夢を見た。
開いた両足の間に妹が背を向け足をのばし座り込んでいる。
太ももにその体温を感じながら、床に寝転がり左手で腕枕をして小さな液晶モニターを眺める。ぼんやり画面を見ながら右手だけでマウスをクリックし、たまにマウスを放してキーボードのキーを押す。
妹はテレビゲームのコントローラを操っている。
リビングの大型液晶テレビにゲームのオープニング映像が流れる。
オープニングが終わると、時計の文字盤のように15個のポイントが丸く並ぶ画面があらわれた。指示するポイントとポイントを線でつなぎ、ひとつの図形を完成させるようにとゲームは要求する。
妹はゲームの指示のままに、十時キーと決定ボタンでポイントとポイントを繋ぎ図形を描いていく。
真上にあるポイントから左斜め下のポイントへ、そこから斜め右上のポイントに線を引く。次に、水平に移動し左のポイントまで線を引いて、そこから右斜め下のポイントまで線を引く。
ところが、ここでゲームの指示は終わり、いきなり最後の一本の線を自分で引くようにと要求された。
「なにこれ、わかんなーい!」
まだ、ゲームも始まっていないのに妹はもう投げ出そうとしている。
右手で操作していたマウスを放すと、腕枕をしていた左腕で起き上がる。
上半身を起こし後ろから抱くようにして妹の体ごしにコントローラーに触れる。妹の背中に体重をかけないようにと注意しながら妹の手ごとコントローラを包み込むと、妹はコントローラからすっと手を放した。そして、まるで応接間の椅子にでも座りこむかのように、妹はその放した両手を、妹の両脇に投げ出されている左右の太ももの上にのせて寄りかかってきた。
のしかかる妹の頭ごしに画面を見ながら説明する。
「これは、五方星という図形なんだ。お星様なんだよ。星なら最後の一本は簡単に分かるだろ」
最後の一本の線を引くと、ゲーム画面は暗転した。
五方星が光り輝き、それとともにタイトルがあらわれる。
そのゲームのタイトルを見たとたん。
ゲームの中にいた。
夕暮れの教室。
夕日が差し込む教室は強い陰影で強調され、夕日に染まる。窓にかかる白いカーテンはオレンジ色に輝きながら風にはためき揺れている。セミの鳴き声がかすかに聞こえ、涼しい風にもう2学期なんだなと知る。
そこにアニメ美少女があらわれた。
いかんいかん、ここはゲーム世界だった。季節のうつろいを儚く思っている場合なんかじゃなかった。
「いざっ尋常に勝負! 積年の恨みゆっるさないんだからぁ~!!」
あっ、なかなか好みの声だ。CV は誰だろう?
キャラはなんちゅーか、セーラー服で右目に眼帯をしていて、髪は青色のショートカット。元気いっぱいな綾波レイって風情だ。キャラ・デザインにはあまり芸がない。しかし、その両腕には刃渡りだけで2メートル以上はありそうな長剣をかかえている。片刃の剣で反りはない、素材は不明。切れ味はものすごく悪そうだが重さだけでかなりのダメージを受けるだろう。
適当な武器も見当たらないし、逃げるしかないか。
「待てっ卑怯者!」
卑怯も気球も野球もない。なんとか系は逃げるにしかずだ。バッと後ろをふりむいてダッシュで教室の戸を開けくぐり抜け廊下を走り出しチラッとふりかえると、やっとアニメ美少女は扉から出かかっているところだった。
ラッキー! あんな重たそうな鉄のかたまりを抱えては上手く走れないらしい。
校舎の階段をころげ落ちるようにして下り、正面玄関から靴も履き替えずに脱出する。校庭を上履きのまま駆け抜けると、勢いがついてきた。今なら空を飛べそうだ 。
いちにのさんっ!
