ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Shahnameh : 11 Firoud

2010-12-30 00:12:44 | Kindle
Kai Khosrowが帰還して、しばらくすると、Kai kawousは彼に父の仇Afrasiyabを討つよう命じます。Kai Khosrowは敵討ちを誓います。(誓ったら絶対やらないといけないんだよね)
こうして、Kai Khosrowの軍隊の先頭に立ったのは、あの王位を争ったFariborz。(仲直りしたのかな(^_^;))

Firoudというのは、Kai Khosrowと同じ両親を持つ実の弟。現在、母と一緒に暮らしています。Kai Khosrowは、弟に戦の悲劇を味合わせたくないと考え、部下に弟の領地だけは通らず、砂漠を行くよう注意しますが、砂漠には(もちろん(^^;))水がないため、部下は、すっかり忘れて、通ってしまいます。

領地に迫る軍勢を見たFiroudは一体どうすれば良いものか、家老Tokharehや母に相談。母は、もし軍勢がイランから来たのなら、父Saiawoshの義理の兄弟Bahramを捜すようにとアドバイス。
Firoudは一旦山の頂上に上ります。するとイラン軍から1人(実はBahram)彼を追って登ってきます。Firoudの正体を知らないBahramは、最初暴言を吐きますが、Firoudは冷静に彼の名を尋ね、無事お互いの正体を明かす所まで持ってきます。(Firoudも腕にKai Kobadの印を持っている‥何か某箒少年小説に出てくる怖い人達のマークも腕についていたよね‥(^^;))

Firoudは軍勢を家に招いて祝宴。自分も軍勢に加わりたいと志願します。しかしイランの軍勢は、この領地の領主は敵と思っているため、Bahramが先に行って、Toosの説得を試みる事にします。

しかし、Bahramが、この話をToosにすると、案の定Toosは怒り、Firoudを殺せと言い出し、軍勢を差し向けますが、Bahram、「お前たちが向かっている先はKai Khosrowの弟であり、Saiawoshの子、Firoudだ。不当に手を上げてはならぬ」
しかし、Toosの怒りはまだ納まらず、さらに攻撃しようとします。すると娘婿の1人Rivnizが、お父様のお望みを叶えましょう、と、出かけます。

これを見ていたFiroud、家老Tokharehに相談。「あれは誰だ?」「Toosの娘婿、Rivnizにございます。」「撃つべきは馬か乗り手か?」「乗り手を撃ちましょう。さすれば、Toosはあなたの平和の申入れを拒んだ事を後悔するでしょう。」

娘婿を弓矢で殺され、Toosの怒り増幅。次は息子のZeraspを送ります、が、彼も殺され、怒髪天を衝く状態。ついに自ら出陣。

すると、Tokhareh、この「ワニ」とは戦ってはなりません、と忠告、Firoudは納得しませんが、Tokharehはさらに、もしご主人様がこの「ライオン」を殺せば、兄上様が黙っておられないでしょう。代わりに、あやつの馬を撃ちなされ。さすれば、ご主人様の技を知らしめる事ができます。

Firoudは言われた通りにしました。すると、今度はGeew登場。兄をイランに連れ帰った名将をもちろんFiroudは殺さず、今回も馬だけ。しかし、Geewの息子Byzunが納得せず、息子の安否を心配する父は、Saiawoshの甲冑を貸し出します。

Firoudは、今回も馬だけを撃ち、砦に入ってしまいます。ByzunはFiroudが逃げたと思ってなじりますが、父には弓矢の腕前は確かだと報告。しかし、Toosは、ついにFiroud討伐を決意。一方、Firoud側は、星の配置が悪い事を察知しますが、こちらも戦いに応じる事を決意。

翌朝、Firoudは劣勢ながらも勇敢に戦っていました。しかし、若きヒーローの運は尽きようとしています。RehhamとByzunに待ち伏せされ、Rehhamから棍棒の一撃。時が来た事を悟ったFiroudは、母の元へ。(何と)イラン軍に辱めを受けないよう、侍女達を連れ、外の崖から飛び降りるよう指示。(汗)母は、息子から最期の息が切れるまで見守り、城に火を放ち、厩に行って全ての馬を始末、全ての財産を焼き払い、息子の元へ戻って、自らの体を剣で刺したのでした。

そこへ攻めてきたイラン兵、この情景を見て後悔。(後悔するならやるなよな、わからない人達だねぇ)そんなこんなもあって、ようやくAfrasiyabが目の前…と、いう時に、大雪で立ち往生。一旦帰ろうかという話も出ましたが、兵士達は、敵を目前にして帰れません、と言ったため、ビールかけならぬワインかけで士気を高め、攻撃準備。

