確か有名なアニメだよなと思って借りた。内容は知らなかった。
2046年の話。ミカコは中学三年生、ノボルも同じ。一緒に同じ高校に行けるねと言っていたミカコは、私あれに乗るのと空を飛ぶ軌跡を見上げる。
火星で発見された異文明遺跡の調査中、人類は攻撃を受け全滅させられた。それを調査、迎撃するために国連宇宙軍が組織され、ミカコはそのモビルスーツ型ロボットのオペレーターに選抜される。火星へ、木星へと離れていくミカコはノボルにメールを打ち続ける。どんどん遠くなり、メールの着信、送信も1ヶ月、到着は1ヶ月後、6ヵ月後…となっていく。ついに冥王星に至り、そこでの戦闘、ワープしてさらに離れ、ついに相手の集団に…。
ミカコがつぶやく。私はどこ。今どこにいるの。帰りにコンビニでアイスを食べたい。風を感じたい、雨音を聞きたい、濡れたアスファルトの匂いが恋しい…。最後の戦闘のときの声がものすごく切ない。そして最後、ノボルもミカコも同じことを言う。
スカイ・クロラを見た後の心持ちと似たような感情。これが現実なのかうそなのかわからなくなってくる。映画=虚構、映画の2時間=夢の時間 ではないような気がしてくる。現実と虚構が入り混じり、その境目が曖昧模糊としてくる。
最後の言葉、あの言葉は禁じられた遊びのポーレットの「ママ…」と重なる。ひどく心が締め付けられる。
30分ほどのデジタルアニメーションだけど、監督・脚本・演出・作画・美術・編集を殆ど一人で行なったとのこと。絵は少しちゃちと言えなくもない。同人誌のような感じ。しかし当時にこれを自作したとはものすごい才能。「彼女と彼女の猫」と言う第一作(ほしのこえは二作目)も同梱。借りるだけではなく買ってもいい作品と思う。