ちょっとピンぼけ/倉敷界隈

日々の記録。見たり、聞いたり、買ったり、食べたり。

今日の見もの(まっ白だ‥。)

2011年03月23日 20時58分43秒 | 見もの

あしたのジョー 最終ページ

私はマンガっ子だ。これ前にも書いたかな。マンガと言っても実は本はあまり読んでいない。サンデーやマガジンに続いてジャンプとチャンピオンが私の子どもの頃に創刊されたんだけど、子どもにとって毎週100円近いお金で週刊誌を買うことなど夢のまた夢であった。せいぜい時々買ってもらって読むか散髪屋の待ち時間に読むかぐらいだった。もちろん単行本など手に入れることすら考えつかなかった。だから見たものの多くは無料で見られるTVだった。当時はTVでも本でも、およそ絵が描いてあるものは全て「マンガ」という括りだった。TVアニメを見ているとよく、「マンガばっかり見ているとバカになるぞ」と叱られたものだ。親たちも全て「マンガ」と表現していた。

そんなことであしたのジョーのマンガ(本)は見てない。このマンガは私たちよりもう少し上、東大安田講堂に立てこもった世代のマンガだ。それでもさすがに最終回のシーンは知っていた。でも正確にあの言葉がわからなかった。私の記憶では、『燃えつきた‥。まっ白だ‥‥。』かなと思ったのだが、正しくはどうなのだろうかと本を調べた。

燃えたよ‥。
まっ白に‥燃えつきた‥。
まっ白な灰に‥‥。

セリフは最後から少し前にあった。ゴングが鳴って、おっちゃんにこうつぶやくように話した。そうか、そうだったのか。これで肩の荷が下りた気がする。私もホッとした。これでいい、これを使おう。燃えつきたよ。

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今日の見もの(睡魔のいる夏)

2011年03月23日 19時10分01秒 | 見もの

倉敷市立図書館で借りた本 佇むひと/筒井康隆

先日のピアノ協奏曲1番を借りに行ったついでに借りてきた本たち。筒井康隆ばかり数冊借りたのだが、その中で気に入った本を紹介しよう。

一番印象に残っているのは左側の佇むひと。20編ばかりの短編ばかりを集めた本で、リリカル短編集と書いてある。一部の話は読んだことがあったので、彼の発表した短編のなかでそのリリカルなる表現にあったものを集めて再編した本なのだろう。興味深い話を書いてみると、

  1. 佇むひと
    小説家の私が公園に散歩に行く。そこには犬柱が立っている。パンを持ってきてやれば良かったなと思った。きっともう少ししたら立派なけん(木へんに犬)の木になるだろう・・。今の時代、ささやかな批判をした人はみんな・・。ぞっとする話
  2. 睡魔のいる夏
    工場を退社した私は空に一片の雲のような煙のようなものを見つけた。あれ何ですかねぇ。さぁ花火でも打ち上げたんじゃないの。仕事あがりのビールを飲んだ私は眠くなってきた。イヤ自分だけではない。友人も同じだ。ベンチに腰掛けている人も・・。いや彼は死んでいる。そうか、いつかこうなると思っていた。そうなったらこの工場は真っ先に・・・。いま読むとよけい怖くなる話。勧めていいかどうか・・。
  3. 母子像
    猿の玩具を買って帰った。何の変哲もない、猿がシンバルを叩くやつだ。ただそれだけ白いやつだった。猿のアルビノだな。7ヶ月になる息子はそれを気に入っていつも持っていた。仕事帰り、買った店を見たら例の猿のオモチャが一斉に無くなっていた。自宅では母と子どもが消えていた・・。不気味なのか恐怖なのか悲しいのか表現しにくいけど、心から消えてくれない話

同じ短編でも星のショートショートとは違い全て小説の体をなしている。子どもの頃はそれがあまり区別できなかったけど、今となっては星のは読む気にならなくなってきた。こちらはひどく読み応えがある。お勧めです。

懲戒の部屋の方は自選ホラー傑作集と言うことで、お勧めは熊の木本線、顔面崩壊、蟹甲癬など。あらすじを書きたいのだが、読む気が残るように書けそうにないので遠慮しておきますわ。

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