ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME8 2-V Faramir (7)

2006-06-30 20:39:05 | Tolkien・HoME
さて半分過ぎましたが,ファラミアの語る歴史の話は難しいですねぇ。(汗)

とりあえず,順番に。。。
Anbornが「黒い栗鼠」を発見する話が下書きに登場。そしてヘンネス・アンヌーン。夕食。この時ファラミアは,ゴンドールの話はもちろん,ローハンの話も,ヌメノールのお偉いさんが死を恐れていた話,なども既にしているんですね。子供のない王様達の事なども。そして覚えてますか,今まで「黒の山脈」,だった所を,ファラミアが正式版通り「白の山脈」と言い換えています。大将が最初に○○と言った(Halflingなど)というパターンが多いですね。でもこれはおそらく,トールキンさんが2年お休みしている間に,中つ国の歴史や地理を密かに見直していたのでしょうね。

彼がローハンの人達をどう言っていたのか,覗いてみましょう。
<下書き>
‥(最初は)野蛮な強さに我慢できなかったが,やがて同盟者となり,我々の知識や言葉を覚えていった。しかし彼らの伝統や言葉を失ったわけではないが。そして我々もベレリアンドの戦いに出てくるような古い伝承の人々を思い出させるような彼らを気に入った。実際,彼らは遠い昔に最初に東に来た人間,べレン,バラヒア,フオル,フーリン,トゥオル,トゥーリン,最初に西方国の王になったエアレンディルのような人達を祖先に持ち我々とは遠縁に当たる。しかし彼らは海を越えて西へ渡った事はない。我々と婚姻関係を持つようになり,彼らはもはや野蛮人とは呼ばれなくなったが,我々ももはやヌメノール人ではなくなった。今は我々も戦いを愛し,他のどの種族より優れた戦士と思っている。今の世ではそれは必要な事なのだ‥‥。
</下書き>

あれ?そんな事書いてありましたっけ? いや下書きですよ,下書き。(^^;)
これはどうやら,今まで密かに準備されてきた,新しい歴史の輪郭だ,と,クリストファーさんは述べております。エアレンディルが最初のヌメノール王とはヘンですが,クリストファーさんは「a passing inadvertence=通りすがりの手落ち」だと。(笑) いやもっとましな訳し方はあると思うのですが,面白そうな組み合わせにしてみました。(笑)

この下書きは続いているようですが,ここでちょっと寄り道。昨日の最後の文の書き換えです。
<下書き>
「なんであのワルの事を思い出させる必要があるだね。皆が忘れようとしなすっているなら。」
しばらくして,フロドとファラミアはまた話を始めました。フロドはゴンドールのや人々事を知りたがっていました。そして人々はこの長い戦いの中でどんな希望を抱いているのかと。さらに彼は,ファラミアがどの位古い伝承などに詳しいか,またどうしてそれを知ったのか,探ってみたいと思っていました。彼はボロミアがあの会議の時に,そういう話に随分詳しかったのを思い出していました。
</下書き>

残念,時間切れです。これがどう書き換えられたかは,また,来週。

次の本はどうするか?

2006-06-29 23:27:29 | 読書
毎度恒例?取らぬ狸ではなくて読まぬ本のナントカですが。。
ゲド戦記3巻,The Farthest Shoreを読み終わったら,次は4巻に行くか,ハウルの残りに行くか,ナルニアの残りを片付けようか‥‥でも,実は去年夏休みにナルニア読んでいたんですよね。今年の夏もナルニアじゃ芸がないなあ。。。と,思って,ふと後ろを見ると,この本がありました。

Peter S. Beagle, Mel Grant / New Amer Library Trade(1994/10)
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評判もいいようですから,次はこれにしようかな?

ところで,最初この文の下書きを書いたのは,26日だったのですが,その時,

「そう言えば,最近ポタ日記というものが全然ないですね~(汗)
今はポタ史上1番難しい時期なんですよね。最終巻を待つというのは,とても特別な事なんですね。ROTKの映画を待っていた時期とはまた全然趣が違います。」

なーんて書いていたんですけどね。ご存知の方も多いと思いますが,おととい,ちょっとした騒ぎがありまして。そのせいで,ヘンな妄想にかられて困ってます。(笑)


