バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン Vol.3 バットマン・タンジュ

2010-03-15 18:30:58 | 日記
グラン・ジュテ・アントルラセやグラン・フェッテ・ソテのように華やかで大きなジャンプまで練習しましたので、もう一度バー・レッスンに戻りましょう。
いろいろなパや、パとパをいくつも繋いだアンシェヌマンでいつもきちんとトルソーをコントロールして、美しい動きを生み出すためには、筋肉を強く柔らかく俊敏にし維持するためのバー・レッスンが大切です。
また、バー・レッスンは自分の身体の動きの悪いところや硬いところ弱いところなどを教えてもくれますね
今回はバットマン・タンジュにドゥミ・プリエとルルヴェを組み合わせて練習してみましょう。
左手をバーに置いて、右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バで準備して下さい。
プレパラシオンでアームスをア・ラ・スゴンドに開きます。
ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→2 5番ポジシオン→3 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→4 4番ドゥミ・プリエ→5 4番ドゥミ・ポワント(=ルルヴェ)→6 4番ドゥミ・プリエ→7 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→8 5番ポジシオン ⇒1 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→2 右前5番ポジシオン→3 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→4 2番ドゥミ・プリエ→5 2番・ドゥミ・ポワント→6 2番ドゥミ・プリエ→7 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→8 右後ろ5番ポジシオン⇒ 同じようにデリエールで⇒ア・ラ・スゴンドで
このアンシェヌマンでは、1回目のドゥミ・プリエをするときに、以前のバー・レッスンで練習したポワン・タンジュからア・テールに足を下ろしたポジシオンを必ず通過しなければなりません。
大切なポイントがたくさんありますよ。
ポワン・タンジュ・ドゥヴァンから4番ドゥミ・プリエをするとき、軸脚側に骨盤の向きがズレたり、ポワン・タンジュ・デリエールから4番ドゥミ・プリエをするときに動作脚のほうに骨盤の向きがズレたり、半分お尻を突き出すような姿勢になってはいけません。トルソーは両方の足の真ん中にきちんと移動させて正面に向けるようにしましょう。
4番ドゥミ・プリエからドゥミ・ポワントにルルヴェをする瞬間に両足のカカトを後ろにひいて、膝が正面をむくルルヴェをしないように気を付けて下さいね。両方の股関節のターン・アウトをしっかり守って、両方の内腿をお腹に向かって引き上げるようにしましょう。キレイな二等辺三角形を描く脚の真上にトルソーがスッと伸びている、そんなイメージですね
ルルヴェからもう一度4番ドゥミ・プリエに降りるとき、骨盤を前に倒してお辞儀のようなドゥミ・プリエにならないように気を付けましょう
ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドから2番ドゥミ・プリエをするときも、骨盤を倒してお辞儀のようなプリエをしたり、逆に肋骨上がり背中が反って重心が後ろにズレてしまってはいけません。股関節のターン・アウトに気を付けながらドゥミ・プリエをしましょう。
2番ポジシオン・ドゥミ・ポワントに立ち上がるとき両方のカカトを後ろに引いて、両膝が正面を向くようなルルヴェをしてはいけません。カカトから足の裏側を左右それぞれの外方向に押し出す力が働いてドゥミ・ポワントに立つ、とイメージしてみて下さいね。
ドゥミ・ポワントのあともう一度ドゥミ・プリエをするときに、4番でも2番でも力尽きて椅子に倒れこむようなプリエをしてはいけませんね
両方の足の裏全体でスポンジをしっかり抑えて水を搾り出すようなイメージでプリエをしましょう。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、ドゥミ・プリエをした瞬間にポォ~ンっ と跳び上がれるようにイメージしてトルソーを引き上げておくようにと伝えています
2回目のドゥミ・プリエのあとのポワン・タンジュは、単に動作脚の膝と爪先を伸ばすのではなくトルソーをしっかり軸脚の上に戻すことが大切ですよ。トルソーを軸脚の上にきちんと戻せているなら、動作脚がポワン・タンジュになった瞬間に爪先を床から離してもバランスが取れた状態で立っていられるはずですものね。
バレエのパやアンシェヌマンは、ピルエットでもバットゥリーでもグラン・ジャンプでも総て、スタートの瞬間と終点・着地の瞬間にドゥミ・プリエで支えられています。重心の移動とともに強く柔らかく深く素早いプリエが出来るようにバー・レッスンでしっかり調整しましょう。


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