ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

The Joy Luck Club:Feathers from a Thousand Li Away

2013-04-17 00:42:26 | BookClub
The Joy Luck ClubThe Joy Luck Club
価格:¥ 1,639(税込)
発売日:2006-09-21


とりあえず始めましょう。
この本は、中国からアメリカに渡った移民の1世の母4人と、その娘達4人が語る本だそうです。まずは上海から白鳥(本当はアヒルでないか?)を連れてアメリカに渡った、Suyuan Wooさんとその娘Jing-mei Wooさんのお話です。

何千里の彼方から運んだ羽根

年老いた母は、昔白鳥をばか高い値段買った事を思い出す。市場の売り手は、コイツは雛の頃、アヒルになりたいと一生懸命首を伸ばしていた奴なんだ、しかし今じゃきれいになりすぎて、食うにはもったいない!

彼女は白鳥と一緒に出航した。首をアメリカに向けて伸ばす。「アメリカに着いたら、私にそっくりな娘を生むんだ。しかし旦那のゲップで価値を計るような事はさせない。誰にも娘をバカにさせない。娘は完璧なアメリカ英語しか話さないようにするからさ。そしてお腹一杯過ぎて悲しみを飲む暇もないようにするんだ。この白鳥をあげればきっとわかるはず」

しかし、新しい国に着いた時、白鳥は連れ去られた。思い出に、羽根を1枚だけ手渡された。だから彼女は何故ここに来たのか、何を残してきたのかを自分で書く羽目になった。
やがて彼女は年を取り、娘は英語しか話さず、悲しみよりコカコーラを飲めるようになった。母はいつか白鳥の羽根を娘に渡して、こう言いたかった。この羽根は何でもないけど、遠くから私の想いを運んできたんだよ、母は、娘にそれを伝えるために、完璧なアメリカ英語を話せるようになるまで待っていた。。。



The Confession of Brother Athelstan:感想

2013-04-10 22:31:19 | Athelstan・Doherty
The Confession of Brother Athelstan (A short story) (The Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)The Confession of Brother Athelstan (A short story) (The Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)
価格:(税込)
発売日:2013-02-04


ドハティさんが、まだアセルスタンとクランストンのキャラクタも確立されてない時代に書いて置いといた話、という事で、アセルスタンの檀家さんも、見知らぬ人がいたり(笑)、知らない居酒屋があったり、いつもとはちょっと違う趣で楽しめました。でも、やっぱり、本格推理小説というよりは、時代考証を楽しむシリーズね。(^^;)

タイトルをそのまま訳すと「ブラザー・アセルスタンの懺悔」なんですが、何が懺悔だったのでしょう?(^^;) やっぱり、未亡人への片思い? そういえば、本編では、見ていて明らかではあるものの(笑)、はっきりそうだとは言ってませんでしたよね。ベネディクタが傍に来てドキドキだとか。そういう意味では、やっぱり、「懺悔」だったのでしょうか。

クランストンとの関係は、まだかなりマジメですね(笑) でも本編でも、3巻辺りまでは、まだまだぎこちない関係でしたね。

まだまだドハティさんには、ずっとお元気で、中世のイギリスを生き生きと書いていてほしいなあ、と、改めて思ったのでした!


The Confession of Brother Athelstan(5)

2013-04-09 23:36:11 | Athelstan・Doherty
The Confession of Brother Athelstan (A short story) (The Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)The Confession of Brother Athelstan (A short story) (The Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)
価格:(税込)
発売日:2013-02-04


最初の方を読み返してみてると、こんな話がありました。
クランストンが,アセルスタンと仕事をするのを不思議がった時,アセルスタンは,聖書に書かれているカインの話が最初のミステリーだし,ヨハネの福音書でキリストがユダヤ人と議論の末,悪魔は最初から暗殺者だったと結論付けた,(だから不思議じゃないよ)と言っていたんですね。

…さて、ドハティ小説のお約束(笑)で,もう犯人は登場しているはずですがね…(笑)

