満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

満天姫

2007-06-06 | 本の紹介
ネット上で知らない者同士が接触する時に
便利に使っている名前を「ハンドルネーム」っと言います
私のハンネは「満天」(アハハハハハ)←少し照れます
(満天っと決めた理由の記事はコチラからどうぞ~)

私のブログにコメを残してくれる奇特な方々のハンネを…
Googleで検索してみると…(ハハハハハ←暇人~)
トミーさんは「おもちゃのトミー」
ビバちゃんは「ホームセンター」
ひろしさんは「猫ひろし」
長友さんは「㈱長友」
sora☆さんは「ヘアーサロン」
などと面白い検索結果が出てきました~

で…自分の「満天」を検索していると…
「満天姫(マテヒメ)」っというお名前が引っかかって来ました~
「オヨ?」っと思い詳しく調べてみるって~と
コレが実に波乱万丈の人生を送られたお姫様でして…
実に面白いので…ここで少し紹介したいと思いました~

以下、多少の満天流脚色を加えた「満天姫物語」でお楽しみ頂けましたら
幸いでございます~
(ただし、諸説がございますので…詳しい方は片目を瞑ってお読みください~)

「大河ドラマ 満天姫」

第一章 始めの結婚

時は戦国の世を経て、豊臣秀吉により日本統一が成し遂げられ
そしてまた…徳川の時代へと流れ行く分岐点の時代のお話でございます。

徳川家康の異父弟に松平康元と言うお方がいらっしゃいました
康元は病弱ながら家康からの信頼も厚く5人居た娘達全てが
家康の養女として各地の諸大名の元へ嫁いでおります。

康元の三女に「満天姫(マテヒメ)」と言う息女がおりました。
5人居た息女の真ん中です。
上の二人の姉を見ながら少し「おしゃま」な勝気な少女でした

幼い頃より父である康元に
「病弱である私を大切に思い、さしたる功もあげられぬ我が家を
この様に盛り立てて下さる叔父上家康公の為、骨身を惜しんではならぬぞ」
っと教え諭されておりました。

妙齢を迎えた頃に、その家康より縁談の話が持ち上がり
「満天姫」は豊臣家の武将、広島城主である福島正則の
嫡男である福島正之の元へ嫁いだのであります

豊臣家譜代の家臣である広島城主の福島正則は嫡男に恵まれないため
自身の姉の子である正之を養子として貰い受け嫡子と決めておりました。

秀吉が遺言で諸大名同士の婚姻を固く禁じていたのですが
豊臣家と徳川家の和平の為になるやもと考え
家康の姪である満天姫を嫡男の嫁に招きいれたのです

また家康も才気溢れる満天姫を見込んで
秀吉亡き後の徳川家を微妙に牽制する豊臣譜代の大名家へ
満天姫を送ったのかもしれません

ところが…嫁いで間もなく…
義父である正則に諦めていた実子・忠勝が誕生してしまいます
どうしても実子が可愛い義父正則と
将来の不安を感じ拭い去れない養子の夫正之との仲は悪くなるばかり
このままでは家内が二分されてしまうと案じた義父正則は
夫の正之を幽閉し毒殺してしまうのです

豊臣家と徳川家の仲も悪化の一途をたどり
満天姫は実家である徳川家に帰されてしまいました
が…この時既に…
満天姫のお腹の中には夫正之の子が宿っていたのです

第二章 二度目の結婚

関が原の戦いの後、天下は徳川の世となります
しかし、家康は東北方面に不安を抱えておりました
そこで満天姫を養女にし家康の娘として弘前城主の津軽信牧の元へ
正室として嫁がせるのです
満天姫は再婚で尚且つ前夫の子、直秀を連れて嫁いで行きました

前嫁ぎ先の広島と違い、本州の最北端の弘前です
冬厳しく灰色に垂れ込める厚い雲の様に満天姫の心は不安に満ちておりました

弘前のお城に到着してみれば…
夫となる津軽信牧の元には既に愛する側室の姫がおりました
その姫はなんと…あの石田光成の三女「辰姫」です
家康を良く知る満天姫は、
この東北の地を疑心暗鬼で見つめている徳川家を恐れ、
豊臣家の、ましてや光成の息女を城内に留め置く事に異を唱え、
辰姫を津軽家の飛び領地である群馬県に住まわせます