しかし、イラン軍のこの様子を嗅ぎつけたPiran、Goodarzを除いて殆ど飲んだくれていたキャンプに襲いかかり、イラン敗北。Kai Khosrowはかんかんです。Toosに代わってFariborzを総大将にします。

失意のまま帰国のToos、Kai Khosrowは(弟を死に追いやった事も含め)、本来処刑に値する失態ではあるが、彼の年齢や生まれを考慮して、牢屋に入れました。

一方、FariborzはPiranに停戦を求めます。Piranは停戦には応じるが、さっさと帰るよう条件をつけます。しかしFariborzはぐずぐず居残り続け、結局Turk側の勝利に終わったのでした。


Shahnameh : 10 The Return of Kai Khosrow (3)

2010-12-18 10:49:55 | Kindle
これを知ったPiranは、Kai Khosrowを連れ戻すようKelbadと300人の部下に命じます。Kelbadは、街道筋で疲れて休んでいた一行を発見しますが、用心棒Geewを見て強そうだ(^^;)と退散。Piranは呆れて自ら1000人の部隊を引き連れ出陣…というのもPiranはAfrasiyabの怒りを恐れたからです。迎え撃とうとするKai Khosrow、ですがGeewはこれを止めます。「私が死んでも父と8人の兄弟がいます。しかしあなたはお一人です。もしその首が切られたら、誰が王冠を被るのです?」

そしてGeewはPiranとサシで戦い、彼を捕らえてKai KhosrowとFerangisの前に連れてきます。PiranはKai Khosrowに、慈悲は無用と言いますが、Saiawoshの悲運を嘆きます。あなたとお母様を生きながらえさせたのは私です、でももう私の命をお絶ち下さい。。これを聞いた母子は涙々……Ferangis「Piranの優しさに救われました。私達が恩返しをする番です。」

しかしここでGeewが「王妃さま、私は大地をPiranの血で汚すと神に誓ったのです。どうやってこの誓いを逃れましょう」するとKai Khosrowが「あなたのような英雄が神の誓いを破ってはいけない。あなたの心と神への誓いを両方満たさなくては。Piranの耳に剣を刺すのだ。そしてその血を地面に落とそう。さすればどちらも満たされるであろう。」

(覚えてる?この人Afrasiyabの前で、自分がいかに愚かかを演じたよね。それにしても、復讐を「誓う」とはそういう意味だったんですね。現代の人はこの言葉を軽く使い過ぎているのかも…(汗))

そしてGeewはKai Khosrowの案の通りにPiranの耳を切って(でも痛いよ(汗))地面に血を落とし、軍船に縛り付けて、妻Gulshehrのみがその綱を解けると約束させ、先へ進みます。

一方気を揉んでいたAfrasiyabは、Piranが船に縛り付けられているのを見て怒り千万、GeewとKai Khosrow、Ferangisへの復讐を「誓い」ます。(Ferangisは彼の娘、なので、Kai Khosrowは孫のはずなんだけど、それも関係ないんですね(汗)←奥さんたくさんいるからな(^^;))

さてGeewの一行は急がなくてはなりません。しかし、川を渡る船の船頭に足元を見られます。川の水量は多かったですが、仕方なく、一行は馬でそのまま渡ってしまいます。ただし、追っ手がぎりぎりまで迫っていました。Afrasiyabは船頭に命じて川を渡ろうとしますが、ここは越えられないと悟り、仕方なく引き返します。

Kai Khosrowの一行は、Kai Kawousの元に到着。Geewが全てを説明すると、皇帝は一行を大歓迎。国民も皆Kai Khosrowを跡継ぎと認めます。ただ、ToosはKai Kawousの息子Fariborzが跡継ぎになるべきと考えていたので、やや不機嫌。なぜAfrasiyabの血縁者を?と尋ねると、Geewがこう答えます。「Saiawoshの息子が跡継ぎのなるのが正しいのだ」しかしToosは全然納得しません。

そこでKai Kawousは次のような案を出します。国境のBahmanの砦はDeevが支配していて人間の手に落ちた事がない。Kai KhosrowとFariborzを行かせ、この砦を制圧した方を跡継ぎとしよう。

かくして、FariborzとKai KhosrowはBahman制圧の旅に出かけます。先攻のFariborzは肝心のDeevに逃げられ全く歯が立たずKai Khosrowの番。彼は琥珀の香り(ってどんな香りだ?)付きの手紙を出します。内容はOrmuzdの名に於いてこの場を自分に与えて欲しい、そして槍の先にその手紙を付けて、城壁の中へ放り込みます。すると世界は一瞬暗くなり、再び明るくなった時、城は消えたのでした。

(う~~んどうしてでしょうねぇ? 全知全能の神Ormuzdの名前を使ったからDeev達は退散したという事(^^;)?)