何かを言うとねじまげられると慌てるユースタスを無視して、クランストンはジャイルズから話を聞きます。すると,従者同士は,主人達がつき合いをしている間,食べ物や宿を調達する為に動いているので,お互い顔見知りだと説明。特にこの2人は長い付き合いだそう。

ユースタスは必死でジャイルズを止めようとしますが,ジャイルズはユースタスは賭事が好きでお金が必要だったと喋ります。そしてトーナメントも対象でした。しかし何故かル・マルシェが勝つ方に賭けたユースタス。

「君は自分の主人が負けると思っていたのか」とル・マルシェ。「そうです,そうです。主人はレディ・イサベラにぞっこんでしたから,頭が全然回ってねぇ。しかし賄賂はありませんぜ。陰謀もありません。」

クランストン「王の検察官は,君達が力を合わせて企んだと見るかもしれんな。ほんのいたずらのつもりでな。ジャイルズ君は槍を尖らせ,ユースタス君は馬の足を傷つける。しかしそんな大それた事を考えてなかったとしても,証明されればタイバーンで縛り首になるぞ」

2人はうなだれますが,殺しはしていない,と,きっぱり。

しかしクランストンは「この犯行は複数で行われたという疑いは消えておらんぞ。我々は一旦出る。戻ってくるまでに何も見つからなければ,2人はニューゲイト監獄に言ってもらう。ランカスター卿が同意すればロンドン塔にしよう。ロバート卿は王家の家来なので,反逆罪にも値するぞ。」

と言って,一旦テントを後に。アセルスタン「本当にあの2人が共謀したと思っているの?」「もちろん可能性はある。ル・マルシェとジャイルズの間には好意がなく,ユースタスはばくち好きだ。良い検察官なら有罪にできるだろう」

ここから少しペースアップします~。

2人は,ウッドヴィルの甲冑と槍をチェックしにGo。

サドルには異常なし。
次にクランストン,ウッドヴィルの兜を着用。すると,アセルスタン,騎士達は槍をどうやって持つのかに興味を示します。

「以前は自分で槍を持っていたが,最近は胸当てに槍当てが付いていて,そこに挟んでいる。ウッドヴィルのは,…戦いで壊れたかな」

槍当てを観察していたアセルスタン,何かに気づきます。

鎧係が呼ばれます。トーナメントがキャンセルになり,どっかに飲みに行って酔っぱらった感じ(笑)でしたが,しっかりとした手つきで槍当てをはずしました。

アセルスタン,胸当てをじっくり見て,犯人をプロファイル。そして,クランストンに説明開始(ここ,いつもドハティさんは秘密なんだよな(笑))

アセルスタンは,さらにクランストンの部下を,ウッドヴィルの馬の脇に,ナイフを持って立たせてある事を検証。

そしていよいよ,ジャイルズ,ユースタス,ル・マルシェ,リオンズ卿を,舞い降りる鷲の一室に集めます。





いつものように,事件解決については書きません。
最後に,ベネディクタと話をしていた若い騎士について,だけ。彼はクランストンのお友達で,ベネディクタとお話するようにお願いしてあったのだそうです。(いたずらか?(笑))


The Confession of Brother Athelstan(4)

2013-04-07 22:41:21 | Athelstan・Doherty
The Confession of Brother Athelstan (A short story) (The Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)The Confession of Brother Athelstan (A short story) (The Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)
価格:(税込)
発売日:2013-02-04


クランストン,ここで耐えきれずテントの端のテーブル上のワインを発見。ル・マルシェもカップを取り,「喉渇きましたか,どうぞ」

クランストンは幸せそうに飲み終わると「さて,ここにいるのは,相手を大嫌いなライバルの騎士,主人同士の争いだけでなく,美しいイサベラも争う。そして,主人をあまり好きでない従者ジャイルズ,そして,槍は朝マイケル卿によってチェックされたが君は全くタッチせずに試合に臨んだわけだ。」

ル・マルシェもワインを一気に飲み「そうです。検視官殿を含め誰もが私がウッドヴィルの死に責任があり,王のベンチで証拠を挙げ,戦いの場で示すべきと思っている。そしてあなたは」とアセルスタンの方を見て「好きな事を仰って結構です。あなたのような人間には慣れてますよ」と従者の方を見て「でも,繰り返しますが,私はウッドヴィルを殺してはいません」

