奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

法に厳格な判決と、情を重んじた判決

2017-03-16 20:43:44 | 社会
 降圧剤「ディオバン」の販売促進のために臨床データを改竄(かいざん)したとして、旧薬事法(現・医薬品医療機器法)違反(虚偽・誇大広告)罪に問われた製薬会社「ノバルティスファーマ」元社員、白橋伸雄被告(66)=求刑懲役2年6月=と法人としての同社=求刑罰金400万円=の判決公判が16日、東京地裁で開かれた。
 辻川靖夫裁判長は、販売促進目的で故意にデータを改竄したことは認定したものの、「改竄データに基づく論文を学術雑誌に掲載させた行為は、雑誌の性格や掲載経緯、論文の体裁、内容などを客観的に見ると、一般の学術論文を学術雑誌に掲載することと変わらず、購入意欲を呼び起こす手段としての性質があったとはいえない」と述べ、ともに無罪を言い渡した。(産経)


嘘ついても罰せられない。旧薬事法で立件した裁判という「テクニック」の限界か。
これでは子供の教育にも有害だろう。司法的にはSTAPの小保方さんも無罪ということと同等らしい。どう考えても理解できない。
小保方さんと同様に、「ノバルティスファーマ」も社会的制裁を受けろということらしい。
そんな、「テクニック」だけの「厳格な判決」が出る一方で、こんなのもある。

 不法残留で強制退去を命じられた名古屋市に住む韓国籍の40代女性が、国の処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁(藤山雅行裁判長)は16日、「結婚した日本人男性からドメスティックバイオレンス(DV)を受け離婚したが日本語ができず在留期限を認識できなかった」と判断し処分を取り消した。一審名古屋地裁は原告の請求を棄却していた。
 藤山裁判長は判決理由で、女性は離婚後も韓国の親族に事情を打ち明けられず滞在を続けてしまったと指摘。その後、再婚もしており「退去させれば他に身寄りのない現在の夫との生き別れを強いることになり、著しく人道に反する」とした上で「処分は不法残留の深刻な事情を無視しており、裁量権の逸脱で違法」と結論づけた。
 二審判決によると、女性は男性と結婚し平成15年3月に来日したが、男性のDVが原因で同年11月に離婚した。現在の夫と再婚後の26年1月に入管難民法違反(不法残留)容疑で逮捕され、同8月に退去強制令書発付処分を受けていた。
 名古屋入国管理局は「判決を検討し適切に対応したい」としている。(産経)


日本語が理解できないのは自己責任であるし、「身寄りのない現在の夫との生き別れを強いる」ことが情状酌量に当たるとも思えない。欧米ではまずあり得ない判決だろう。
まさか裁判官は大岡越前を気取ったわけではあるまい。あれはフィクションだ。

いずれにしても、裁判所というのは可笑しなところだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