…という事で、賢いKai Khosrowが王座を継ぐ事になりました。


読んだ本リスト6

2010-12-18 10:30:19 | 読書
The Prince of Darkness (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
Paul Doherty
2010/6/13~2010/7/17
感想はこちら
リニューアル! このシリーズのこれからが楽しみです。


The Poisoned Chalice (Tudor Mysteries 2)
Paul Doherty
2010/4/15~2010/6/10
感想はこちら
シャロットシリーズはドハティ最高峰と宣言しよう!


The Secret Life of Bees
Sue Monk Kidd
2010/1/8~2010/4/9
感想はこちら
映画版の配役がピッタリ過ぎて怖いです(爆)


Story Layla & Majnun
Nizami
2009/12/10~2010/03/07
感想はこちら
A Thousand Splendid Sunsの副読本。中東のロミオとジュリエット


Shahnameh
Ferdowsi
2009/11/24~2010/01/03
感想はこちら
面白いのでついつい最初から読んでしまう事に。。。(笑)


A Dog of Flanders
Ouida
2009/11/08~2009/11/08
感想はこちら
もう1つKindleで挑戦


Rostam and Sohrab
Ferdowsi
2009/11/01~2009/11/07
感想はこちら
Kindleで初挑戦です


The Angel of Death (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
Paul Doherty
2009/08/30~2009/11/01
感想はこちら
こちらも久しぶりコーベット


The Anger of God (Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)
Paul Doherty
2009/07/05~2009/08/30
感想はこちら
1年ぶりのアセルスタン!


A Thousand Splendid Suns
Khaled Hosseini
2009/05/08~2009/07/04
感想はこちら
Khaled Hosseini第2弾


リストの続きはこちら



Shahnameh : 10 The Return of Kai Khosrow (2)

2010-12-18 10:11:06 | Kindle
一方、イランからSaiawoshの仇討ちの軍が来ると知らせを聞いたAfrasiyab、1番お気に入りの息子Sarkhaにこれを迎え討つよう命じます。しかしSarkhaはRostamのキャンプに攻撃を仕掛けて捕まって、殺されてしまいます。これには、さすがに最近いい人になっていたAfrasiyabもたまらず、復讐を誓い、自身が出陣。すると今度はPiranの弟PilsamがRostamと戦う事になります。Piranは止めますが若いPilsamは聞かず、Rostamは当然のように彼をすさまじい怒りをもってやっつけてしまいます。その上馬の上から彼を片手で持ち上げ、「この男に金の服を着せてやれ。私が青くしてしまった」…これでTuran軍はすっかりやる気を無くしてしまいます。

ついにAfrasiyabも撤退せざるを得ない状況に。彼は、Saiawoshの子をどうしたものかとPiranに相談しますが、Piranは急いで殺す必要はありません、イランに噂が漏れないよう遠くに送りましょう……。そしてAfrasiyab自身も中国国境へ撤退しました。

イラン軍は厳しく攻め、Turanを占領したRostamはAfrasiyabが座っていた玉座に座り、そのまま7年の月日が流れました。しかし8年目にKai Kawousの意向で皇帝の傍に戻りました。それを察知したAfrasiyab、戻ってきますが、我が家の変わり果てた様子に愕然。自分の軍勢に命じて仕返し作戦。戦争で土地が荒れ、おまけに7年の間は天が雨を降らせてくれず、肥沃だった土地は荒れ放題になりました。

そんなある日の事、鍛冶屋Kawahの子孫、年老いたGoodarzがある夢を見ます。雲の中にSerosch神が現れ、「よく聞くのだ。TuranにSaiawoshの勇敢でしっかり者の息子がいる。その少年Kai Khosrowのみがイランを救済できる。そなたの息子Geewに彼を捜させるのだ。」

Goodarzが息子Geewにこの話をするとGeewは快諾。供は誰が良いかと聞く父に「他に誰もいない方が良いでしょう。馬だけで良いです」と言って出発。

しかしそれはまた厳しい旅でした。7年(また7年か(^^;))の間捜し続け、もう、父上の夢を見せたのはDeevでないか(笑)と思い始めた頃、…ついにその時が来ました!

