プリメイラ Honolulu

袰岩奈々のホノルル・カフェぶらぶら日記。
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森岡正博著「33個めの石」(春秋社)読みました

2019-09-18 08:58:44 | 読んだ本
昨日、バージニア工科大学の話をブログに書いていて、
「33個めの石」という本を持っていたはずだ、と思い出した。
本を入れてあるプラスティックケースを一つづつ開けながら、
日本の家に置いてきたのかなぁ、
こっちで見た気がしたのは勘違いだったかなぁと
半ば諦めた最後の箱で見つけた。
その箱には他にも、「これこれ!」というような本が詰まっていて、
宝箱を探り当てたような感動。

著者がどなただったか、全く覚えていなかったのだが、
森岡正博氏だった。
うわぁ!
森岡氏がいいなぁ、と思い始めたとっかかりはなんだったかなぁと
ご著書をチェックしてみたら
「自分と向き合う「知」の方法」だった。
1995年にPHPから出ている。
そうそう、「自分を棚上げにしない」
というアプローチにとても共感したのだった。
この態度は今の私のスタイルに影響している。

「無痛文明論」でおおお、と思い
「感じない男」が出たときに、
あら、私の本のタイトル「感じない子ども こころを扱えない大人」を
知ってるのかも? と密かに喜んだり、「男」にしただけで、
全然、意味が違ってくる面白さというか気味わるさを感じたものだった。
最近、ふと「宗教なき時代を生きるために」を手に取ったりしてたのも
偶然じゃないかもしれない。

「33個めの石」はバージニア工科大学での事件後の追悼で、
亡くなった方たちをリプレゼントする32個の石が置かれたとき、
その横にだれかが33個めの石を置き、
犯行後自殺した学生も加えられた、というエピソードから。
あとがきにはこの、33個めの石についての後日談も載っていて、
示唆的で興味深い。思わずうるっとしてしまった。

ハワイのホオポノポノだったら、
きっと初めから33個だったのだろうなぁなんてことも。

ネガティブな感情や感覚に対して、
ざらっとした後味の悪さみたいな露悪的な面も持ち込みつつ、
なぞな優しさを感じさせる語り口。
ネガティブ・ケイパビリティを考えるとき、
絶対、参考になるアプローチ。

いつかどこかで直接、お話ししてみたい方のお一人だなぁ。
ここに書いておくと、叶うかもしれない。