バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.3 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド

2010-05-06 09:12:49 | 日記
今回はデヴロッペ・ア・ラ・スゴンドのもっとも基本となる動きを練習してみましょう。
デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド、いろいろなヴァリアシオンでも取り入れられていますし、ルルヴェで行うもの、ピケで行うもの、ソテで行うもの、また左右にトルソーの向きを変えながら行うものと、このパ自体の変化も様々です。
パそのものに微妙な変化を指定されても、トルソーのコントロールと脚のコントロールそのものに変化はありません。
一番シンプルな基本の動きを身につければ、アレンジは可能です。
もちろん、上げる脚の高さも無理をすることはありませんよ。
では、始めましょう。
正面奥で鏡に対してアン・ファス、右脚後ろ5番ポジシオン、アームスはアン・バで準備して下さい。
ドゥミ・プリエをして右脚はク・ドゥ・ピエ・デリエール、アームスはアン・ナヴァン→右脚でア・ラ・スゴンドにデヴロッペ、同時に左脚はルルヴェ、アームスをア・ラ・スゴンドに開く→右脚を4番ポジシオンの前側の位置に下ろしてドゥミ・プリエ、その上にトルソーを移動、アームスはアン・バ、左脚の膝は伸ばしておく 右脚でドゥミ・プリエ、左脚をク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き付ける、アームスはアン・ナヴァン→左脚をア・ラ・スゴンドにデヴロッペ、同時に右脚はルルヴェ、アームスをア・ラ・スゴンドに開く→左脚を4番ポジシオンの前側の位置に下ろしてドゥミ・プリエ、トルソーをその上に移動、アームスはアン・バ、右膝は伸ばす
動きを分解するとこんな風になります。
ク・ドゥ・ピエ・デリエールからア・ラ・スゴンドにデヴロッペをするところでは、ク・ドゥ・ピエ→ルティレ→ア・ラ・スゴンドと、ルティレまで脚を引き上げてからデヴロッペをします。
脚を前方に下ろすときには同時にトルソーも前方に移動しています。
7・8 ドゥミ・プリエ、右ク・ドゥ・ピエ・デリエール→1・2 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド→3 右前4番ポジシオン・ドゥミ・プリエ 左ク・ドゥ・ピエ・デリエール→5・6 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド→7 左前4番ポジシオン・ドゥミ・プリエ 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→1・2 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド→3 右脚前4番ポジシオン・ドゥミ・プリエ 左ク・ドゥ・ピエ・デリエール→5・6 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド→7 左脚前4番ポジシオン・ドゥミ・プリエ ………
いかがですか?
ドゥミ・プリエとク・ドゥ・ピエのタイミングやデヴロッペのタイミングなど、ちょっとしたズレが動きの流れをギクシャクしたものにしてしまうでしょう?
ドゥミ・プリエでク・ドゥ・ピエをするとき、次のルルヴェとデヴロッペのための“ばね”を貯めるのですが、決してトルソーの力を抜いて足の上に座り込むようなプリエをしてはいけませんよ。
デヴロッペは、ルティレまできちんと膝を引き上げてから脚を伸ばします。中途半端な位置から蹴り出すようなデヴロッペにならないように気を付けて下さいね
ア・ラ・スゴンドの位置は、それぞれの股関節のターン・アウトの度合いに応じた位置で構いません。ただし、真横よりも少し前に上げる場合は、脚を上げる反動でトルソーが後ろに押されないように気を付けましょう。
脚を下ろして4番ドゥミ・プリエ(後ろ側の膝は曲げない)をしたとき、トルソーはきちんと前側の足の上にのっていますか?ウエストの後ろ辺りが縮んで胸が上がり、後ろ寄りの中途半端なところに重心がズレていませんか
ドゥミ・プリエからルルヴェに立ち上がるとき、軸脚のターン・アウトが失われていませんか
デヴロッペをする脚の側のウエストが縮んでトルソーが傾いていませんか
デヴロッペをした脚は“下ろす”のです。決して“おっことして”はいけません 脚を上げるときのコントロールよりも下ろすときのコントロールの方が難しいかも知れませんね
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、デヴロッペ・ア・ラ・スゴンドの初歩の練習をするとき、ア・ラ・スゴンドに開いたアームスとトルソーの中心を縦に通る中心線とが“十文字”を作るように注意をしています。この“十文字”を守れないようだと、いずれアームスの動きにも変化をつけるようになったときに、アームスを振り回したり、アームスの勢いにトルソーが引きずられたりと、美しくなくなってしまうからです