絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

アトラス編「組立図を楽しむ:発射台の仕組みを探る」

2006年12月12日 | プラモデル


諸君!

野次馬大学の学生生活は、どうかね。
寒い、寒いとコタツに突入してばかりでは、
天下の野次馬大学の名が泣くゾ。
シベリアの寒さに比べたら、日本の冬など
屁みたいなもんじゃ。
喝!


                                                                             
組立図を楽しむ                                                 
                                                                      
                                                                  
                                                                       
                                                   


プラモデル野次馬考古学

マーキュリー/アトラス編

組立図を楽しむ発射台の仕組みを探る



最初はアトラス本体の組立。
これで腕を慣らしてください、ということなのでしょう。

このキットは、もともとICBMタイプとして1959年に発売されました。
その後、グレン中佐のフレンドシップ7の打上成功にあわせて、1962年に弾頭部分をマーキュリーカプセルに変更して発売されたのが本キットなのです(結局、便乗商品かいナ)。
マーキュリーカプセル付のものは、何回かリリースされているので購入された方も多いと思いますが、ICBMタイプのものは1962年の時点で生産中止になっていますから、いま残っているとすれば貴重品です。






アトラス運搬用トレーラーは、細い部品のかたまりなので、組立は慎重に(組立図6)






アトラスの醍醐味は、まさに発射台の組立に尽きる、というのがよくわかります。
ミサイル/ロケットものプラモデルで、ここまで忠実に再現したものがあったでしょうか。しかも、このキットはもともと1959年製ですよ。
もう一度いいます。1959年製です。
この時代に、これほどまでのプラモデルを開発するなんて!
レベルとはどんな会社なんでしょうか。
ただただ、感心するばかりです。

発射台とはいいながら、工場プラントを造るイメージです。
この組立図を見るまでは知らなかったのですが、発射台上のロケット噴射排気ダクトの周囲には、水を放水するパイプがつけられていて、ロケットエンジンから出される高熱の炎で排気ダクトが破損しないよう、冷却する仕組みになっています(組立図
11参照)。
アトラス打上のもうもうたる白煙には、ロケットの噴射熱による水蒸気も混じっていたのですね。





手すりや階段、照明装置など繊細なパーツがいっぱい。
アトラスを垂直に支える支持架の仕組みも、よくわかります(図13)。

組立図がなければ、これらのパーツをどこに接着すればよいのかわからないほどです。これを誰が見ても誤ることなく、確実に組み立てていけるようにするには、組立図のデザインやレイアウトに特別なノウハウが必要になってくるでしょう。
この組立図を描いたイラストレーターは、かなり苦労して制作したのではないでしょうか。






完成予想図を使って、これだけ素晴らしいキットができますよ、とサラッとPR。
キットには付属していませんが、巨大な整備塔がペアになると、完全な姿となります。


アメリカの国威の象徴たる、ICBMアトラス。
これをモデル化したレベルの意気込みが、ビンビンと伝わってきます。
発射台までリアルに再現することで、キットとしての付加価値をドーンと高めています。単なるロケット本体だけでは、面白くないですよ。
発射台や整備塔など、周辺設備をいかに再現していくかが、付加価値を高めていく重要なポイントなんですね。

                                                                                
参考文献紹介                                                               
                      
                                                                     





「現代の冒険4:宇宙への遠い道」  文藝春秋‥‥これも絶版なんですよね。
下記4編を収録

「地球は青かった」 ユーリ・ガガーリン著
            ご存知、人類史上初の宇宙飛行士の手記。
            1961年の4月から6月にかけて、ソ連共産党機関誌「プラウ
            ダ」に掲載されていたもの。
            「鉄のカーテン」、旧ソ連初期の宇宙開発関連資料として貴重で
            す。
            1961年4月12日の世界初有人宇宙飛行では、「地球はみず
            みずしい色調にあふれて美しく、薄青色の円光にかこまれて
           いた
」というコメントを残しました。
            ソ連版「ライトスタッフ」ですね。

