ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

アルカサル13巻を

2007-09-24 11:53:50 | 読書(和書)
やっと読みました。
アルカサル 13―王城 (13) (プリンセスコミックス)アルカサル 13―王城 (13) (プリンセスコミックス)
価格:¥ 600(税込)
発売日:2007-09-14

今年発売された完結編2つの前に,もう1つ,ドン・ペドロが絶頂に至る話が入っていました。完結編と同じ巻にその話が来るなんて,全く皮肉ですが,実は,私は,12巻までコミック版でしか読んでなかったので,その話を知らず,従ってエンリケの妹のカタリナの身に起きた事を今頃知ったわけで,これはどえらいショックでした~~(泣)

エンリケは,神をも恐れぬどえらい悪役として描かれておりますが,中世であれだけ偉いがそこまでやるなんて,ちょっと信じられませんねぇ。歴史的には,ドン・ペドロの方が悪人で,エンリケが善人とする説の方が,主流でしたね。そう言えば,ランカスター公だって,ハリポタのあの恐ろしい悪役との関連性が囁かれる位,闇に包まれた人物なのに,コンスタンシアの善良な夫として描かれておりました。


アルカサル完結編を読み返して,

2007-06-27 00:14:33 | 読書(和書)
ふと,また勘違いしていた所を(日本語でも勘違いするんだよ!(笑))発見。リチャード2世が,ランカスター公に,戴冠式に使うがよい,と言って,王冠を渡しているシーンがあるのですが,私はうっかり,ランカスター公夫妻の娘カタリナを当たり前のようにエンリケの孫に嫁がせ,彼に被せるつもりの王冠だったのかと思い込んでいたんですよ。しかし,これは思いっきり勘違い。実はここ,カスティリア王位継承権を持っているコンスタンシアをお嫁にもらったランカスター公が,カスティリア王になるチャンスだったんですよ。リチャード2世にしてみれば,うざい叔父さんをイギリスから追い出すチャンス!(笑)

まあ結局,ランカスター公夫妻の娘カタリナがエンリケの孫に嫁いで王位継承権を行使し,ランカスター公はイギリスへ戻って参ります。

。。。。かの,Athelstanシリーズの記念すべき第1巻で,確かリチャード2世はまだ10才で王様になったばかりで,Athelstanに,「そなたは私の味方になるのだ。私が,。。。(小声で)叔父を殺したら。」な~んて言っても許されるお年頃でしたが。

まあ,リチャード2世が叔父さんを嫌っていたのは史実でございます。ランカスター公が亡くなった時,あまりに露骨に痕跡を消そうとしたものですから,従弟ヘンリーに王座を奪われてしまいましたがな。そしてプランタジェネット王朝は終り,ランカスター王朝の時代に移ったわけです。

イギリスの歴史の勉強になったわ!(笑)


アルカサル完結!(ネタバレ)

2007-06-17 16:35:37 | 読書(和書)
思えば今年2月に完結編・前半を読んでから,もう半年なんですねっ! 

コンスタンシアが,思った以上に逞しくポジティブな女性で,頼もしかったです。自ら持っていたカスティリアの王位継承権を行使して,積極的に父の血統をカスティリアに持ち帰った事が描かれておりました。娘,で,良かったですよね。そうでなけりゃ,英国とカスティリアで戦争しなくてはならなかったかもしれないし。で,娘のカタリナが,仇の孫(のちのエンリケ3世)に嫁いで,カスティリアの皇太子妃になり,最後にコンスタンシア自身の手で,娘の舅つまり仇敵の息子ホアン1世に,英国王リチャード(え~黒太子の死で,11才で王様になった次男ね)からもらった王冠を被せて「あげる」シーンが,彼女なりの,最高の仇討ちでした。

また彼女の夫になった,John of Gauntすなわちランカスター公が,ハリポタの悪役との関連が囁かれる人物とは思えないほど,いい人で。。(笑) ランカスター公は,野心家と言われていたけれど,自分は王様になる事はなく,長男ヘンリーは従兄リチャードから王位を奪い,長女フィリパはポルトガルの王妃,そしてコンスタンシアとの娘カタリナはカスティリア王妃,これだけの王家を自分の子孫で埋め尽くしたのよね。(笑)

コンスタンシアの妹イサベルも,John of Gauntの弟と結婚して,子孫が有名なリチャード3世につながりますので,ドン・ペドロの血統もなかなかしぶといです(笑)

余談ですが,この時代の人達は,1340年~1350年代にヨーロッパを襲った,史上初の黒死病大流行の影響が10年以上経っても残り,アルカサル―王城の登場人物でも,ドン・ペドロやエンリケのお父さんや,マリア・デ・パデリア,エドワード黒太子等が直接この病気で亡くなっています。また全般的にとても短命で,エンリケもコンスタンシアもイサベルも30代~40代で亡くなっているんですよね。子供達の代辺りで,ようやく,人の寿命を取り戻して,人々はまた60年~70年位生きられるようになったようです。。。。