森の中の噴水の脇に、杉のようにほっそりとした若い男性が座っています。手にワインカップを持ち、花の王冠を被って(このモチーフ、あの中東のロミオとジュリエットのラストに似てるw)、気品のある物腰。思わず前に進み出て
「これが王でなければ私はもう捜索を諦めます。何故ならあなた様はSaiawosh様とうり二つなのです。」
するとKai Khosrow
「Geewよ(何故名前知ってるんだ?)、良く来てくれた。Toos、Goodarz、RostamやKai Kawous様の様子を聞かせておくれ。皆様はこのKai Khosrowをご存じなのか?」
Geewはこれを聞いてとまどいます。(やっぱり)
「どなたが、GoodarzやToosやRostamやKai Kawous様の事を話されたのです?何故私の名をご存じなのですか?」

Geewが来るという事は父Saiawoshの予言だったそうで。

Geewは念のため、Kai Khosrowの「Kaianides」のマークを確認。(そういうのがあったんだ)Kai Khosrowは腕をまくってマークを見せます。(どんなマークなのか説明がないっ)何でもKai Kobadの時代からあるそうです。

2人はSaiawoshの町に向かいました。Ferangisが歓迎してくれましたが、長居は危険です。おそらくSaiawoshに頼まれた事、山に行って剣と馬(Behzah)をゲットする方法を手早く説明します。しかし少なくても21年+数年経っているのに、同じ馬使えるのかねw …しかしまあとにかく、言われた通りに馬と武器を持ち帰ったKai Khosrowに、Ferangisは父の鎧を与え、Ferangis自身も鎖帷子を着て馬に乗って(お~エオウィンみたい)Afrasiyabの国から逃れます。(FerangisってAfrasiyabの娘、だよ)



Shahnameh : 10 The Return of Kai Khosrow (1)

2010-12-17 21:49:55 | Kindle
Ferangisは、Piranの家で男の子を生みました。生まれながらに気品のある子です。Piranはこの子が殺されてはいかんと思い、Afrasiyabにどうかそのような事はしないで下さいとお願いします。

Afrasiyabは、その子は災いの元だ殺してしまえ、という予言者達の言う事を聞かず、「たとえこの子が我が禍でも構わぬ。人里離れた山奥で育てよ。」、と、言ってくれます。Piranは、母から息子を受け取りKalunの山奥の羊飼いに「雨風も当ててはならんぞ」と託します。

その後母のFerangisすら息子の行方もわからなくなりましたが、PiranはAfrasiyabとの約束を守ってくれたSaiawoshに応える為、この子はやがてTuranの禍となる事を知りつつも、成長を見守ります。

しばらく時が経ち、羊飼いがPiranに、この子は元気過ぎて我々の手に負えないと報告。PiranがSaiawoshの息子、Kai Khosrowに会いに行くと、あまりの逞しさと美しさに思わずひれ伏します。すると…「どうか頭をお上げ下さい。羊飼いの息子にひれ伏すなどとんでもない事です。」しかしPiranは嬉しくて仕方なくて「王の跡継ぎよ、あなたは羊飼いの息子ではありません。」と言って彼の生まれを説明し、ふさわしい服を着せて家に連れ帰ります。Piran、Ferangisと3人でしばし水入らずの生活。。

ある日AfrasiyabがPiranを召還、「やはり生かしておいたのは我が弱みだった。Saiawoshの息子がTuranにたくさんの不幸を招く夢を見たので殺さねばならない。」と、言います。すると賢いPiran「王様、その子は賢くありません。顔こそ美しいですが考えはありません。どうか無知な者を羊飼いの手にそのまま委ねて下さい。」

#一体、PiranてAfrasiyabの味方なんだか…(笑)

「ではそのKai Khosrowとやらを連れてこい。どれだけバカだか見届けてやる。」

Piranは仕方なくKai KhosrowにAfrasiyabに頭悪く見せてやってくれと言って連れてきます。

「若い羊飼い君、昼と夜はどう見分けるのかね? 羊の群と何をしてる? どうやって羊や山羊を数えるのか?」

するとKai Khosrow、
「ゲームではありません。私は綱も弓も矢も持っていません」

「ミルクはどうだ?」
「虎猫は危険で強い爪を持っています」

「そなたの母の名前は?」
「ライオンに脅されている時犬は吠えません」

最後にAfrasiyabはKai Khosrowはイランに行って敵に復讐したいかと尋ねます。すると、
「豹が近づけば勇敢な男の心もくじけるでしょう。」

Afrasiyabはこれらの答えに満足した様子で、Piranに彼を連れ帰るよう指示。PiranはほっとしてSaiawoshの建設した町に彼を帰し、その後Ferangisは父の事、Saiawoshから聞いたイランの英雄達の事等を、Kai Khosrowに教えます。

一方、Saiawoshの実父であるKai Kawousにも息子の死のニュースが伝わり、国中で嘆いていました。Rostamなどは、7日間も地面に伏したまま嘆き悲しんだ(ホントですかね?(^^;))そうです。しかし8日目、彼は主君Kai Kawousに謁見を申し出ます。そして、「ったくもう、Sudavehのような性悪女にうつつを抜かしているからこういう事になるのですよ。これは仇討ちしないと気が済みません。」