「しかし誰かが殺した!」と,その時,Michael卿がつかつかと入ってきた。
「人々は,ウッドヴィルが馬を制御できなくなったのを見ている。槍が滑り,盾が落ちた。わしは馬を調べてきた所だが,後ろ足に傷があった!」

ル・マルシェ「では馬が彼を揺すったと」
「そうだ。そしてウッドヴィルの従者のユースタスが怪しいぞ。2番目のトランペットの時,奴はウッドヴィルの馬の手綱を持っていたはずだ。ナイフを隠し持ち,馬を集めた時に後ろに回って切ったのだ。今奴は外にいる。何も知らぬと言っているがの。」

アセルスタンはクランストンの表情から,同意してないのを悟ります。が,クランストン「ユースタスを連れてこい!」ユースタスはかわいそうに,2人の男に両脇を掴まれあがいていました。クランストンはカップを差し出して「飲め。落ち着け。お前にかけられている容疑にはまだ何の証拠もないぞ。

「証拠はあるぞ!外に来てみろ!」とお触れ役。
アセルスタンは密かに,クランストンは獲物は決して逃がさないんだよなあと思いながらついて行く。

そこには不運な馬がいました。ユースタスが支えるべき左側に,明らかに故意につけた傷がありました。

再びテントに戻るとクランストン「オリバー君,君はウッドヴィルを知っていたか?」「何度も言った通り。」「彼は槍試合は上手だったか?」「はい,おそらくこの国で1番」「では今日は勝てると思ったか?」

ル・マルシェはこの質問にそっぽ。
「正直に答えなさい!騎士として,今日の試合に勝てると思っていたか?」ル・マルシェ首を振る。ゆっくりと「いいえ,負けると思っていました。」
「もし馬が怪我をしていたら,彼は気付いたか?」
「さあね。ロバートさんは馬の扱いもうまかった。実戦では矢が飛んできたり,火のついたトーチが向かってきたり,待ち伏せしていた輩がいきなり飛び出したり,騎士はいろいろな危険と向き合わなくてはならないんですよ。馬は手で操作するのでなく膝でやるんですよ。もし馬が怪我をしてもロバートさんなら制御できたはずですよ。」

そこでマイケル卿割り込む「しかし予想できなかった時はどうなんだね?」恐怖でわけのわからない事を口走り始めたユースタスを指さす「あいつはロバート君が集中力をなくした瞬間に馬を傷付ける事ができたのだぞ」
クランストンは急に"What do you think, Brother?"とアセルスタンに話を振る(え~、これはもちろん『君はどう思う?』なんですけど、その時アセルスタンはベネディクタとモードがまだ若い騎士達と楽しんでいるのかなと考えてたwので、うまく訳せない(笑))

しかしアセルスタンはもうこれ以上ここにいるのは良くない,と,近くの舞い降りる鷲という居酒屋に移動する事を提案。
その時すでに若い騎士はさらにベネディクタに近づいていました(笑)ますますベネディクタに近づく騎士を見て,アセルスタン,思わず自分を聖職者としての戒めで縛り付けます。(笑)

アセルスタンは,馬を足であやつれるって本当?と確認。クランストン,ル・マルシェの言う事は正しいと認めます。優れた乗り手なら,たとえ馬がけがをしてもなだめられるだろう。すると,なぜウッドヴィルの馬があれほど興奮したのかという疑問が残ります。

クランストンは「ウッドヴィルほどの騎士なら,立て直してル・マルシェの攻撃をかわす事ができたはずだ。他に何かあるな」と言うと,もう1度テントに戻ります。そして既に縛られていたユースタスに「主人に何か恨みを持っていたか?」と尋ねます。

ユースタスは否定。するとクランストンはジャイルズとユースタス、2人に「君達は知り合いか?」すると2人は困った様子。「これは双方のサイドに犯人がいる事になるんだよ。一方は槍を尖らせ,一方は馬を傷つける」


The Confession of Brother Athelstan(3)

