奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

一人では勝てない

2016-08-28 20:17:35 | 社会
アスリートがオリンピックでメダルを獲得するためには、アスリート自身の能力は必要だが、それだけでは十分ではない。コーチや、戦う場を整える裏方や、家族や、多くの方々の支えがなければならない。だから、勝ったアスリートはインタビューで、支えてくれた方々への感謝の気持ちを表明する。
ところが、「お一人様」思想の方にはそのことが理解できないようだ。

作家・中島京子さん
NHKで解説委員が、オリンピック開催のメリットの最初に「国威発揚」が挙げられると紹介していたのは衝撃だった。平和の祭典には、もっと崇高な理想があるはずでは? 永さんも大橋さんもむのさんも、草葉の陰で怒ったに違いない。「日本がやりました」「日本が勝ちました」と言うけれども、日本が勝ったのではなく、勝ったのは伊調馨とかベイカー茉秋とか個人だろう。オリンピックは戦争じゃないんだから。「参加することに意義がある」という五輪精神も、いまやちっとも語られないが、私たちは戦争についてもオリンピックについても、きちんと過去から学ぶべきだと思った夏だった。(毎日新聞)


「勝ったのは個人」ではない。支えた人たち、応援した人たちの勝利でもある。
国同士が武器で戦うのではなくスポーツで戦う。だから、「平和の祭典」なのだ。「参加することに意義がある」だけならば、猫ひろしにしかならない。