パシフィック・リム
Pacific Rim
2013年 132分 アメリカ
ここに掲載する画像は、元々はレンタルショップで借りてきた円盤を撮影して使っていた。しかし店のものはそこのシールが貼ってあったりタイトルしか見られなかったりしてわかりにくいので、今はアマゾンとかでDVD/BDの画像を探して縮小→掲載している。
今回はその画像を探すうちにレビューも見てしまい、「2013年の最高映画」とか「素晴らしい」のオンパレードを見て非常に期待していた。ポスターからもすごい特撮の、最後がめでたしめでたしとなる予感アリアリで、楽しむだけ楽しんであぁ良かったで終わることがわかりきっていた。いつもくっついているちびが、義祖母の家での新年お食事会に招かれたので、そのすきまを突いて見たわけだ。
以下のあらすじはウィキからだけど、ネタバレを含んでますから、まだ見てない人は注意を!
2013年8月、太平洋グアム沖の深海に異世界と繋がる割れ目が生じ、そこから現れた怪獣「アックスヘッド」がサンフランシスコを襲撃。米国は陸空軍の総攻撃で6日かけてこれを撃破することに成功するが、その後も別の怪獣が次々と出現し太平洋沿岸都市を襲うようになったため、沿岸諸国は環太平洋防衛軍 (PPDC) を設立し、怪獣迎撃用の巨人兵器イェーガーを建造して立ち向かう。イェーガーの登場によって人類は一時的に優位に立ったが、怪獣の出現ペースは少しずつ早まっていき、再び人類は劣勢に追いやられていった。
2020年2月、米国アンカレッジを怪獣「ナイフヘッド」が襲撃。イェーガーのパイロットであるローリー・ベケットは、同じくパイロットの兄ヤンシーとともにイェーガー「ジプシー・デンジャー」に乗ってこれを迎撃するが、戦闘で機体を大破したうえ兄ヤンシーが戦死する。通常、イェーガーはパイロット一人では身体への負担が大きすぎて操縦できないが、ローリーは単独でナイフヘッドを撃破することに成功する。そんな中、世界各国の政府首脳陣は、怪獣の襲撃によってイェーガーが失われるペースが加速し、生産が追いつかないことを問題視しており、イェーガー計画を中断することをPPDCの司令官、スタッカー・ペントコストに告げる。それと同時に、世界各国に巨大防護壁を建造する「命の壁計画」によって、徹底した防御策に出ることを決定した。しかしその壁も怪獣の侵攻の前では全く意味をなさず、人類は滅亡の危機に瀕していた。
2024年、パイロットを辞めて壁の建造に携わっていたローリーの元にペントコストが現れ、戦線復帰し、異世界と繋がる深海の割れ目を破壊する計画に参加するよう求める。ローリーはペントコストとともに香港のPPDCの基地(シャッタードーム)へ向かい、破棄されていたはずのかつての乗機ジプシー・デンジャーと、そして機体の修復やパイロットの選定を担当する研究者・森マコと出会う。マコは研究者でありながら戦闘能力も高く、イェーガーの搭乗者に選ばれてもおかしくないほどだったが、過去のトラウマを知るペントコストから搭乗を止められていた。ローリーはペントコストの反対を押し切って二人で搭乗シミュレーションを行い、マコの不慣れもあって危うく事故を起こしかけるが何とかこれを克服し、マコに搭乗者の資格があることを示す。
2025年1月、香港を、初の2体同時出現にして過去最大級・カテゴリー4の怪獣「オオタチ」と「レザーバック」が襲撃する。司令のペントコストは、残存する4機のイェーガーのうち「チェルノ・アルファ」「クリムゾン・タイフーン」「ストライカー・エウレカ」の3機を出撃させるが、チェルノ・アルファとクリムゾン・タイフーンが破壊され、ストライカー・エウレカもレザーバックの電磁衝撃波で機能停止に陥り、パイロットの1人であるハーク・ハンセンが腕を骨折する怪我を負ってしまう。そこで待機していたローリーとマコがジプシー・デンジャーで出撃し、このコンビでの実戦は初めてながら、怪獣を2体とも撃破することに成功する。
