「どっかで見た風景」が気になって(笑)、フォトギャラリーを見てみましたが、それらしい風景は見当たりませんねぇ。また現在のセントポール寺院は、ハリポタのホグワーツのあそこというよりは、指輪物語のミナス・ティリスのあそこですね。
ちなみに、現在のセントポール寺院は、英国教会の総本山ですが、コーベットの時代は、当然カソリック教会でございました。で、Wikipediaの「Old St Paul's」という辺りを見ると、建物も現在の物と違う事がわかります。さらにその辺りを読んで行くと、ヘンリー8世のの時代に例のアレがあり、セントポール寺院も例外でなく、内装や内部の建物の一部が分解されてパーツは他の建物の一部になったり、売られていったと書かれてます。もったいな~~~い! ホントもったいない事してくれたよな、メタボ王め。
ちなみに、現在のセントポール寺院は、英国教会の総本山ですが、コーベットの時代は、当然カソリック教会でございました。で、Wikipediaの「Old St Paul's」という辺りを見ると、建物も現在の物と違う事がわかります。さらにその辺りを読んで行くと、ヘンリー8世のの時代に例のアレがあり、セントポール寺院も例外でなく、内装や内部の建物の一部が分解されてパーツは他の建物の一部になったり、売られていったと書かれてます。もったいな~~~い! ホントもったいない事してくれたよな、メタボ王め。
The Angel of Death (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett) 価格:¥ 1,261(税込) 発売日:1991-12-05 |
ようやく起承転結の転始まりです~。
エッピングの森では,元国王護衛隊から隊長を殺して脱走したロバート・フィッツウォレン率いるならず者部隊が静かに動き始めていました。ビジネス上手なフィッツウォレンは,脱走後,森に住むならず者のリーダーにのし上がり,旅人等から略奪の限りを尽くしています。が,ある時ある僧と知り合ってから,もっと儲かる仕事に足を突っ込んでいます。そのうち免罪符を買うか,社会に復帰しようかと考えているそうです。
彼らはレイトンという村の近くの,キャットホール邸に近づこうとしています。
フィッツウォレンは冷酷な男で,言うことを聞かない部下を,町の警官に引き渡して褒美をもらったりする事もあります。
フィッツウォレンの一派は,屋敷内へ。そこで待っていたのは,心配そうなトマス・バシンガムという執事と彼の奥さん。この家の主人は,どうやら亡くなったド・モンフォールのようです。フィッツウォレンは,彼が亡くなったときいてびっくり。もらえるはずのお金をもらえず,その怒りを,バシンガムとその美しい奥さん,キャサリンに向けます。。。
一方ロンドンで。コーベット,ラナルフ,ハーベイは,揃ってセントポール寺院にお出かけです。(よかった,彼らはまだ?無事だった)コーベットは,聖堂にある,青,赤,金,黒の地に,ライオンや豹のcouchantやpassant,グリフィン,ドラゴン,ワイバンの紋章を見て,何で神に仕える者がそんな勇ましい紋章が必要なんだろうと考えてます。
それにしても,あれ?どっかで見たような風景だねぇ。。。と思ったポタファンの私(笑)
そこへ現れた,僧達の,禁欲とは程遠い,イタチの毛皮で縁取られた服装や,メタボ体型に,理由もなく嫌悪感を感じるコーベットです。
集まってきた僧の前で,コーベットは今回の事件について説明。誰がどうして殺したのかと問いかけます。そこへプランプトン「どうして,王またはお供がワインに毒を入れたのではないと言えるのですか?」しかしコーベットはこれを無視。「もし,司祭が教会法を破って,お祈りの前にワインを飲んでいたら,お祈りが始まるまで持たなかったと思うが,誰か見た方はいますか?」しかし,皆,不服そうに否定。
集まった僧は,口にしまりのない司書ジョン・ド・イヴデン,赤ら顔の医務係ディヴィッド・オブ・エトリック,清廉そうな出納係ロバート・ド・ルース,年若く,ハーベイのような筆だこを持つ秘書スティーヴン・ブラスケット。ほほう,出てきましたね。容疑者リスト。(笑)今までコーベットシリーズは,アクションも結構多く,明確に探偵物という位置付けではなかったような気がしますが,ここで一気に探偵物宣言でしょうか。