待ちに待った

2007-06-16 02:11:29 | 読書(和書)
明日は,ってか,もう今日だよ! いよいよ,待ちに待ったアルカサル―王城の完結編・後半の発売日です。

1990年代の前半からだったと思いますから,ホント,長かったですね。

この後半は,ドン・ペドロの忠臣マルティン・ロペスや,ロドリゲス・デ・カストロ,そして,史実なのである程度わかってはおりますが,王女達の行く末が大変気になりますね。
特に,次女コンスタンシアが嫁ぐ事になる,John of Gauntは,もう何度も話題に出しておりますね。14世紀のイギリス王家のヒーローの1人です。最近の愛読書,Brother Athelstanシリーズには御本人自ら登場,するばかりでなく,昨日になって,最終巻の発売を1ヶ月後に控えたハリポタとの関連までありそう,という事がわかり,いや~~ホントこれは,運命を感じますねぇ(笑)


アルカサル―王城 完結編・前編を読みました(ネタバレ):その2

2007-02-18 18:22:27 | 読書(和書)
アルカサルやAthelstanシリーズに登場する,人物や歴史などに関する,日本版Wikipediaのページを見つけました。当時の宮廷生活のドロドロを日本語でお楽しみ下さい。(笑)

ドン・ペドロもマリア・デ・パデリアも短命だし,彼らの子供達も決して長生きではなかったのですが,コンスタンシアの娘は,エンリケの孫と結婚して,結局ドン・ペドロの家系はカスティリア王家に返り咲き,イサベルの家系は,後にイングランド王家の1つヨーク家になります。ドン・ペドロパワーはすごいなあ(笑)

ところで,気になるのは,忠臣マルティン・ロペスやロドリゲス・デ・カストロのその後なのですが,実はエンリケの死後(彼もドン・ペドロの死後10年しか生きてない),息子のフアンはドン・ペドロの残党に悩ませられ,結局それがコンスタンシアの娘をカスティリア王家に嫁がせるきっかけになったそうですから,誰かが生き残って縁結びに一役買ったと考えたいですねぇ。まあその辺りの話も6月16日発売の後編にあったらいいなあ,と思いますが。。。


アルカサル―王城 完結編・前編を読みました(ネタバレ):その1(多分続く)

2007-02-17 11:38:03 | 読書(和書)
その1‥‥,多分,まだ続きを書くと思うのですが(^^;),塩漬けにしてもしょうがないので,とりあえず,今日書けた所までは投稿しちゃいます。

私のブログのどこのカテゴリに置いたらいいんだ? 英語じゃないしなあ。。悩みどころですが,きっと何かの縁だろうと思って,きっかけを作ったAthelstanのカテゴリに置きました。ドン・ペドロ王が亡くなったのは1369年,あのAthelstanシリーズが始まる8年前の事です。これだけ時代が近いですから,2つのお話にかなり関連があるわけです。

今回は,主人公はもちろんドン・ペドロなのですが,彼の部下,マルティン・ロペスの目を通して描かれているため,あまりドン・ペドロの心理を追う事はできません。語り手を変えて主人公の心理を直接描かないのは,「カッコーの巣の上で」や「アラバマ物語」の原作で使われる手法ですね。私は子供の時読書しませんでしたので英語読書を始めてからこういう手法がある事を知りました。(笑) 

でも,すぐに何故マルティン・ロペスの目を通したか,痛いほどわかってしまうんですね。今回1番心配していた,マリア・デ・パデリアと,ドン・ペドロ自身の死が‥あああ,やっぱり,直接描くのは避けられてしまったのですね。

歴史背景が,指輪物語どころではなく(笑)複雑でございます。
エンリケに最初に王座を奪われた後,イギリスの力を借りて一旦奪い返すナヘラの戦闘や,ドン・ペドロ最期の戦いとなったモンティエルの戦いもWikipediaに出ているんですよ。

当時,マンガにも描かれたように,イギリスとフランスは百年戦争の最中にありましたが,これは単純な英仏の喧嘩ではなく,ヨーロッパ特にスペイン,ポルトガルを巻き込んだ大きな(迷惑な‥)戦争だったようです。ドン・ペドロにはイギリスが,エンリケにはフランスが後ろ盾となりましたので,お互い,引くに引けないわけです。モンティエルの戦いは,カスティリアの内戦というより,百年戦争の一部と見られているというから驚きです。

マリア・デ・パデリアが亡くなってから,ドン・ペドロが殺される1369年まで3年間の話,と描かれていますが,Wikipediaでは,マリアは1361年に亡くなったという事になっています。

ドン・ペドロの娘達が嫁ぐ事になるイギリス王家の王子様達ってどう描かれていたのか気になっていたのですが,エドワード黒太子(Edward, the Black Prince)をはじめとして,いい感じだったので,ちょっと和みました。
ドン・ペドロの死後,コンスタンシアは,エドワード3世の三男John of Gauntと,イサベラは四男Edmund of Langleyと結婚します。コンスタンシアがカスティリアの王位継承権を持っていたというので,ベアトリスは亡くなってしまうのでしょうか。。


Run!Run!Run!