たまにはレベルの高い英語を‥その2

2006-06-29 20:51:45 | 英語・一般
ちょっと英語が得意で国際情勢にウルサイと自負するお父さん方ならご存知と思いますが,毎週日曜の夕方4時から東京12チャンネル(テレビだよ,念のため(笑))で放送される「日高義樹のワシントン・レポート」。元NHK海外特派員の日高さんが,その語学力とマスコミ時代の人脈や政治社会経済関連の知識を生かして,アメリカの政府,軍事,大企業のトップにインタビューしまくり(最近はやや軍事情勢に偏っているような気もしますが‥(汗)),そこから見えてくる国際情勢を読もうという,きわめてインテリジェンスの高い番組。民放でこれほど知性の高い番組は他に知りませんねえ。しかも日曜日。

で,この番組の最大のウリは,各インタビューは,ヘタな同時通訳を入れる事なく,全部字幕付きで,生の声が聞けるのが超嬉しい。さらに,日高さんは,各項目ごとに要点を箇条書きにまとめておいてくれるのも嬉しいですね。これはおそらく,もし英語がわかるのなら,アメリカのトップの人達の生の声をまんま聞いて欲しいという配慮があるのだと思いますよ。そうでなければ,とっくに同時通訳がついていると思いますので。トランスクリプトがあると完璧なんだけどな(いやもしかすると,捜したらあるのかもしれませんが)。。

最近TOEICの裏切り(笑)で,米語はやや翳りが来ております?が,アメリカのトップの人達の話す英語は発音も明瞭だし,話し方も上手で,良質なアメリカ英語に会える可能性の高い番組です。‥という事で,日曜の夕方,間違えてチャンネルを合わせてしまった(笑),という時に,もし多少でも興味のある話題なら,ちょっと観てみる(聴いてみる)価値はあるかもしれません。

ちなみにこの番組,私が英語の勉強を始めた頃(2000年頃)にもう既にありましたので,結構な長寿番組だと思いますよ。


HoME8 2-V Faramir (6)

2006-06-29 20:44:29 | Tolkien・HoME
その後の下書きは,例によって重複を重ねた末に,間違ったり気に入らなかったりすると,ぶち壊しにする,の繰り返し。そうして出来上がった下書きには,まだまだゴンドールやローハンの歴史が,最終形とはちょっと違っていたそうです。

さて,ファラミアが「もはやそなたたちを疑ってはいない。」と言って歩き出し,サムがゴラムをちらっと見る場面まで,だいたい正式版と同じようにできたそうですが,まだ面白い違いがあったそうです。

ここで,ゴンドールの執政(The Stewards of Gondor)という言葉が初めて登場するそうですが,デネソール侯に関しては,「The Breaking of the Fellowship」で初めて名前が出て以降は,1度もゴンドールの王と書かれた事はなく(初期の頃,裂け谷で,ボロミアのお父さんは王様という記述があった記憶はありますが),常に"Lord Denethor"とか"Denethor Lord of the Tower of Guard"と称されてきましたので,早い時期からそのつもりだったのかなあという事です。

で,何が面白いかって,執政に後を託したという最後の王の名が,何故かエレスサールになっていたのだそうです。

ファラミアの,ガンダルフの呼び方は,いろいろ複雑に変っていったのだそうで,最初は,"the Gray Wanderer",次は"the Gray Pilgrim"。またガンダルフの名前の変化を説明する所には,エルフにはミスランディア,ドワーフにはSharkun,Olorion,オロリンは古い名じゃったが忘れられてしもうた,Shorab,フォルロング,Fornold‥‥,

ところで,フォルロングとはペレンノールで戦死したロスサールナッハの領主で,追補編にはその名前の由来は「忘れられた」とあるそう?ですが,それとこれとはカンケイあるかどうかはわからないそうです。(笑)

さて,サムはゴラムがこそこそと木の陰に隠れているのを目撃しますが,
<下書き>
彼は何か言おうと口を開けましたが,「なんでおらがありがたく思っている時にあのワルの事を言う必要があるだね。」と思ってやめました。

しばらくして,フロドとファラミアはまた話を始めました。フロドはゴンドールの事を知りたがっていました。そして人々はどんな希望を抱いているのかと。しかしファラミアは「随分前から希望は持てなくなった。」
</下書き>

この辺りでようやく章の半分です。

The Ring of Words

2006-06-28 09:28:38 | 読書

Peter Gilliver, Jeremy Marshall, Edmund Weiner / Oxford Univ Pr (T)(2006/04/27)
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トールキン協会の宣伝に乗せられて,ついつい買ってしまいました。(笑) ハードカバーというから,どんなに大きな本が来るか戦々恐々(もう置き場所がないんですよね(笑))でしたが,さすが,オックスフォード大学出版,「大学テキストサイズ」でした。