コーベットは,5人が事件当時どこに立っていたかと,杯を回した順番を確認。
しかし,何だか涼しげな顔して小馬鹿にしたような態度を取る僧達に苛立つコーベット,つい,今回の事件は1つ間違えれば王を毒殺,すなわち反逆とも取れるし,このような犯罪に対して,最近導入された新しい刑罰の事はわざわざ言う必要もないよね,と彼らにイヤミを言います。boiled aliveって,最初,刑罰の事を指しているとわからず,何の事かいな?って思ってしまいました(^^;)が,いわゆる「釜茹での刑」の事ね。
ドハティさんこの本を書いてて自分で贅沢な坊さん達に苛立って,清貧ドミニク派修道僧のアセルスタンシリーズを始めたのかしら?(笑)
するとここでプランプトンが机を指輪の付いた手でガンガン叩いて,「あんたは私達を脅す権利などない! 我々は王から税を求められた事に対して反対していたがそれは反逆ではない! 我々が彼を洗礼したのだ!」ここでロバート・ド・ルースが,まあまあと入って「この方は,ここで我々の仲間が殺されたとおっしゃっているのだよ。そして犯人は王の命も狙っていたというのだ。」
ここで,エトリックが立ち上がり,ワインとお菓子を持ってきて皆に配り,コーベット,ラナルフ,ハーベイにも勧めます。「これは最高のボルドーで,毒など入ってませんよ。」
コーベットは,1人1人質問する事にしました。
The Angel of Death (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett) 価格:¥ 1,261(税込) 発売日:1991-12-05 |
さて,王様の居室(ってか,執務室ですね)では,書記官達が働いておりましたが,さっと人払い,コーベットとラナルフにはたっぷりのワインがふるまわれます。このシリーズ,どこへ行ってもワインが出てきます。。ドハティ小説でも読まなきゃ(笑),イギリスでワインというイメージはない方も多いと思いますが,ハリポタ6巻でも,どこへ行っても,ワインまたは蜂蜜酒が出てきました。イギリスの古い伝統なのでしょうかね。(現在は,お茶だと思いますけど。。(^^))
王様に操作状況を聞かれ,コーベットは,司祭は毒殺された事,犯人は誰でもなり得る事,王様ですら疑われる(バセットが運んだワインには司祭が飲んだのと同じ毒が混入されていた)事すら率直に話します。
(さりげなく下がるラナルフ。空気読んだっていうか,王様に怒られるのは主人だけで良いと思ったのね(笑))
王様は,コーベットが単に報告だけしに来たのではないとわかってます。「では,何なりと聞いてみよ!」
コーベットの疑問は,何ゆえ王が敵対者であるはずのド・モンフォールにワインを贈ったかという事。すると王様は,実は,ド・モンフォールを買収(+恐喝)しようとしていて,ワインはその一環だったと打ち明けます。
王は,犯人が司祭を殺した理由が個人的な恨みなのか,王とのつながりが理由なのかを知りたいんですね。
確かに,元々王様は,教会からの多額の寄付を期待していたわけですから,誰かが司祭が買収された事を知って彼を殺したとすれば,大変な事です。これを聞いたコーベット,犯人は,王の転覆をも狙っていると確信します。コーベットは,王様にちゃんと情報は提供するよう進言しますが,そこはタヌキ王(笑)全てを話したと言い,会見終了。仕事がうまく行けば,ウェールズの婚約者ミーヴと会って良いぞ,と,暗に失敗したら後はない事をほのめかします。(こわっ)
その後,コーベットはオフィスで過ごして,ラナルフと飲みにお出掛け。そんな彼を暗闇で誰かが狙ってます。。。
The Angel of Death (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett) 価格:¥ 1,261(税込) 発売日:1991-12-05 |
ここで,改めて表紙絵を見ると,教会と思われる建物内に,3人の僧が並んでますが,清貧を重んじるドミニク派修道僧アセルスタンとはエライ違いカラフルでぜいたくな装束。1人は聖杯を持ってます。その後ろに信者というか,一般人が3~4人。これまたアセルスタンの檀家のような貧乏人ではなく,騎士か貴族階級っぽい。そして,僧達と壁を隔てた所に,剣を持った厳しい面持ちの天使がいます。
