろう。○。