中身は,トールキンがLOTRやホビットの冒険で使った言葉について,彼がかつて関わっていたOED(Oxford English Dictionary)との関連から説明する,という,結構ユニークなリファレンスです。古英語や中英語など,古い英語について,語源が述べられています。attercop,Shelobというような辞書では見つからないクモ関係用語もありますが,サムが時々自分に喝を入れる時に使っている,ninnyhammer(愚か者、間抜け)とか,普通に辞書に載っている言葉についても,ちょっと詳しく解説されていたりします。

ちょっと翻訳しにくそうなテーマではありますが,エルフ語の解説も翻訳される位ですから,これは是非,翻訳版が出てくれるといいなあと思いますが。


TOEIC公式スコア

2006-06-28 01:02:25 | 英語・TOEIC
TOEICの公式スコアが来ました。新TOEICでは,こんな認定証が来ます。私は公開テストを受けたのは初めてですが,今までも同じような認定証が来ていたのね。な~んだ。

で,これを見ていて,意外なことを結構見つけました。

まず。私はリーディングは苦手だと思っていたのですが,Percentile rankを見ると,実はリスニングもリーディングも,全体の順位は大して変わりありません。

そして,Abilities Measuredを見て大笑いです。

「文章の中の情報をもとに推測できる 」と
「ひとつの文書の中または複数の文書間でちりばめられた情報を関連付ける事ができる」

の2つは得意だったのですが,

「表や文章の中の具体的な情報を見つけて理解できる」

がボロボロ。

これは何を示しているかって,サスペンスドラマで,犯人に「でも推測だけでしょう? 証拠はあるんですか?」って突っ込まれるタイプじゃん,私って。

しかも「証拠」を正確に読み取る力は,実は1番苦手だった,と来ている。。。(爆)


HoME8 2-V Faramir (5)

2006-06-27 21:14:03 | Tolkien・HoME
この章に関しては,特別ファラミアのファンでない方でも,気になる所があるでしょう。ふっふっふっ。。。今日はいよいよ,その原型,登場ですよ。

新しい下書きは,(またまた;)読みにくくて難しいそうですが,そこではファラミアは,フロドとサムに,大切に扱われるであろうが,父デネソール侯の許しがあるまではゴンドールの捕虜である,殺されたくなければ,逃げてはいけない,と言います。そして,

<下書き>
数分後,彼らはまた下り坂に戻る。ホビット達は疲れた? マブルングがサムを運ぶ。10マイル先の,柵で囲まれたキャンプ地へ。サム「ゴラム! いなくなってよかったですだ。」しかしフロドは「それでも我々はモルドールへ行かなくてはならない。道がわからないよ。」ゴラムが彼らを救出。
</下書き>

あれっ,最後の一文は何なんでしょう? →クリストファーさん曰く:よく見えないけれど,間違いなく,そう書いてある。しかし,どういう話にするつもりだったかは,不明。

そしてまた別の下書き。。

<下書き>
ファラミアはもう既に疑ってないと言う。しかし,彼が考えていた以上の事があるとも言う。「そなた達をミナス・ティリスに連れ帰らなくてはならない。もし何か間違いがあれば私の命は奪われる。まだ決めかねているが,ここはすぐに出なくてはならない。」と言って,出発の準備で動き出す。マブルングとダムロドが残る。ファラミアは,彼らを10マイル離れたキャンプに連れて行くと言って「そなたは全てを話していない。ボロミアに友好的ではない。S.G.が彼の事を良く思ってないのはわかった。(S.G.って何?(汗)→追記Sam Gamgeeだ!)しかし私は兄を愛しているし兄を知っている。イシルドゥアの禍。。これがそなたとの間に何かをもたらしたのであろう。家宝は仲間に平和はもたらさないと古い話でも言われている。」
「古い話では,ペラペラ喋るべきではないとも教えてくれます。」
「しかし,ミナス・ティリスでは多くの事が知られているという事も知っておくべきだぞ。それ故に私は人払いをした。ガンダルフがここにいた。我々支配階級は,イシルドゥアが支配の指輪を手に入れた事を知っている。これは恐ろしい事だ。誇り高く,ミナス・ティリスを憂えていたボロミアが(あるいは彼自身の為に),それを欲しいと願っていたとも思えるのだ。そなたがその指輪を持っているとも考える事ができる。例えそれがどう。。。」
</下書き>

(げっ,キケンな事言ってません?大将 ところで,ガンダルフがここにいた"Gandalf was here."ってどういう意味だろう?)