翌日。そう言えば,コーベットの部屋について聞くのは久しぶり。以前のようなアパートの屋根裏だったっけな,な所ではなく,もう少しまともな所のようです。(笑)シンプルだけど,仕事がはかどり,暖かそうな部屋。前日,彼は,食いしん坊のラナルフを無理やり引っ張って帰ってきたようです。まあ,当時は,王様なんていつ暗殺されても不思議じゃありませんので,王の宴はとても危険な物だったようです。
コーベットは,さっさとラナルフを追い出します。せっかくきれいな家に吐き散らかされるのがイヤなんだって。(笑)
コーベットは,少しきれいになったラナルフと一緒にお出掛け。2人は,かつてラナルフが自らの処刑を待っていたニューゲイト監獄の前を通ります。城壁の外はゴミの穴(汗)犬猫の死骸に交じって,赤ん坊を見てしまった(ひぇ~;)ラナルフ。
彼らは,スミスフィールドからバーソロミュー病院へやってきました。
コーベットの目的は,オックスフォードの学生時代(何気にオックスフォードがそれほど古い大学と自慢?(^^;))からの知り合いで薬とハーブの専門家のトマス神父。
トマス神父は,ラナルフにも礼儀正しく挨拶。この病院では,医師が必ずしも病を治す事はできないけれど,少なくても,修道僧達が,死を安らかな物にする事ができる,と,コーベットは信じてます。
コーベットは,ベラドンナやキツネノテブクロのような毒草について,トマス神父から情報をゲット。コーベットの良き理解者であるトマス神父は,コーベットの最近の出世や身の上が心配な様子です。
会合が終わり,帰りにまたニューゲイト監獄を通ると,王座裁判所に向かう手枷足枷でくくられた罪人の列。何人かは幼い少年少女で,靴も履かせてもらえず,冷たい氷と汚れのついた地面で足を傷つけられながら泣く泣く歩く姿が痛々しいです。その他,連れてこられた娼婦など,いろいろ。。
コーベットは,赤ん坊と見せかけた猫を抱いたいわゆる「プロ」の乞食を,かつてフランス系の貴婦人だったかもと勘違いして銀貨を与えてしまいました。そんなコーベットを全く理解できないラナルフ。
次に,彼らはウェストミンスター宮殿にやってきます。ここはコーベットの職場。彼は自分の通常の業務は楽しんでいるようです。彼は常駐で王様のスパイなのかと思いきや,今まで数回(つまり本になった分ね(笑))位しかやってないそうです。王の仕事は,危険も伴うし,失敗すればあっさり忘れられるだけ(いわゆるミッションインポッシブルか,必殺仕事人状態ですな)。彼を心配してくれるのは,婚約者のミーヴだけでしょう。そのミーヴと最後に会ったのも昨年秋だそうです。
その時ある人物がコーベットを呼び止めます。
He carried a white wand of office which marked him as a Steward of the Great Hall.
まあ,昼食後ちょっととろ~んとしていた私,この文章でしゃきっと(爆)起きましたわ。前から気になってましたが,このシリーズ,何かとLOTRを思い出させるんですよね。「ウェールズのエオウィン」の次は執政様ですかっ。
でも,残念ながら,良い人ではなさそうで。。
王座裁判所の近くで剣を持っていたかどで逮捕に来た,いわゆる権力を傘に着た豚顔男。。。
しかし,コーベットは逆ギレ(^^;)。奴の名前,エドムンド・ド・ノックルを聞き出すや否や,肩を掴んで自分が何者か言い聞かせ,知ってるくせに,わざと王様の部屋に案内させます。
The Angel of Death (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett) 価格:¥ 1,261(税込) 発売日:1991-12-05 |
本は薄いと思ったのですが,内容が濃くて,なかなか進みませんねぇ。。まだ44ページ目です。
ここで,話の筋には関係ないけど,encroachという単語を発見。侵入するという意味だそうですが,同義語?(爆) しかし例文が,
Roaches will encroach wherever there is food.