恥ずかしくて返答できない主君を置いて、Rostamはさっさと後宮に行ってSudavehを殺してしまいます。(あっけね(汗)さっさとやりゃーよかったのにねぇ。)Kai Kawousは心配になりますが、彼はあえてRostamの意に背こうとはしませんでした。(よえ~)Rostamは仇討ちの軍勢を組織、「地上を審判の日のように震わそうぞ!」


Shahnameh : 9 Saiawosh(2)

2010-12-07 23:27:27 | Kindle
AfrasiyabはMubid(占い師)を呼んで今後の対策を相談。すると占い師は、Kai Kawousとその息子は邪悪な運命をっもたらすと言います。さすがのAfrasiyabも今回は彼らの忠告を聞き入れる事にしました。

Afrasiyabは弟Gersiwazを通して、こんなメッセージを送ってきます。
「世界はSilimと勇敢なTur、そして不正に殺されたIrijの時から争いが耐えない。しかし、その事はもう忘れよう。同盟を組み、国境に平和をもたらそうではないか。」(あ~そんな事ありましたね)

しかしこれを読んだSaiawoshは、にわかにAfrasiyabの言葉は信じられず、Rostamにどうすべきか相談します。Rostamは、Gersiwazを宴に招こうと提案。7日間もてなして考える事にしました。そしてその案は実行されました。そして8日目の朝、GersiwazはSaiawoshの前に出て、に回答を迫ります。Saiawoshは、すぐに信用する事はできないので、まずはAfrasiyabと血の誓いを立てた100人の兵士を人質として送って欲しいと要求します。

これを聞いたAfrasiyab、選ばれた兵を差し出すのは心配、さりとて、要求を飲まないと邪悪な運命が自分を襲う、と、悩みます。しかし、結局仕方なく兵を差し出して、撤退します。

一方、残ったRostamとSaiawoshは、Kai Kawousの方はどんな対処を望んでいたのか、気になります。もし皇帝がリベンジを望んでいたのなら、この対応はまずいです。そこでRostamが王宮に上がり、事の説明を。すると案の定皇帝は平和に収まった事に対して激怒。挙げ句、Saiawoshは赤ん坊かとなじり、人質を皆殺しにし、もう1回Afrasiyabと戦って来いと命じます。

しかしRostamは「そのような意地の悪い事を言ってはなりません。あなたの息子であるSaiawoshは、Afrasiyabとの約束を破る事はできません。」これを聞いて、ようやく皇帝の怒りは鎮まりましたが、ToosをSaiawoshの所へ送ると言います。するとRostamは怒って帰ってしまいます。しかし皇帝はToosをSaiawoshの所へ遣いに送ります。

この話がSaiawoshに伝わると、彼はどうすべきか迷い、BahramとZenguehに相談します。そして、「王の命に従えば邪悪な行いとなり、従わなければ王に殺される、となれば、Afrasiyabに人質を返し、私は隠れよう。」

Saiawoshはこれを手紙にして、ZenguehをAfrasiyabの所へ遣いに出します。この手紙にはAfrasiyabも困って、Piranという、Rostamと同族のPehlivaの人物に相談します。するとPiranは「これは正しい行いです。この王子を我らが宮殿に招き、我らの王女を与え、陛下の息子としてはどうでしょう? さすれば彼はやがてイランの王座に就き、両国の憎しみは愛に変わるでしょう。」

この知らせを受け取ったSaiawosh、これは良い知らせと思い、受諾する事にします。Kai Kawousは嘆きますが、おとなしくしてます。

暫くして、SaiawoshはTuranに入りました。Piranが出迎え、歓迎一色。Afrasiyabも、Saiawoshの強さと美貌を気に入り、世界を分けていた時代は終わったと宣言。
Saiawoshはしばらくそこで過ごし、Piranの娘を妻にもらいます、が、PiranはさらにSaiawoshに、Afrasiyabの娘を頂くよう勧めます。するとAfrasiyabも喜んで、娘Ferangisとの結婚を許可。国を1つ与えますが、その国に出発するSaiawoshとの別れすら惜しい様子。

(Saiawoshという人は、目上の人を立てるのが大変上手なのでしょうね。それはそれで、良い事だわ)

国をもらったSaiawoshは、Gangdisという町を建設します。それは美しい町で、人々は球技を楽しむ事ができ、皆この上なく幸せでした。しかし、予言者達は、この町が彼の不幸を招くと予言します。