しかし喜ぶ間もなく、巨大なカテゴリー4の怪獣2体「ライジュウ」「スカナー」が割れ目から出現するが、割れ目を防衛するため海底に止まる。ペントコストは、残る2体のイェーガーで割れ目の破壊作戦を決行。負傷したハークの代わりにストライカー・エウレカに乗り込み、ハークの息子のチャックとペアで出撃する。2機が海底の割れ目に到着すると、さらに巨大な初のカテゴリー5となる怪獣「スラターン」も出現。ジプシー・デンジャーはライジュウの撃破に成功するが右腕を破壊される。一方のストライカー・エウレカは損傷し制御不能に陥ってしまったため、ジプシー・デンジャーの道を切り開くため、残る2体を巻き添えに自爆する。
スラターンは自爆攻撃にも耐え再び襲いかかるが、ジプシー・デンジャーはそれを倒し、異世界へと繋がる割れ目へと飛び込む。ゲートを破壊するための核兵器はストライカー・エウレカが使ってしまったため、ローリーたちはジプシー・デンジャーの原子炉を爆発させることにするが、手動で起動しなければならず、ローリーは先にマコを脱出させる。爆発により怪獣を操る「プリカーサー」諸共、ゲートは計画通り破壊され、先に海上へと浮上してきたマコやPPDCの皆が見守る中、ローリーも無事帰還する。
ハリウッド作の超豪華(資金)最高レベルの特撮技術を使ったSF大巨編と思いながら見始めたのだが、最初から違和感があった。いきなり『カイジュウ』と表現されたのだ。
見ていても、「何だ、これって全部日本のアニメのパクリばっかりじゃん」としか思えなかった。
鉄人28号から始まった巨大ロボットアニメは、最初はリモコン(ラジコン)ボックスでの操縦だったが、そのうち中に乗り込む形式になりマジンガーZ(朝鮮人ならテコンVと言ってください;笑)で完結した。そして乗り込むのはガンダムからエヴァへと進化して神経とシンクロして動けるようになった。
このロボット、人間の神経をシンクロさせて動く。違うのは「一人では(人間の神経に)負担が大きすぎるので、左脳と右脳を分けて一人ずつ、二人で操縦すること」ぐらい。新式のものはわからないが、旧式(主人公の乗るタイプ)はまさに『パイルダー・オン!』。
これってオマージュじゃなくてパクリでしょ?
そう思いながら見ていたんだけど、どうやらそういう映画ではないらしい。
この映画は、日本の怪獣映画、特撮もの、巨大ロボットアニメ・・・に深い敬意と憧憬を持った人が作った『怪獣映画ファンの夢を現実にした映画』みたいだ。
上の「書き込み」で絶賛している人たちも、ハリウッドのSF巨編としてではなく、実現した夢の怪獣映画として涙を流さんばかりに感動しているらしい。確かにそう考えれば、まさに「夢の映画」であるのに間違いは無い。
怪獣やロボットだが、アメリカ産なら科学的根拠を盛り込んでもう少しそれらしく創るんだが、それをも無視して怪獣映画らしく作ってある。あのサイズの怪獣が陸を動けるわけないから、普通は海の中だけなのだけどちゃんと陸上にも上がってくるし、ロボットだっていくら動力が原子力だったとしてもあんな形で動けるわけ無い。
しかし製作者はあえてそこは突っ込まず、特撮の稚拙(当時としては素晴らしいのだが)だった頃の怪獣映画を、現代風に最高に近い特撮へと換えてくれた。演技者も、怪獣映画を馬鹿にすることなく真面目に真摯に取り組んでくれている。そう見れば、怪獣映画としては金字塔、記念碑的作品なのではないだろうか。
ポスター見ても、どの国も怪獣映画を楽しんでいるように感じる。またこんな映画を楽しんで作ってくれたらな嬉しいな。
往年の怪獣ファンの方、アメリカ版ゴジラを見て、「あれはゴジラじゃない。巨大なトカゲだ・・」と落胆、軽蔑した人も見て損は無いと思いますよ。
そうそう、エンドロールが始まっても必ず最後まで見てくださいね。