ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

One Flew over the Cuckoo's Nest (98-108)

2006-02-06 01:21:13 | BookClub
McMurphyは朝食の間中冗談を言いまくる。彼は唐突に,Billy Bibbitに「俺達、シアトルでうまくやったよな。」と言う。彼は,Billy Bibbitは『14インチのBilly Club Bibbit』で女の子にモテたんだと話し出す。(もちろん,ウソ) 周りはひやかす。Billyはちょと恥ずかしそうだけど嬉しそう。(ほほ~,クライマックスのあの話の伏線ですな)

McMurphyは,朝食のオレンジジュースや目玉焼きに喜ぶ。しかし,McMurphyは食事が終わっても7時半まで部屋を出られないと聞くと,がっかり。雑誌もカードも何もないので,そりゃもう退屈。彼は時計の針を見て「あの針,的に見えてくるぜ。俺は昔,的撃ちでメダルを取ったんだ。『射撃の名手Murphy(Dead-Eye Murphy)』さ。」

ここで私は,これに目が釘付け。
Dead-Eye Murphy

もちろん?これを思い出したのでした。
Mad-Eye Moody

"Mad-Eye"って,"Dead-Eye"(『射撃の名手』ちゃんと辞書に載ってます)をもじった物だったのでしょうか?

それはともかく‥,McMurphyは「誰か,俺がバターをあそこに乗せられるかどうか,賭けるかい?」そして彼はバターをナイフに取って時計に向かって飛ばす。黒人達はバターが壁に付いている事には気付くが,誰がやったかとは訊かない。そこで,McMurphyはさらに賭けを募り,バターを飛ばす。

食後,McMurphyはカードゲームを楽しむが,音楽のボリュームに耐え切れず,Miss Ratchedに「直訴」。しかしMiss Ratchedは(他のAcuteに聞こえるように)「この音楽は,お年寄りにも聞こえるようにかけているのです。あなたは我儘です。他人の事を考えた事はありますか?」さらにMcMurphyはミーティングルームを使おうと提案するが,Miss Ratchedは人手不足を理由に断る。

(Miss Ratchedって,ホント,会社の嫌な奴(上司とは限らない)を思い出させますね。って言うか,そういう人達のやり方を研究するのには,なかなかよい話です→そういう意味で,この小説は,『Allegorical novel(寓話)』というジャンルに属すると言われるのですね)

ミーティングの時間,Miss Ratchedは昨日に引き続きHardingの話題を取り上げようとするが,その時,ドクターが割り込み。彼はMcMurphyと同じ高校で,‥と話を始める。そして,学園祭?のようなカーニバルの話題を切り出す。

すると,患者達は,まずCheswickから,面白そう‥という反応を示し出す。盛り上がった所でドクターはふと看護婦に気付き,恐る恐る「‥どうでしょうかね?」Miss Ratchedは「それは医学的によい事だとは思いますわ。でも,まずスタッフで考えなくてはなりません。」

そう言って,続きをしようとすると,今度はMcMurphyが手を挙げる。「いや,俺じゃないんだ。ドクターが,あの音楽について何か言いたいってよ。」

「そうだ,忘れる所でした。‥確かに,若い人も年配の人も,皆同じでは快適な環境とは言えないと思うんですよ。McMurphyは,Chronicのお年寄りが音楽がよく聞こえなくて困っているようだから音をおおきくすべきだと言うんですよ。しかし以前若い患者から,会話や読書の邪魔になると言われた事もありました。そこで,古い浴室を使って,娯楽室を2つに分けるのはどうでしょうかね。」

「よい考えだと思います。McMurphyさんがお年寄りに気を遣ってくれた事にも感謝しますが,2つの娯楽室を持つ人手がありません。」「しかし,Chronic達については,騒ぎに備えて介護人1人と看護婦1人で見れば十分でしょう。」

しかしMiss Ratchedはこれには答えず。

「2人の介護人と2人の看護婦で浴室の方を見ればよいのでは? 試しにやってみたらどうでしょう?」

Cheswickが靴下を掴んで「そうだ!」と言う。皆盛り上がる。ドクターは汗一杯。

Chiefは密かに,籠の中をあさっているMiss Ratchedの手が震えている事に気付く。

彼は不意に,今回の戦いはMcMurphyが勝ったが,それは大きな戦争の中の小さな戦い。彼女は決して負ける事はないんだと思った。


Run!Run!Run!