だったり。。。
コーベットは,一旦,セントポール寺院の外に出ます。メジャーな教会なのに,悪魔が出そうな恐ろしい場所のようです。元々はローマ時代の古い寺院の上に建てられたそうですが,本当に神聖な場所なのかと,怪しむほどなのだそう。
その時,物音がしてコーベットはびっくり。どうやら司教が殺された時に出てきた「anchorite」のよう。あの時,てっきり犯人が犯行声明を出したのかと思ったのですが。。コーベットは,おそるおそるナイフを取り出しますが,手を掴まれパニック。「お前は神から来た者か悪魔から来た者か。」と見えない相手に聞かれ,慌てて「神!神!」なへたれコーベット(笑) 離さないと刺すぞと脅したつもりが「さっき落とした音を聞いた」しかし,彼はコーベットを傷つける気はない事がわかりました。
声の主はトマスと名乗ります。
anchoriteという言葉,どうも辞書を見ただけでは,全然意味がわかりません。Wikipediaで。宗教的な理由により,世を捨て,禁欲の信仰生活を送っている人達の事のようです。女性もいるそうです。こういう人(人達?)が,セントポール寺院に住み着いているんですね。世捨て修行者,とでも言ったら良いのでしょうかね?
コーベットは,トマスの姿を見ようとしますが,隙間の光で遮られ,見る事ができません。
コーベットは,司教が「亡くなった」と言いますが,トマスははっきりと「殺された」。彼は,売春婦を見たかとコーベットに言います。そうか,前の章の女性は,モンフォールの「Mistress」でしたか(笑)
ふとコーベットはトマスを信頼する気になり,王がモンフォールの死のバックグラウンドにある物を調べよと命じた事を打ち明けます。トマスは笑い飛ばしますが,この教会の中に犯人がいると示唆する発言。
「世捨て人」と別れた後,コーベットは状況のまとめ。司教は倒れる寸前まで健康そうだったので,毒を盛られたのは,その直前しかない,という結論に達します。
The Angel of Death (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett) 価格:¥ 1,261(税込) 発売日:1991-12-05 |
コーベットは,祭壇を調べます。聖杯を手に取り,においを嗅いでみると,‥どうも,毒っぽい感じがしません。何となく,前回読んだアセルスタンシリーズの本と似たような展開? と,その時突然,大司教ウィンチェルシーが現れ,「神への冒涜だ!」あわや破門?!の押し問答になったその時,助け舟を出したのは,プランプトンでした。
プランプトンは,コーベットが手に取ったカップがモンフォールの物だと教えてくれました。しかし,中身を捨てて,「このカップには毒はありません。私が儀式の前に毒味をしました。皆さんも飲みました。もし毒があればすぐわかるでしょう。あなたは既にご存知ですよね。」
コーベットは,助けてもらったお礼を言いますが,王命により,祭壇はそのままにするように言います。プランプトンは,王様の為に宴を用意していると伝えます。(こんな時に宴とは,日本人とは感覚が全然違うんですね。。。)
その宴で,王様はコーベットに傍で食すよう言いますが,コーベットは,少し離れて食事を取り,噂等に耳を傾けてくる事にします。(実は彼はプランプトンを疑っています)
コーベットは,ラナルフは,おそらく台所でおいしい料理にありついていると思ってます。バセットについては,こういう若いバナレット騎士は,そのうち「大公のご意志が法である。」なんて平気で言う(現に言ってるし(笑))恐ろしい奴になるんだろうな,と,思ってます。
王様は,年を取るにつれ,そのようなメンバーばかりに囲まれ,かつては持っていた多少の寛大さを,もう失いつつあります。コーベットは,そんな王様に仕えていて本当に良いのか?と,時々思っているようです。
コーベットは,バセットが,お祈りの時に聖杯からワインを飲むよう説明していたのを思い出しますが,誰がイングランド王を殺したいと思っているか,それは,フランス王から,ミーヴの実家ウェールズからスコットランドから,とにかく,一杯です。(笑)
それはよいとして,毎度お馴染みになった,中世のすさまじい宴の献立。(爆)焼いたマガモ,コガモ,アーモンドミルクで煮た小鳥,シロップでローストした去勢鶏,ロースト仔牛に豚,鷺,皮を剥いて焼いたハリネズミ(どうしてハリネズミってわかる?(爆)),兎,鶴,鶉,鹿の水煮?。。。いや~現代も普通に食べられる物ももちろんたくさんありそうですけど,1度は食してみたい? 中世の食卓(^^;)
さて,コーベットは,プランプトンとお話しながら,探りを入れる事にしました。セントポールの修道士は,近くのどっかの修道院の修道士と違って(^^;),貧困を知らず,リッチな模様。もっとも,あの宗派は,私の記憶が確かならば13世紀の後半に開かれたんだっけな? この時代,あの修道院は存在していたのでしょうかね?