‥この先,読めなくなっているそうです。(汗)ですが,最後に,ファラミアは「それが道に落ちていても拾おうとは思わぬ。」。彼はその後,ミナス・ティリスについて語っているそうです。ふ~む,これが例のあのシーンの原型だったんですね。そして「もっと話してくれれば相談に乗ってあげられるが。」とも。

クリストファーさんは,指輪に関する記述が簡単で省略語(S.G.の事か?)が多いのを残念がります。でも,ガンダルフが教えたから(はあ,"Gandalf was here."ってそういう意味ですか),支配階級はイシルドゥアが指輪を持っていた事を知っているとほのめかされているとの事。

もう1つ,さらに急いで書かれた下書き。
<下書き>
フロドはそれ以上何も言わない。何かが彼を止める。知恵? ボロミアの記憶? 裏切りと彼が運んでいる物への恐れ? それでも彼はファラミアを気に入ったのだが。他の話題。ゴンドールの没落の理由。ローハンの事,ゴンドールは戦争好きになりゲームのように楽しんでいる(ボロミアも) サムはゴラムを忘れられて嬉しそう。エルフの力,ボート,ロープ,マント,について語る。ゴラムは後ろでコソコソ,しかし皆が喋るのを止めると逃げてしまう。

ファラミアは法の為に彼らに目隠しをして秘密の場所を通る。さらに話。ファラミアはゴラムについて警告。フロドはモルドールへ行くと打ち明ける。ミナス・イシルについて。月の出。翌朝,ファラミアは彼らにさよならを。フロドは,後でミナス・ティリスへ戻ると約束する。
</下書き>

細かい所が正式版と微妙に違う下書きですね。

The Farthest Shore 読書 (10)

2006-06-27 00:28:10 | ゲド戦記・Le Guin
The Children of the Open Sea
1巻のEarthseaでは,魔法使いはどこへ行ってもそれなりの歓迎を受けていたようですが,そこからたった30年?(翻訳版では随分お年を召した話し方をしているようですが,この時Gedはまだ40代半ば~50才前後かと‥)で随分世の中変わっちゃいましたねぇ。Le Guinさんが子供の時と,40才位になった時とは,やっぱりその位のギャップが‥あったのでしょうか。

それはそうと,ファンタジーにはいろいろ「お約束」があるわけですが,この章はある意味典型的なお約束シーンですね。しかしこういうシーン,○○であればあるほど,次に来るものが怖い!

ここに住んでいる人達は,スゴイ所に住んでますね。まるでSFの世界です。そう言えば,Le GuinさんはSFのオーソリティでもあるんですよね。

ここのGedを見ていたら,ふと,ポタを思い出してしまいました。J.K.ローリングさんはゲド戦記読んだ事あるのでしょうか? ダンブルドア先生が何故人を信じられるのか,わかったような気がしてきてしまいました。


HoME8 2-V Faramir (4)

2006-06-26 23:54:00 | Tolkien・HoME
この章は,ゆっくり読んでいる(^^;)という事もあるのですが,長いです。2年のブランクを経て再開した所で,中つ国の歴史をまとめ直しているようにも見えますね。実際,中つ国の中で「無視された存在」(映画の冒頭でも言ってますが原作(多分ホビットの冒険の方)でも言ってますよ)であるホビットのフロドとサムに,なんでわざわざここで中つ国の歴史をレクチャーする必要があるのか?とずっと不思議に思っていたのですが,ようやくその辺の事情がわかりました。

次の下書きでは,Falbornがついにファラミアとなります。
イシルドゥアの禍は"in hand"(掌中に)でなく"upholding"(掲げる)になり,またクリストファーさんもいちいち取り上げてないほどの細かい?(笑)修正ですが,"Halfhigh"が(ついに)"Halfling"になります。

また,ここで,フロドが「もし誰かイシルドゥアの禍を要求できる者がいるとしたらアラゴルンでしょう。」と言うとファラミアが「何故,エレンディル『と』息子達が建設した都のprinceであるボロミアではないのか?」と言う文があるそうです。しかし正式版は,ゴンドールを建設したのは「エレンディル『の』息子達」で,エルロンドの会議の場面の5番目のバージョンで,エレンディルは北に残り,ゴンドールは息子達が建設した事になっているので,そのバージョンが書かれたのは,この後ではないか,とクリストファーさんは推測します。

ここではまだ,遠くからボロミアが角笛を吹いた音までは聞こえてなかったそうで(あ~,そういう重要な話がありましたね),ファラミアはまだ,角笛のかけらを見つけた話を先にして,フロドに「それだけでは持ち主が亡くなったとは限らないでしょう。」と言われて,ボートを見た話をする事になっています。それにまだ,他にも目撃者がいる事になっているそうです。