「宇宙への挑戦」  ジョン・ディル編 
            こちらは、マーキュリー計画の宇宙飛行士の手記。
            トム・ウルフの「ライトスタッフ」との違いを楽しむのもよいでしょ
            う。 
            ただ、メインはレッドストーンによる弾道飛行を行ったシェパー
            ド、グリソム、そしてアメリカ初の有人宇宙飛行を行ったグレン
            の3名のものが中心。

「月面第一歩」   アポロ11号宇宙飛行士
            アポロ11号の月面着陸の模様を、NASAの交信記録や宇宙飛
            行士の手記、インタビューを基にライフ誌の編集スタッフがまと
            めたもの。アームストロング船長の歴史的名言「これは一人の
            人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な躍進
           だ
」が、いかにして語られたかがよくわかります。
 
「宇宙からの生還」  日下実男著 
             こちらは、アポロ13の事故と地球への帰還の模様を、ヒュース
             トン管制センターの交信記録を中心にまとめたもので、あの事
             故の概略を知る基礎資料になります。



内容を一部紹介しますと‥‥

下、左の写真はアポロ11号ものです。
(左上)月面に立つ宇宙飛行士とアメリカ国旗は、ソ連との熾烈な宇宙開発競争がアメリカの勝利に終わったことを象徴するものです(もっとも、近年になって月面着陸はNASAのデッチ上げであるという説もありますが、ホントなのでしょうか)。

(左下)月着陸船と、荒涼とした月の後方に浮かぶ地球を対比させた秀逸なショット。
これを見ると、ちっぽけな地球で人間同士が対立し、戦争を起こすなどいかにアホなことかがよくわかります。宇宙を飛んで価値観がかわった、という宇宙飛行士がいましたが、わかるような気がします。

右の写真はマーキュリー計画時のもの。
(右上)轟音とともに打ち上げられるアトラスとロケット整備塔群が印象的。
樹立する整備塔を見ても、このケープカナベラルがいかに広大な場所かがよくわかります。
アメリカは広い!とにかく広い!

(右下)回収されたマーキュリーカプセルから、クルーの手助けでようやく出て来たクーパー少佐。
デコボコの金属板を組み合わせたカプセルが、なにやらレトロなイメージをかもし出します。
カプセル内から出てくるのも、かなり大変そう。
カプセルの窮屈さをイメージさせるものとして、「マーキュリーカプセルは、乗るのではなく、着るものだ」という話のイミがなんとなくナットクできて、オモシロイ。




フレンドシップ7に乗り込むグレン中佐。
いよいよ、「Everything is Go」の第一歩がスタートする瞬間。
手記によるば、アトラスの先端につけられたカプセルの中にいると、強い風が吹いただけでアトラスが揺れるのがわかる、とありました。さらに、身体を前後に動かすとそれだけでもユラユラ揺れる、とのことでアトラスは微妙なバランスで垂直に立っているのがハッキリとわかります。
乱暴に身体を動かしたら、アトラスはおそらく倒れてしまうのでは‥‥(まさか!)。




続く



「ちょうど、時間となりました。」

「こりゃまった、シャクだった!」


上のフレーズをご存知の方は、私と同世代か、それ以上の世代の方です。






次回のチラリズム                                                             
                                                                        
                                                                        
                                                                          
                                                                     



この細かなパーツ類。このキットが発売された1959年に、これに匹敵するキットを開発できるプラモデルメーカーが、はたして何社あったことでしょう。


         プラモデル野次馬考古学








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1 コメント

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ちょちょちょ(^^; (さい8)
2009-01-23 06:20:03

見せて見せてっていうからチャック開けてデロンって俺のイチモツ出して見せてあげたの!
女の子キャーキャー言いながらイチモツにスリスリしてソッコーでフ ェ ラ抜きしてくれたYO!
ほど良いバキューム具合で即イキしちゃってもったいなかったけど、7萬もらったしまぁいっか(^^)v

http://NRrGKST.clayfis22fjs.net/
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