それから何年かは平和に過ぎましたが、Afrasiyabの弟Gersiwazがこの扱いに嫉妬します。ある時GersiwazはAfrasiyabに自分をSaiawoshの国に遣わすよう頼みます。SaiawoshはGersiwazを大歓迎して、祝宴を開き、贈り物をたくさん渡します。ところが、Gersiwazは帰宅すると、兄に、Saiawoshはもう昔のSaiawoshでない、つけ上がり、イランへの帰属を考えている、と、うそを奏上。Afrasiyabはにわかに弟の言葉を信じられない様子。しかし、もう1回彼を遣いに出し、今度はSaiawoshと妻である自分の娘に会いに来るようメッセージを託します。すると今度はGersiwazは、Saiawoshに、Afrasiyabが大変怒っている、と、これまた嘘を伝え、自分1人返すよう持ちかけます。

そしてGersiwazはAfrasiyabのもとに戻り、今度はAfrasiyabが攻めてくる、Saiawoshに早く逃げるよう伝えます。SaiawoshはAfrasiyabに忠誠を尽くしていましたが、もはやこれまでと思い、妻Ferangisに自分に万が一の事があった場合の行動を伝え、自分の馬に、息子Kai Khosrauが復讐に立ち上がる日まで待てと伝えて放します。

そしていよいよAfrasiyabとSaiawoshの関係は険悪になります。Ferangisは父に謁見を求め「Saiawoshを殺せば父上はご自身の敵となります。やがてKaianidesから復讐の手が上がる事でしょう。手遅れにならぬうちに、私の言う事をお聞き下さい!」と嘆願しますが、父は、「これ以上わしを困らせるでない。何故そなたが事の正しさを判断できるのじゃ」…と言って、娘を地下牢に入れてしまいます。

そしていよいよ戦いになります。Gersiwazの軍勢は、ついにSaiawoshを捕らえ、髪を引っ張って人気のない場所に引きずって行って、Gersiwazが剣でSaiawoshの胸を突き刺し、首を切ります。ところがその時、強力な嵐が起こります。Ferangisの嘆きの声がAfrasiyabにまで聞こえました。

AfrasiyabはFerangisも殺してしまえと言いますが、その時Piranが待ったをかけます。「王はご自分のお子さまにお手をかける気ですか!これ以上無実の者を殺してはなりません。もしFerangisにお目にかかりたくないとおっしゃるなら、私が娘として手元に置き、悲しみを癒しましょう」王はこれを承諾。

PiranはFerangisを山奥に連れて行きました。Afrasiyabはその後愛するSaiawoshを殺す事を承認した事をずっと後悔しました。

#Afrasiyab、意外といい人だったんだね
それにしても、Ferdowsiさんのストーリーテラーとしての才能が素晴らしいですね。いろいろ手を変え品を変え、この先どうなるんだろう?と、ついつい続きをどんどん読みたくなります。


Shahnameh : 9 Saiawosh (1)

2010-12-04 10:59:11 | Kindle
次の読書が決まるまで、とりあえず、Shahnamehの続きを読むとするか(笑)
ところで、Shahnamehすなわちシャー・ナー・メのシャー(皇帝)って「シャア」と同じ意味なのかな?(^^;)誰か知ってる人いる?

随分間が開いたので、‥7章はこの辺り、8章RostamとSohrabはこの辺り。もう1年経っているんですねぇ。。。(^^;)

ある時、Toos、Gew、Goodarzの3人の英雄がDaghouiの森で、大変美しい女性に出会います。女性はFeridounの家系との事。ToosとGewは、女性を大変気に入り、お互い我妻にと譲りません。では皇帝Kai Kawous様に決めて頂こう、と、女性を連れて行くと、今度は皇帝も女性を大変気に入って、後宮に入れてしまいます。(汗)やがて彼女は長身で強い男子を生み、Saiawoshと名付けられます。Kai KawousはSaiawoshを大変可愛がりますが、占いによると、この子は不幸な星のもとに生まれた事が気懸かりです。

この知らせは息子Sohrabの死からようやく立ち直ったRostamにも届きました。Rostamはその子を自分で育てると進言し、皇帝はこれを受け入れ、SaiawoshはRostamに育てられる事になりました。

逞しく育ったSaiawoshは、ある日Rostamに、あなたに立派に育てられた自分をぜひ父上にお見せしたい、と、お願いします。Rostamはこれを快諾、早速2人でKai Kawousの宮殿へ。皇帝はこれを喜びRostamに褒美を与えます。するとSaiawoshは玉座の隣へ。その後Saiawoshは宮殿に留まり、7年父に忠誠を尽くし、8年目には王冠と王座を与えられます。ここまでは全く問題なく、人々は不吉な予言をすっかり忘れました。