かけ声とともに揚力が足の裏にみなぎる。
校庭の土を足で蹴ると、その勢いで体が宙に浮かんだ。
校門の横の塀を足がかりに、街の家々の屋根に駆け上がる。
屋根の上を跳ね、空を切り移動する。もはや、追跡者の心配もない。
そこで目が覚めた。
開いた両足の間に妹が背を向け足をのばし座り込んでいる。
太ももにその体温を感じながら、床に寝転がり左手で腕枕をして小さな液晶モニターを眺める。ぼんやり画面を見ながら右手だけでマウスをクリックし、たまにマウスを放してキーボードのキーを押す。
妹はテレビゲームのコントローラを操っている。
リビングの大型液晶テレビにゲームのオープニング映像が流れる。
オープニングが終わると、時計の文字盤のように15個のポイントが丸く並ぶ画面があらわれた。指示するポイントとポイントを線でつなぎ、ひとつの図形を完成させるようにとゲームは要求する。
妹はゲームの指示のままに、十時キーと決定ボタンでポイントとポイントを繋ぎ図形を描いていく。
真上にあるポイントから左斜め下のポイントへ、そこから斜め右上のポイントに線を引く。次に、水平に移動し左のポイントまで線を引いて、そこから右斜め下のポイントまで線を引く。
ところが、ここでゲームの指示は終わり、いきなり最後の一本の線を自分で引くようにと要求された。
「なにこれ、わかんなーい!」
まだ、ゲームも始まっていないのに妹はもう投げ出そうとしている。
右手で操作していたマウスを放すと、腕枕をしていた左腕で起き上がる。
上半身を起こし後ろから抱くようにして妹の体ごしにコントローラーに触れる。妹の背中に体重をかけないようにと注意しながら妹の手ごとコントローラを包み込むと、妹はコントローラからすっと手を放した。そして、まるで応接間の椅子にでも座りこむかのように、妹はその放した両手を、妹の両脇に投げ出されている左右の太ももの上にのせて寄りかかってきた。
のしかかる妹の頭ごしに画面を見ながら説明する。
「これは、五方星という図形なんだ。お星様なんだよ。星なら最後の一本は簡単に分かるだろ」
最後の一本の線を引くと、ゲーム画面は暗転した。
五方星が光り輝き、それとともにタイトルがあらわれる。
そのゲームのタイトルを見たとたん。
ゲームの中にいた。
夕暮れの教室。
夕日が差し込む教室は強い陰影で強調され、夕日に染まる。窓にかかる白いカーテンはオレンジ色に輝きながら風にはためき揺れている。セミの鳴き声がかすかに聞こえ、涼しい風にもう2学期なんだなと知る。
そこにアニメ美少女があらわれた。
いかんいかん、ここはゲーム世界だった。季節のうつろいを儚く思っている場合なんかじゃなかった。
「いざっ尋常に勝負! 積年の恨みゆっるさないんだからぁ~!!」
あっ、なかなか好みの声だ。CV は誰だろう?
キャラはなんちゅーか、セーラー服で右目に眼帯をしていて、髪は青色のショートカット。元気いっぱいな綾波レイって風情だ。キャラ・デザインにはあまり芸がない。しかし、その両腕には刃渡りだけで2メートル以上はありそうな長剣をかかえている。片刃の剣で反りはない、素材は不明。切れ味はものすごく悪そうだが重さだけでかなりのダメージを受けるだろう。
適当な武器も見当たらないし、逃げるしかないか。
「待てっ卑怯者!」
卑怯も気球も野球もない。なんとか系は逃げるにしかずだ。バッと後ろをふりむいてダッシュで教室の戸を開けくぐり抜け廊下を走り出しチラッとふりかえると、やっとアニメ美少女は扉から出かかっているところだった。
ラッキー! あんな重たそうな鉄のかたまりを抱えては上手く走れないらしい。
校舎の階段をころげ落ちるようにして下り、正面玄関から靴も履き替えずに脱出する。校庭を上履きのまま駆け抜けると、勢いがついてきた。今なら空を飛べそうだ 。
いちにのさんっ!
かけ声とともに揚力が足の裏にみなぎる。
校庭の土を足で蹴ると、その勢いで体が宙に浮かんだ。
校門の横の塀を足がかりに、街の家々の屋根に駆け上がる。
屋根の上を跳ね、空を切り移動する。もはや、追跡者の心配もない。
そこで目が覚めた。
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