出来上がった正式版を読むと(もちろんフツーはそちらを読むわけですが(笑)),どうもボートから先に話ができたように思えてしまうのですが,トールキンさんが話を作った順番は全く逆なのですね。

その後,ボロミアの角笛が聞こえたというバージョンがようやく登場しますが,その初期の下書きには,「‥他にも聞いた者がいる,というのは,たくさんの者が北や南の国境,ローハンに至るまで彷徨っているからだ。」しかしこれはすぐ削除されたそうです。(なんか亡霊がたくさんいるように聞こえて怖いですね(汗))

HoME8 2-V Faramir (番外編)

2006-06-24 00:12:02 | Tolkien・HoME
急いでももったいない(笑)というか,他の読書がおろそかになっていたので,今日はHoME読書はお休みです。

HoMEのその部分を読んでいて,どうして大将を気に入ったのかを思い出しました。たとえ相手がオークでも,無駄な殺生はしないとか平等に扱うという所や,ゴンドールのこんな端っこで手柄を立てても目立ちにくい場所で,しかもかなり危険なお仕事を,何の文句もなさそうにこなしている所とか,都の大公の息子という超エライ人でありながら,ベースのヘンネス・アンヌーンには華美な物(ワインはきっと別ですが(笑))を一切置いてなかったりとか,あと何ていいますか人を見る目があるという所とか。。。

そーか,私の男性の好みってこーなのか,って,今更気付いたり(笑)しますが,実は結構男性に好かれる男性だなあとも思えます。これはトールキンさん自身の,理想の男性でもあったのでしょうか。

エオウィンは,自分の本来果たすべき役割,王達が戦っている間国をまとめるという仕事,を嫌がって自ら出陣してしまったわけですが,実は,ファラミアは,皮肉にも,エオウィンと出会った時に,彼女が嫌っていたそういう仕事をやっていたのですよね。こういう所の噛み合わせはとても上手ですよね。

ボロミアのボートとファラミアの登場は計算された物かと思いきや,実は意図してなかった思い付きだったりとか,どうしても,天然に(爆)物語を書き進めているとしか思えないのですが(すみませんっ;名門大学のエライ先生を天然呼ばわりしたりして‥),それでもピッタリハマってしまう所が,天才の天才たる所以なのでしょうか。(笑)

ところで,ファラミアの指輪物語への登場を知らせる,1944年の5月頃の手紙がわさわさ(笑)出てきましたが,運命の66番の手紙(笑)の6日後,68番にこんな文面がありました。それは息子クリストファーさんへの愛情を示す言葉なのですが,
When you return to the lands of the living, and we re-tell our tales, sitting by a wall in the sun, laughing at old grief, you shall tell me then. (Faramir to Frodo)
実はこの文章,最後に()内に書かれている通り,ほとんどそのまんま,The Forbidden Poolの章の最後の,ファラミアからフロドへの贈る言葉になっているのですが,これって,元々は息子さんへ贈る言葉だったのですね‥‥,

あ"っ!! ここで今頃突然気付く私。あ~,鈍くてすみませんっ。クリストファーさんは,当時,イギリスから遠い南アフリカへ,パイロットになる為の訓練に行っていたのですよね。今でこそ飛行機は,比較的安全な乗り物ですが,戦時中の当時,遠く離れた地球のほぼ裏側に,家族が,飛行機の訓練に行くと言ったら,‥‥そりゃ~もう,心配で心配で,仕方なかった事でしょう。。。(汗;) そもそも,この時そんなにオニのように手紙を出しまくっていた理由も,きっとソレなのでしょうね。

そう言えば,TTT前半まで順調に筆を進めたトールキン父は,こちらで,フロドとサムをモルドールへ送り出す旅になかなか送り出せず,2年近く筆が止まったとあります。ようやく書き始めたものの,2人の姿が,異国で軍事訓練をする自分の息子の姿に重なり,無意識のうちに,ファラミアにその気持ちを代弁させたのかなあ~? その気持ちがこの新しいキャラクタを生んでしまったとか。。。

‥何かまた新しい事を発見してしまったみたいです。(笑) HoMEは本当に読み甲斐がありますね~!

馳夫さんには既に何度か驚かされ,その度に思わず本を置いてコーヒーを買いに行ってましたけど(笑),自宅なんで,思わず席を立って,冷蔵庫からチョコレートを取ってきました。(爆)

Run!Run!Run!