墨汁日記

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桜と栗かに

2008-03-26 14:28:00 | 日常

 えー、本日はお日柄も良く、幸いお天気にもめぐまれ、まこと絶好のお散歩日和であります。

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 そんなで桜だ。

 もちろん順子とは関係ないあの桜である。
 今日はせっかくの休みだし散歩がてらに早めの花見に出かける事にした。

 なんであれ、早め早めに事を行うのは良い事だが、この世にはあんまり早めにしちゃうと意味ない事もある。
 そのひとつであり、横綱級の早めにしたらいけないものこそが「お花見」であろう。
 花も咲かないうちに早めの花見をしても、あんまり早すぎると見るべき花すら無い。こうなるともはや花見だか木見だか分からなくなって気味が悪い。
 お花見だけは早めに行うものではないと俺は断言しよう!

 少なくても花が咲くまでは我慢しなさい。

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 そんなで散歩がてらに早めの花見に行ってきたワケ。

 なんだが、うーん、やっぱりまだ花見には少し早いかった。

 桜のエクスタシィっての、絶頂期はまだまだ先のようである。 
 ん、そういや日本語には「満開」って便利な日本語もあったな。

 そうなのだ、まだ今年の桜は満開していないのだ。だいたい満開の半分くらいで、5千かいじゃなくて、えーと5分先、いや「五分咲き」ってかんじなのである。

 どうやら、満開になるのは今週末ぐらいらしい。
 だが、俺の週末は休みではないからして、花見をするには今日しかないワケであって、そんなんで早めにフライング花見をする俺をどうか許して欲しい。

 まぁ、なんにしろ今週末は晴れたらきっと絶好の花見日和になると思います。お休みの方はぜひお花見などいかがでしょう?

 などと俺に言われなくても、たいがい花見に行くよな。
 となると、今週末は晴れたらみんなして花見で、あんまりパンは売れないかもとか余計な事を考える。

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 花見の帰りに、買い物をしに「スーパーおおた」へ寄った。

 晩酌のつまみを買うつもりで来て、何かいいものないかなぁとフラフラ鮮魚コーナーに立ち寄った。
 すると、白いトレイ皿にのってラップがけされたカニが冷蔵棚に積まれてる。

 別に甲殻類アレルギーではないが、食い物としてのカニにはあんまり興味がない。同じ甲殻類ならカニよりエビの方が歯ごたえもあって旨いと思うし、なによりカニの身はどうもチマチマしていて俺の趣味じゃないのだ。カニは、エビの潔い脱ぎっぷりを少しは見習えば良いと思う。

 だが、その時は何も考えずに思わず手がのびていた。

 栗かに・398円。

 2匹の栗かにが1パックに包装されて398円で売られている。

 手に取り、しげしげとカニの固くて丈夫そうな外骨格をながめながら、カニってつくづく変な生き物だよなぁとしみじみ思う。

 その時、2匹のカニのうちの1匹がピクリと動いたように見えた。

 死んでいると思っていたのでドキリとする。

 目の錯覚だろうか?

 まだ生きているのかなと、カニの甲羅から目をはなし、パックをあげてカニの目を見つめる。でも、生きているのか死んでいるのかなんて、カニの目からはどうにも判断はつかない。

 しかし、見つめていたら、やがて弱々しくも俺を威嚇するようにハサミをゆっくりと上下に動かしはじめた。このカニはまだ生きている。

 トレイとラップに拘束され、こんなにされながら、まだこんな場所でこのカニは生きている。そのカニだけが生きている事で逆にまわりの死が強調されて、今いるスーパーの鮮魚売り場が死体置き場のように見えてくる。
 生き物への嫌悪、まるでナマ卵を割ったら、孵化しそこないのヒナが出てきたような、そんな気持ちと、それでもまだ生きている事への畏怖を同時に感じる。

 魚屋でむき出しに売られているカニが生きているからといってどうという事もないが、スーパーでラップがけされたカニがまだ生きていると少し驚く。

 このカニを買って、近所の川にでもはなしてやりたい誘惑にかられたが、そんな事をしても鳥の餌になるだけだろう。いや、売れ残って処理されるよりかはその方がマシなのだろうか?