2013-04-07 12:56:14 | Athelstan・Doherty
The Confession of Brother Athelstan (A short story) (The Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)The Confession of Brother Athelstan (A short story) (The Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)
価格:(税込)
発売日:2013-02-04

短いと思ったら,結構長いですw

クランストンの冷やかしに対応するにはちょっと疲れたアセルスタン,トーナメント会場を眺めると,既に観客は去り,テントの周りに武装兵が立っているだけ。ベネディクタを正視できない,恋する修道士アセルスタン(笑)

テントでル・マルシェと面会。血のような赤毛の彼はかなり若いですが,戦う人とは思えない落ち着いた物腰。彼の後ろには,押し黙って武器の手入れをしている若い従者がいます。彼の名はジャイルズ・レ・ストレンジ。どうやら直前に相当怒られた感じ。

ル・マルシェは2人を見るなり「その体型とワインの息は,クランストンさんですね。そして,忠実なブラザー・アセルスタン。率直に行きましょう。私はウッドヴィルを殺していません。槍がに金属の先端が付けられていたのは知りませんでした。おわかりと思いますが,穂先を付けるのは誰にでもできます。」

レ・ストレンジ(Le Strange)。。おおお,ポタマニアにはおなじみのLestrangeってここから来たんだ。本当にある名字なんだ。

クランストン「説明してもらえますか」
ル・マルシェ「最初の一戦で槍が壊れたのでここへ戻り,従者から次の槍を受け取りました。尖っているのは知りませんでした。皆丸めてあると思ってました。私の責任ではありませんよ。」
「では誰の責任ですか?」
「ウッドヴィルに聞いてみれば(苦笑)。覚えているのは,彼に向かって馬を走らせ,槍を低く構えた時に…」
「どうしたのですか?」
「ウッドヴィルが鞍の上でよろけたように見えたんですよね。盾が落ち,槍が傾いてました。その時には私はもう止まる事ができなかったんですよ。…盾を狙っていたのですが、それが落ちてしまったので,もろに胸を突いてしまったのです。」

彼はアセルスタンに慈悲を乞うような目をして見た。

「…奇跡が起きて欲しいと思いました。ちょっとのアザで済んで欲しかった。私も皆と同じように辛いのです。」

アセルスタン「あなたが槍を構えた時,穂先に金属は見えたのではないですか?」
クランストン「ないない」
ル・マルシェ,ちょっと笑って「私は兜を被り面頬を降ろしていました。それと馬上槍試合の基本です。自分の槍を決して見てはならない,相手を見ろ,です。」

アセルスタン「ウッドヴィルは好きでしたか」
「いいえ」
「どうして?」
「あいつはジョン・オブ・ゴーントの党の輩です。私は弟君のトマス・グロスター公爵の家来です。ご兄弟の間には情はありません。家来衆も同様です。私は忠義の男です。トマス様が嫌いなものは私も嫌いです。ゴーントも,ウッドヴィルも。」

アセルスタン「女性の事でも何かあるのでは」
「そうです。私はレディ・イサベラに結婚を申し込んでいました。しかしゴーントは,彼女は王室の保護下にあるという理由で拒絶,ウッドヴィルも結婚を申し込んでいます。彼女は公正な女性です。」
クランストン「さらに魅力的な土地も持っていたという事だね」
「そうです。ウッドヴィルは求婚者でライバルです。決闘で殺す事もできましょう。しかしトーナメントで殺す事はありません。」
アセルスタン「賞金は欲しかったですか?」
「もちろんです。…しかし反則により私は有罪にされようとしています。その名誉も剥奪されてしまいました」

クランストンはジャイルズに,槍を確認したかどうか訪ねます。ジャイルズは気難しそうな,色白だが鋭い目をした少年だ。しかし彼は身長の2倍もある槍の穂先を,いちいち確かめる事などできない,と,不機嫌そうに答えます。

