小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

Vengais. 藤川、多村。そしてクレメンス~WBC、全日本準決勝へ

2006-03-18 12:07:15 | スポーツ
まったくわかっていなかったWBC。
欧州サッカーをみていると、新聞のスポーツ欄が読めない。録画してあるゲームの結果をみるのを恐れて、スポーツ欄はばささっとスルーの毎日。ヤフーのトップページは右下に手をかざし、goo をホームにしているのも、ニュース欄に比較的スポーツ情報が少ないからだった。
仕事も忙しく、何がどうなっているのかわからず。アジアラウンドは少しみたが、2次リーグのゲームをみたのは、仕事の打ち合わせ先の日韓戦と、今日金曜の米墨戦だけだった。
いやはやどうして、おもしろい。野球の神様、サッカーにばかり現を抜かしてすみません。

まだ春だというのに、熱く燃えるアナウンサー。野球の実況が熱を持つのは全日本ならではで、アテネ前に阪神戦の解説をしていた星野氏が「いやあ、実況で思う存分応援できますね。楽しみです」といっていたことを思い出す。

藤川は2度打たれた。昨年1年間でも数えるほどしか負けなかったしなやかなストッパーは、その神通力を発揮できなかった。
多村の大ファールは惜しかった。韓国戦最終回のあの打球。何千万もの日本人に右手を突き上げさせたであろうその見事な放物線は、残念ながらポールの内側を通過しなかった。
ああ、これで終わった。しかたないと多くの人々があきらめ、悔しさをあらわにするイチローは日本男児のあるべき姿として絶賛された。

そして米墨戦。これがみられたのは、皮肉にもスカパー、チャンピオンズリーグセットに加入していたから。それにしてもモティベーションがないはずのメヒコと、王国アメリカがみせてくれたゲームは、これぞベースボールという素晴らしい内容だった。
繰り返すが、この時期というのにびゅんびゅん投げ込むクレメンス。National team が彼にとって something special であったことを思い出す。
そしてクレメンスに真っ向から挑み、臆することなきメヒコのあらくれ者たち。準決勝? ?Que has dicho?、そこにボールが来るからだとばかりに、ぶんぶんバットを振り回す。
そして私が驚愕としたのは、勝ち越し点を与えたショートゴロ。わずかの躊躇もなく、ファーストに送球したNYY、デレク・ジーターの姿だった。あの緊迫したゲームで勝ち越し点を与えることを何とも思わないかのような、物語性を欠いた、だからこそ美しいルーティンなスローイング。こんな時われわれ日本人に見える躊躇が、そこにはなかった。ショートゴロはショートゴロ。今はアウトを増やすのがインポータントだろ、So what? とでもいうような、限りなく純度の高い、あっという間の一塁送球。
日本人アスリートに欠けるのは、こうしたアティテュードではないか。ゲームが高まった瞬間に、なぜだか訪れる躊躇。サッカー全日本FW陣に例えばミラン、インザーギのような決定力がないのは、スポーツがスポーツ以外の何かになってしまっているからのように思える。

激戦の末、クレメンスはジーターは敗れ去った。王ジャパンは、再びプレイボールをきく。
今回の報道で一番心に残っているのは、毎日新聞でやくみつるさんが紹介していた、王監督からの日本代表召集の手紙を、感動のあまり額に入れて飾ったという多村のエピソードだ。われら日本人に米・墨のファイティングスピリットはないにしても、手紙を額に入れるという丁寧な国民性がある。
ベースボールという不思議なゲームで、役に立つのはきっとそんな奇妙とも思える心情ではないか。
Vengais. 藤川、多村。そしてクレメンスには素晴らしきレギュラーシーズンを。

ところで、次の韓国戦はいつだろう。
コメント (2)
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