コーベットは,「誰がモンフォールが死んで欲しいと思いますかね?」という質問をぶつけてみます。するとプランプトン,嬉しそうに「私ですね」 え? 彼をお嫌いで? 「ええそう。変な人でね,彼のポストは好きですよ,修道院長のね。本来私に回るべきポストだったんですよ。」 はあ?
プランプトンは,修道院にはいろいろなポストがあると説明します。
主教,修道院長,出納係,聖具保管,施物分配係,図書館係,そして召使達,猟犬係?(え?修道院で?),洗い係,メッセンジャー,服飾係。。。
コーベットは,プランプトンから,お祈りの前にバセットが王からの贈り物として,最高のボルドーワインを運んで来たという情報をゲットします。さらに彼は,おかしなにおいのするワインをコーベットに渡します。
う~~ん,Pumpkinじゃなくて(爆)プランプトン(何かスペル似てるんだよ(笑)),王様のせいだと言いたいんでしょうか。。
The Angel of Death (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett) 価格:¥ 1,261(税込) 発売日:1991-12-05 |
講堂に戻り他のお偉いさんの様子をチェックしていたコーベットは,派手ないでたちの女性を発見。彼女は「モンフォールは死んだの?」と聞くと,すかさず遺体安置所へ。コーベットは,何故この婦人がモンフォールに関心を示すのか,気になります。
ところで女性が身に着けていたダマスク織のガウンのダマスクとは,シリアのダマスカスで作られていた織物だったのでこの名が付いたそうです。リンク先のWikipedia見ると,美しい模様ですねぇ。アセルスタンシリーズ等では,シリアという地名は良く出て来ます。(十字軍関係)この時代は,現代の日本で考えるより,中東の国々はぐんと身近だったのでしょうねぇ。
そういえば,以前アフガニスタン関係の本を読んでいた時,ペルシャの文化等を調べていて,古代ペルシャの絵画等は,意外と日本画にも似ているのでびっくりというより,ホントに古代日本はペルシャとつながっていたんだなあと改めて感じた事がありますが,ダマスク模様も,そんな遠い国の物のような気がしません。古代の人達の貿易力は侮れないですね。
コーベットは,現場近くでワインの染みを発見。ここで立て続けに知らない言葉が。。sendal,samite,sarcanet。祭壇を覆っていた豪華な布の事ですので,全て織物系の言葉ですが,あ,こらsandalじゃないぞsendalだよWikipedia君!(爆)(ここはセントポール寺院だから,キリストが立っていた所の石のかけらとか,マリアのベールの切れ端とかがあるんじゃないかな,と書いてある(ホントか(^^;)?))
次に,たたみかけるように,怒涛のカソリック教会用語。cruet(ワイン入れ),paten(聖餅を乗せる皿),monstrance(聖体顕示台),thurible(香炉),しばし,話そっちのけで調べまくりました。(笑)(最初、cruetをcruel、monstranceをmonstrousと読み間違えて、全然別の意味に取ったのは、ナイショです)
コーベットは,これらの神聖な調度品も調査します。宗教的マナー的には,当然触っちゃいけない物ですが,自称ちゃんと神学は勉強したぞ(笑)のコーベットは,それは心がけの問題だと解釈して,お祈りしながら捜査を続けます。
すると次にAgnus Deiという言葉っ。(ホント,ストーリーはそっちのけ(笑))Wikipediaで調べると,Lamb of God(神の子羊=キリストの事)の意味。あっ,前に読んだ本で出てきたIra Deiはラテン語!神の怒り(The Anger of God)という意味だったのね。そんな大事な事,今頃気付く私。(^^;)ドハティ小説読むには,ラテン語の知識が必要かもしれませんねっ。
ついでに、Agnus Dei、Ira Dei、‥ラテン語って、形容詞が名詞の後ろに出てくるんですかね? それって、ヘブライ語も一緒だわ。古い言葉の共通点?