ところが、いよいよ兆候が…
Sudavehという後宮の女性がSaiawoshを気に入り、誘いますが、Saiawoshは彼女を信頼せず、断ります。Sudavehは皇帝にお願いして無理矢理Saiawoshが来るようし向けます。Saiawoshがようやく来ると今度は2人きりで会いたいと。しかしSaiawoshは断ります。するとSudavehは怒り出し、またまた皇帝に告げ口、それだけでは足らず、悪口言い触らしまくり。ついに皇帝は激怒。

まずい事にSudavehはKai Kawousのお気に入りでした。その上、Sudavehの性格の悪さを知りません。皇帝は2人の板挟みで悩んだ末に、国中にラクダを送り、材木を集めます。そして集めた材木に火を点ける用命じます。(何でも点火に200人必要な位の量だったとか…)そして皇帝は息子Saiawoshにその中へ飛び込むよう命じます。(おお~っとぉ~、無罪なら無事に出てこれるというやつね)Saiawoshは祈りを捧げて中へ。しかしここから無事に出てきた者は未だかつてなく、周囲は悲しみの叫びをあげます。一方、SudavehはSaiawoshに災いのあらん事を祈ります。

しかし、Saiawoshは、一つの焦げも作らず、無事に炎から生還。Sudavehを除く全ての人は大喜び。Kai Kawousも息子の無罪を認め、息子の為に祝宴を開きます。

有能な支配者なら、この時Sudavehを処刑するか追放するべきだね……と思っていたら、どうやらさすがのKai Kawousもその気になったようです。ところがSudaveh、泣きながら、Saiawoshは何か魔法を使ったに違いないと嘆願。Kai Kawousは惑わされず、刑を執行…しようとしたら、ななんと、Saiawoshが彼女の命乞い! 何故ならお父さんがSudavehをお気に入りなのを知っているからだって。。。

おかげさまで、後年ますますSudavehに入れ込むKai Kawous。Sudavehは相変わらずSaiawoshを悪く言い、皇帝は判断力もなくしかけておりました。

(このKai Kawousという皇帝、随分長く登場してるけど、ホント情けない奴だねぇ。。(^^;))

一方、Afrasiyabがまたまた侵略開始。Kai Kawousもいやいや応戦準備です。するとMubidという領主が、既に自国を危機に陥れているので今回は行かないと言います。皇帝これに激怒。Mubidを追放します。

しかしSaiawoshは自らを父に認めてもらうチャンスと考え、出陣する事に。Rostamが喜んでサポートする事になりました。Saiawoshの軍は、まずZaboulistanのZalの家で1ヶ月ほど祝宴(いいねえ昔の王様の戦って…(笑))、その後Balkhに入り、そこでAfrasiyabの弟Gersiwazと一戦交えて勝利。Saiawoshは早速父に報告。

ただしもちろん、敵はこれを気に入りません…。


Slaughterhouse Five 10と感想‥

2010-12-04 10:52:32 | BookClub
Slaughterhouse-FiveSlaughterhouse-Five
価格:¥ 636(税込)
発売日:1991-11-03

ビリーは、いつかTralfamadore星人に言われたように、人生はその瞬間毎に切り取られたシーンで、それぞれの瞬間に感動する物だ、という見方を修得したようです。(^^;)そして彼は永遠にどこかで生きてます。

この章に、ビリーと仲間達がドレスデンの瓦礫で馬と馬車を見つけたいきさつがありました。

…という事で、この辺で感想にします。(^^;)
Tralfamadoreの考えは、時間は順番に過ぎるのでなく、生き物は死んだように見えても、どこかで永遠に生きているという事ですね。愛しい人が永遠に生きているのはちょっと嬉しいですね。でも、自分の人生を永遠にぐるぐる続けるのはち~と退屈ね。(^^;)

Ramfoord教授の考え方「ドレスデン爆撃は必要だからやったのだ」は、もう何と言うか、アメリカのフツーの意見ですよね。Vonnegutさんはアメリカ人としては珍しく、それはちょっと違うでしょ~、と、何とかわかってもらおうと努力してますね。アメリカ人がこの本を読むとまた全然違う感想を持つのだと思いますが、日本人から見ると、Vonnegutさんにはちょっと感謝ですね。


Slaughterhouse Five 9

2010-12-04 10:51:07 | BookClub
Slaughterhouse-FiveSlaughterhouse-Five
価格:¥ 636(税込)
発売日:1991-11-03

バレンシアは飛行機事故の一報を聞いて、急いで駆けつけようと車を飛ばします。お父さんも一緒の飛行機にいたはずと思いますが、生存者であるビリーの方をより心配していたんだねぇ。ところが、途中でベンツに追突され、マフラーと排気システムが壊れてしまいます。

