雨

　今日は休みだ。昨日の夜はとびとびに一時間ずつ、三時間ほどしか眠れなかった。最近、寝不足気味だ。このままでは体力がもたん。お肌も荒れてコラーゲンだ。
　
　それというのも、現在の俺はバラバラ進行形だからだ。理性は自分の将来を考え暗く沈むが、感情は他者の感情と交わったせいで異常にたかぶっている。
　そして肉体は、睡眠不足で疲れ果て、ただちんこのみが棒立ちとなり温もりを求めている。
　
　こんなんじゃあ眠れるもんだって眠れやしない。

　朝の６時過ぎから多摩川に散歩に行く。台風２３号の雨が残る中、とぼとぼと多摩川に向かって歩く。雨は嫌いだが、おかげで落ち着いた。嫌いな雨のおかげで感情がトーンダウンし、それにともないちんこはおとなしくしょぼしょぼになる。
　沈んだ理性と疲れた肉体に、感情とちんこがシンクロする。歩いているうちに眠くなってきた。雨はいい。眠くなるから。

　多摩川は昨日の台風の雨ですごい増水だ。
　土手沿いのいつもは木の生い茂る林も、水にのまれ、立ち木が半分だけ顔をだす。
　早朝から釣り人の集まる送水口のポイントはトラロープをはりめぐらせ、立ち入り禁止にしている。

　俺がいてもいなくても、台風は来て川は流れる。俺は世間や自然から見ればグリコのおまけだ。いてもいなくてもどちらでもいい。
　それは、彼女にとっても同じ事だ。俺はいてもいなくても彼女は生きる。むしろ、俺はいない方が良かったのかもしれない。俺は彼女の無数とある選択肢を奪い、まだわずかではあるが彼女の人生を浪費させてしまった。
　
　俺は天から与えられる運命の存在など信じない。人生は選択と偶然の繰り返しなのだ。誰かから与えられるモノではない。

　やはり転機の予感は正しかった。思いもつかなかった方法で俺は自分の生き方を考え直すよう要求されている。
　
　昼から人と会う約束がある。少し寝ておこう。