そんなこんなで,すっかり,あれっ,お話何だっけ? になってしまいました(爆)‥ていうか、1時間費やして、たったの3ページしか進みませんでした。(汗)
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(1)
久しぶりのコーベットで,時代背景などをすっかり忘れた(笑)ので,復習がてら,眺めていきます~。
1章は,プロローグですね。
前半は,スコットランドの王権争いの末,エドワード1世に都合の良い人物として選ばれた(はずの)ジョン・ベイリオルと,エドワードとの戦い,とりわけ,ベリックという町でのすさまじい蛮行の様子が描かれております。それはもう,口にするのもはばかる位の酷さで,エドワード自身も自らの行いを悔いて,苦しんだとか。(だったらやるなよ~(汗))
数週間後のロンドン,弟一家をその虐殺で失い,王様に憎しみを募らせる1人の男がおりました。
(2)
王様は,セントポール大寺院にお祈りにお出ましです。
前回も出てきた狡猾なウィンチェルシー大司教や,頭からっぽの弟君達(爆)等に囲まれ,今や王様が信頼できる唯一の人物となったコーベット,王様は軍資金調達の為に,どうやって教会からお金を巻き上げるか(笑)模索中で,書記官コーベットは,そのツッコミ(笑)のための法的根拠等を調査する,というお仕事をしています。
しかし,セントポールの司教は,かつてイングランド王家にたてついた反逆者サイモン・ド・モンフォールと同じ家系のウォルター・ド・モンフォール。王様にとっては扱いにくい奴(笑)です。
ところが,その司教,お祈りの最中突然倒れてしまいます。しかも階段から転げ落ち,あっと言う間に絶命。。。の模様。さらに,大胆にも部屋の反対側から突然手が出てきて犯行声明。
(目の前で殺人があったのに,「税の値上げはどうなるのじゃ?!」とお金が気になる王様(汗))
王様は,コーベットと,サリー公ジョン・ド・ウォレンを伴い,隣のチャペルへ。実はここには、アセルスタンの教会の名前にもなっている7世紀ロンドンの大司教エルコンウォルドが埋葬されているのだそうです。
まずは,本当にセントポールの司教が亡くなったのかどうか,王様の命令で調査に走るコーベットです。
(3)
講堂に戻ってきたコーベットは,フィリップ・プランプトンという,セントポール寺院の修道僧に出会います。
若い僧達がモンフォール司教の遺体を整え安置する作業の様子を見ていたプランプトンのセリフに,今度はボナベンチャーという名前が出てきたので,おやっ(^^;)と思いましたが,実は13世紀のイタリアで活躍した神学者なんですね。この時代の直前の事ですので,感覚的には同時代の人でしょう。それにしても,アセルスタンシリーズに出てくる名前に一気に2つも出会うとは!
コーベットは,この神聖な場所でのこの事件,きっと王様に調査を命じられる,と,確信して,思わず震えが来ます。で,やっぱり?司教は,自然死ではなく,毒殺されたとわかります。
ところで,コーベットはミーヴと婚約したそうです。よかったね。
しかし,ミーヴの伯父は相変わらず危ない動きをしているようで,彼女の人生も楽じゃありません。
チャペルでは王様とサリー公がお待ちかね。(王様,エルコンウォルドの墓によっかかってます(笑))
コーベットは司祭が口にした聖杯があやしいと思ってます。サリー公はコーベットが簡単に発言するのを嫌いますが,王様は自分が狙われた可能性もあると認識。彼に聖杯と講堂の捜査を許可します。