バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.9 バットマン・タンジュ(ターン・イン)

2011-11-03 09:11:42 | 日記
前回練習した6番ポジシオンや2番のパラレル・ポジシオン、4番の縦方向に脚を向けたポジシオンでのカンブレ・アン・ナヴァン、重心を両脚の間に引き上げたままで出来るようになりましたか?
一見するとなんでもない簡単な動きなのですが、両脚のハムストリングやお尻周りの筋肉を十分にストレッチすることが出来ますからね、ときどきレッスンにとりいれてみて下さいね。
今回はバットマン・タンジュ・の練習をします。やはり脚を内向きに動かすためのコントロールが大切な動きです。
でははじめましょう。
左手バーで1番ポジシオン、アームスはアン・バからプレパラシオンでアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→2 1番ポジシオン→3 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→4 ターン・イン→5 ターン・アウト→6 1番ポジシオン→7 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→8 1番ポジシオン→1 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→2 1番ポジシオン→3 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→4 ターン・イン→5 ターン・アウト→6 1番ポジシオン→7 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→8 1番ポジシオン→1 ポワン・タンジュ・デリエール→2 1番ポジシオン→3 ポワン・タンジュ・デリエール→4 ターン・イン→5 ターン・アウト→6 1番ポジシオン→7 ポワン・タンジュ・デリエール→8 1番ポジシオン→1 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→2 1番ポジシオン→3 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→4 ターン・イン→5 ターン・アウト→6 1番ポジシオン→7 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→8 1番ポジシオン⇒…
もっともシンプルな順番ですから、丁寧にしっかりコントロールするようにしましょう。
では大切なポイントをチェックしていきましょうね。
ポワン・タンジュした脚をターン・インする場合は、股関節のなかで“大腿骨頭”を内向きに回すつもりでコントロールしましょう。ドゥヴァンの場合は動作脚側の骨盤を持ち上げて腰を捩じらないこと、ア・ラ・スゴンドの場合は骨盤がバーの方を向いてトルソーが捻じれないように、そしてデリエールの場合は動作脚側の骨盤が下がったり、足首に力が入って“バナナ 足”にならないように気を付けましょう。
いずれの場合も骨盤を動かさない、ということがポイントです。クラシック・バレエのコントロールにはない“ヒップ・シェイク”の動きにならないように注意して下さいね。
ターン・インするときにはついつい膝や足首が緩みがちになりますから、気を付けて十分にばしてインへの動きをコントロールするようにしましょう。
デリエールでターン・インをすることは、股関節の位置からみてもちょっと難しい動きかも知れませんね。ターン・インを“膝を下に向ける”こと、と安直に考えてしまうと脚の外側にばかり力が入って足指の甲のほうを床に押し付けるような動きになりがちですからね。脚の動きよりも股関節の中の動きに意識を向けるようにするといいですよ。
軸脚のほうも、動作脚の動きにつられて骨盤がバーの方を向いたり、後ろに引いてお尻が出っ張ったりしないように気を付けて下さいね。動作脚ではインの動きをしますが、軸脚はターン・アウトを守らなければなりません。

クラシック・バレエでは脚をアン・ドゥオール=ターン・アウトすることが重要なコントロールですし、ほとんどのパがターン・アウトによってより動き安くなり、ターン・アウトすることを前提としてパが発案されています。ただ、昔と違って現代ではダンス・クラシックとモダンとの明確な境界というものは希薄になり、クラシック・バレリーナであってもコンテンポラリー・バレエを踊ることは当たり前のことになっています。ですから、なんとなく脚を内向きにする、のではなくきちんとコントロールして内向きにすることが必要です。
また、ときに内向きにコントロールする練習をすることで、自分の身体をよりよく知ることにも繋がりますし、ターン・アウトをしっかり支えることも出来るようになります。
ときにはこのようなターン・インする練習もしてみて下さいね。