ちょっとピンぼけ/倉敷界隈

日々の記録。見たり、聞いたり、買ったり、食べたり。

強さ

2007年08月19日 22時45分25秒 | 写真

最近歩いているとよく路上に蝉が仰向けに落ちている。死んでいるときもあればまだ生きているときもある。可哀想に思って裏返してあげるのだが、もう生きていく力はないようだ。7年も地中で生きて気の毒にも思うけど、そう思うのは蝉に失礼なのかも知れない。

家人は「ある年を境にしてぱたっとミンミンゼミがいなくなった」と言う。

毎年あのミーンミーンという鳴き声を聞いていたのに、いまでは全く聞かれない。「田舎に帰っても声が聞こえないの。温暖化のせい?」と言う。

子どもの頃、ニイニイゼミやアブラゼミは捕れても羽の透明な蝉はなかなか捕れなかった。中でも一番でかいクマゼミは高級な蝉であり、それを捕った子どもはみんなから尊敬を受けた。でも今は違う。クマゼミだらけで、倉敷ではミンミンゼミは絶滅危惧種かも知れない。昔は入院しないとバナナが食べられなかったのに今ではポケットの小銭で買えるようになったようなものか。

お祭りの夜、ろうそくを入れた紙コップで蝉が羽化していた。まだ羽は白く柔らかだった。儚いけど自然は強いな。野生は逞しいなと思った。

そう、ミンミンゼミも私の田舎ではまだ鳴いていた。クマゼミのシャンシャン声は暑いだけなのに、ミンミンゼミの声は夏らしく聞こえた。そうやっていつまでも鳴き続けて欲しいと思う。

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