するとル・マルシェは「この子は私も,トーナメントも嫌いなんですよ。僧侶になりたんです。戦士には向かないと。」
アセルスタン「それは本当なの? ジャイルズ」確かに彼は,血みどろの戦地で働くより,勉強したり祈ったりする方が似合いそうです。
「そうです。私はには使命があると思います。しかしオリバー・ル・マルシェ様の元で働く契約も結んでいます。お勤めが終わったら故郷へ帰り,枢機卿に拝謁して,僧侶のお役目を賜ろうと思っています」

アセルスタン「君は主人が嫌いで,名誉を傷つけるために槍の穂先を付け換えたと疑われるかもしれない。いずれにせよ,あなた方お2人は槍に触っています。あるいは,オリバー殿,あなたがウッドヴィルを嫌ってイサベラ嬢と結婚するために殺したと疑う人もいるでしょう。あるいは2人で企んだと言う人もいるかもしれません。」

するとジャイルズ「主人はバナレット騎士です。確かに,お仕えする事は好きではありませんが,バナレット騎士と,そして聖職の道を歩もうとしている私がどうしてそのような恐ろしい事をするでしょうか?!」


The Confession of Brother Athelstan(2)

2013-04-07 09:36:38 | Athelstan・Doherty
The Confession of Brother Athelstan (A short story) (The Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)The Confession of Brother Athelstan (A short story) (The Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)
価格:(税込)
発売日:2013-02-04

騎士は槍を下ろして,王とリオンズ家の令嬢に挨拶。そしてスタート位置へ。
禿頭のお触れ役が,トーナメントの開催を大声で告げます。
「トーナメントの名誉と騎士道を汚す者は,武器を取り上げ,盾を逆さまにして泥をつけ,会場から退場を命じる!」
クランストン「彼はマイケル・リオンズ卿だ。偉大な美女の父君だ。娘を2人の偉大な騎士の"the object of desire"にして楽しんでいるんだ」と説明。
若き王が合図の手を上げると,競技開始。げっぷをするクランストンに恥ずかしがる夫人(笑)いよいよ,2人の騎士は中央に登場。

そしてお互いに交差して駆け抜けます。すると従者達が新しい槍を取り出し,軍馬達はすっかり興奮しきり。ベネディクタにしっかり腕を掴まれて,アセルスタンは超有頂天。

2人の騎士を乗せた蹄が不吉な戦の音を醸します。

その時アセルスタンは人々が叫ぶのを聞きます。ウッドヴィルが酔っぱらいのようにふらふらしていて,槍が落ちそうになっています。しかしル・マルシェはすぐに迫ってきました。ウッドヴィルは防御しようとしたが間に合わず,ル・マルシェの槍に飛ばされ,まるでパチンコに当たった鳥のように地面に落ちてしまいます。彼の鎧が血と泥にまみれていました。彼の兜についていた羽根飾りが雪のように舞っていました。

ル・マルシェが戻ってきました。皆は慌てて駆け寄ります。リオンズ卿が「死んでる!ウッドヴィル卿が死んでる!」と観衆からヤジ。リオンズ卿がル・マルシェに「あなたの槍は尖ってます!」と言うとますますヤジが大きくなります。

ジョン・オブ・ゴーントの合図で兵が入場し,ロバート・ウッドヴィルの遺体は荷台に乗せられ,トーナメントはお開きに。観衆はちょっと落ち着き,お楽しみを求めて三々五々出店に移動。
アセルスタンがロイヤルシートの辺りを見ると,若き王はまるで彫刻のようにぼ~っとしています。ル・マルシェは無実を訴えているようですが,兵に囲まれ武器を下ろします。トーナメントの女王はとてもみじめそうにしています。それを見てCranton「おかわいそうに!」ベネディクタはアセルスタンに近づきます。まるでウッドヴィルの死が彼女の記憶を呼び覚ましたかのように怯えています。

そこへ遣いの少年がクランストンを探しに来ました。「ここだよ」というアセルスタンをまつげで払う(笑)と,クランストンに「ランカスター卿がお呼びです。」クランストンはモードにベネディクタの面倒を見るよう言い,アセルスタンを伴ってロイヤルシートへ。