そして先の夫の子である直秀を津軽家老の大道寺直英の養子に出しました

満天姫の努力の甲斐あって
夫の津軽信牧との夫婦仲は良かったものの…
その後も夫の信牧は…参勤交代の折にふれ…群馬の辰姫の元へ通い続けます
はからずも辰姫は…
満天姫より先に信義という男の子を出産してしまいます
その後、満天姫も信英(のぶふさ)という男子を出産しますが
これには諸説があり、別の側室の子ではないかとの話もあります

辰姫は早くに病で亡くなってしまい
後ろ盾を無くした長男の信義を満天姫は引き取り
津軽家の嫡男として育て、無事に家督を相続させております

普通で考えるなら…自分の子供に家督を相続させたいものですが…
先に嫁いでいた広島の福島家において
義父の福島正則が自分の子を可愛がり、養子である夫との諍いを呼び…
家督争いの末に…夫が暗殺されてしまったという
辛い記憶が満天姫の脳裏に甦ったのかもしれません

現に…辰姫の産んだ長男の信義は愚鈍で
満天姫の産んだ次男の信英の方は江戸まで響く秀才だったそうです
後に信義の子供の後ろ盾として信英は津軽家にとって
無くてはならない重鎮となって行きます

出来の良い秀才で正室の子を守り立てて政権を握ろうとする
輩も何人か現れたでしょう
しかしそれを受け入れない満天姫の態度に
もしかして…満天姫の子ではないのだろうか?などと
憶測が生まれ別の側室の子供説が生まれたのかもしれません

第三章 我が子への思い

もう一人の満天姫の息子
津軽家の家老の大道寺直英の養子にした
先の夫の子供の直秀には…悲しい結末が待っていました

津軽家の臣下の子として育った直秀は、
ある日自分の出生の秘密を知ってしまいます

広島城主 福島家の血を引き
また、津軽家の正室であり、徳川家康の姪である
満天姫の息子であると知った直秀は
福島家の大名復帰に全力を傾け始めるのです

その頃の福島家は
幕府が大名家の城の改築や増築を禁止する条令を出していたにもかかわらず
広島城の改築工事を勝手に押し進め
幕府の怒りをかってしまい、旗本と言う身分に落ちぶれておりました

徳川幕府は豊臣に忠誠を誓う残党に目を光らせております
今、福島家にかかわる事は大変な危険をはらむ行為であるのに
直秀は実母である満天姫と津軽家の威光を借りて
江戸へ出向き幕府徳川家に陳情を出し
福島家を大名に復帰させようと画策し始めます

夫も亡くなり辰姫の息子に城を明け渡し
尼となり庵を結んでいた満天姫は
直秀のそのような暴挙を知り
江戸へ向けて出立する直秀を自身の庵へ呼び
無事に江戸へ到着できる様にと宴を開きます

そうして…
直秀の杯に毒を盛ったのです

奇しくも…父子揃って身内に毒殺されてしまいました

直秀が例え江戸に無事に到着したとしても
幕府の門を叩く前に暗殺されていたと思われます
それならば…いっそこの手で…母の手で殺してしまおうっと
考えたのかもしれません

満天姫は何度もさりげなく直秀の行為が
周りの者達の迷惑になる事をいさめたであろうと思います

若さゆえか母の言葉に耳を傾けなかった直秀

夫を毒殺され今、また息子を自らの手で毒殺した満天姫
多分…自分の行為を自問自答しながら
この後、御仏に祈りを捧げ一生を終えました

長い長いお話もこれにて終了です
今日は満天さんのハンドルネームと同じ名前の
お姫様の一生をお送りいたしました~

まぁ~長いお話ですし…歴史物なので…
ここまでたどり着けた方は少数でしょうが…(ガハハハハハ)
ここまで読んで頂きありがとうございました

たまたまですが…歴史に埋もれかけていた人物の
生き様を私なりに調査し文章に出来た事を幸せに感じております