ジョン・オブ・ゴーントに,クランストンがお目通り。彼はクランストンに何かを耳元で囁きながら,アセルスタンが控えているのを確認。戻ってきたクランストンは「ウッドヴィル卿は,ゴーントの大事な家臣。事実を知りたいのだそうだ。これは殺人と見ているそうだ。私もだ」

自分の行く所に殺人が来るのかと思わず自嘲的になるアセルスタン。席の近くを通ると,ベネディクタが先ほど色目を使っていた若い男と話し込んでいます。クランストンはアセルスタンを引っ張ってウッドヴィルのテントへ。

家来達の中心にユースタス・ハワードという従者がいました。ユースタスは丸顔に赤毛,恐ろしい緑色の目にいかにも怒りっぽそうな口元。
クランストンが質問を始めると,そこへリオンズ卿が入ってきました。赤ら顔に獅子のような髪,青い目と長い口ひげが彼の容貌をさらに迫力のあるものにしています。しかし,リオンズ卿は,ユースタスとアセルスタンを軽蔑の眼差しで追い払います。クランストンには「何故君がここにいるかはわかるがな,わしはトーナメントのまとめ役だ。そしてウッドヴィル卿は殺された」

クランストン「誰に」リオンズ卿「何言うとるか,ル・マルシェ卿に決まってる。丸めなくてはならないのに,彼の槍は尖っていた。キャップがすり替えられていた。他にも見つかった。ウッドヴィル卿はあそこで死ななくても,後で殺されたのだ!」
クランストン「それだけでLe Macheが犯人だと?」
リオンズ卿,クランストンを睨む。怒りで青い目は赤い顔から飛び出しそうだし,髭は皆立ってます(笑)
クランストン「確かに,ル・マルシェは丸めた槍を使うべきだった。その点は認める。しかし,それで彼が殺人犯とは決められない」
ユースタス・ハワードが羊のような声を出します。

しかしリオンズ卿は「あのね,ジョン君」クランストン「あのねマイケルさん」とさえぎり(笑)

「我々は経験豊かな戦士だよ。最初に見えた敵を討つのはやめよう。ベゲティウスの戦争マニュアル(ローマ版「孫子」ですね!)によれば,まずは根気だ。最初に,地位の高いル・マルシェが何故ウッドヴィルを殺す必要がある? 第2に,もしそうだとしても気違い沙汰だ。尖った槍を使えば簡単に見つかるし,責められる事はわかるだろう」クランストンはさらに「もう1つ,解せない事がある。ル・マルシェとウッドヴィルは対等に戦っていたのかね?」お触れ役「そうだ」クランストン「それなら,彼は何故彼は勝てるとわかる?リチャード獅子心王は壊れたクロスボーを持った男に殺された。しかもフライパンでしか自分を守れなかった。(え,本当?)マイケル君,君も古い軍馬(笑)だろう。戦では何が起こるかわからないんだよ。」

するとリオンズ卿はちょっとにやりとして「ジョン,いつもの事だが君は正しい。しかし,今朝,私はなんて幸運なんだろうと思っていた。娘は2人の男に愛されていた。しかし,2人ともいなくなった。ロバートは死に,オリバーは不名誉に傷付いている。2人のうちのどちらかは100ポンドの賞金と,我が娘との婚姻が許されるはずだったのだ。」

クランストンは額の多さに感心するがリオンズ卿「皆なしになった」そしてユースタスを睨みつけます。ユースタス思わず「私を責めないで下さい!」クランストン「誰が彼を?!」「誰かが値を払わねばならぬ」とマイケル卿。

その時初めてアセルスタンの存在に気付いたマイケル卿「全てトーナメントのルール通りである事を確認した。馬や武器」アセルスタン「そして槍ですか?」「そうだ。2人とも槍を草の上に置いていた。」しかし首を振り「オリバーは槍が尖っていた事に気付くべきだったな」

クランストンはオリバーに会おうと言ってアセルスタンを連れ出す。「気取ったアホめ!奴のせいでゴーントから命令があったのだ。良い戦士なのだが,強欲な奴だ。才能もないくせに,野心だけは持っている。でも,我々は誰もが悪い点を持っているよな,ね,ブラザー」


Run!Run!Run!