バレンシアは、構わず車を飛ばし続け、ようやくビリーのいる病院にものすごい騒音と共に(^^;)たどり着いたのですが、到着と同時に昏睡状態で、亡くなってしまいます。一酸化炭素中毒でした。

何も知らないビリーはタイムトラベルしたり、いろいろブツブツ。同室にハーバードの歴史の教授Bertram Copeland Rumfoordがいました。Rumfoordは70才でしたが、年齢の半分の心と体を持つ人。(Vonnegutさん曰く)、5番目の妻との新婚旅行中、スキーで足を折って入院していたのだそうです。23才の新妻はリリーといいます。リリーはビリーを恐ろしがっていましたが、歴史学者Rumfoordは、ビリーの譫言は戦争に関する物と認識、冷静に観察してます。

Rumfoordはルーズベルト大統領の言葉を引用:I could carve a better man out of a banana.
バナナという言葉には、白人の生活様式を真似する(肌の黄色い)アジア人という意味の隠語があります。

お~っとバナナひょっとして、と思ったら、やっぱり次は日本の話。Rumfoordはリリーに、ヒロシマの原爆に関する本を読むよう言っていたのですが、リリーがまだ読んでないと言うと、早速読ませます。面倒くさいので(^^;)、詳しくは書きませんが、まあ、ドイツに先を越されなくてよかったぁ~というような内容です。(汗)

またリリーはドレスデンについての本も読まされました。Rumfoordがこだわったのは、彼の友人が書いたレビュー。

C.Eaker氏の意見:
「我々の勇敢な仲間を殺した国の奴らに、なんでイギリス人やアメリカ人が哀悼の意を表するのか、全くもってわけわからん。」

「アービング氏(この本の著者)がドレスデンで起きたとかいう恐ろしい出来事を書いている間に、イギリスでは女子供が殺されてるんだよぉ。」

「そりゃあイギリスとアメリカの爆撃機が13万5千の人が殺したってのは、まあ、気の毒だけどさぁ、誰がこの戦争始めたんだっつの。ナチを壊滅させるために、500万失った事の方が超~ぜ~んぜんぜん大事でしょ」

また空軍元帥Saundy氏は
「ドレスデンで起きた事は間違いなく悲劇である。しかしこれは必要な事だ。戦争では時々いろいろな偶然が重なってこういう事が起こり得る。これを承諾した者は邪悪でも残忍でもないのだ。核兵器廃絶支持者は、核を使わなければ戦争はもっと我慢できる、まともな物にになると信じているようだが、この本を読めばおわかりだろう。ドレスデンでは伝統的な武器で135,000人、1945年3月の東京では83,793人だ。ヒロシマの原爆では71,319人だ。」

ビリーひそかに白いシーツの陰で、「Wild Bobを訪ねろ」とつぶやきます。

バーバラが「お父さん、お父さん」と呼びかけますが、ビリーは1958年、若いモンゴル人男性に眼鏡を合わせている所、…そして、ビリーは16才のある日、病院の待合室で、お腹のガスに悩む老人に会います。老人はつぶやきます。「年取ると調子悪くなるとわかっていたんだが…」彼は頭を振り「こう悪くなるとは思わなんだ。」

ビリーはバーモントの病院で目覚めます。(しかし彼はどこにいるか知らない)目の前には、グリーンベレーの制服を着た息子ロバート。ロバートはきりっとした短髪の立派な若者に成長しました。でもハイスクールは中退、16才でアル中、悪い連中と付き合い、墓石をひっくり返して逮捕されてました。

ビリーはバレンシアの葬儀の時はまだ具合が悪く、欠席しなくてはなりませんでした。周りはビリーは植物人間になったと思っていました。

ビリーは、Rumfoord教授がリリーに恐ろしい事を言っているのを聞きます。「彼はもう脳味噌がないだろう、何故死なせないんだ_?」「知らない」「もう人間じゃないんだぞ。医者ってのは、人間の為にいるものだろう。あいつは獣医か木の医者にでも看させりゃいい。彼らの方が手だてがあるだろ。見ろ、これが命だ。医学的にな。素晴らしいと思わんかね。」「わからないわ。」

Rumfoordはドレスデンの爆撃について語り始めます。ビリー、しっかり聞きます。Rumfoordの「第2次大戦陸空軍ものがたり」にはある問題がありました。ドレスデン爆撃は、アメリカ人にとっては秘密だったのです。ドイツ人とそこに駐留するロシア人にとっては秘密でも何でもなかったけどね。

23年後になって「アメリカ人はようやくドレスデンについて知る事ができた。」と彼は語ります。「ヒロシマの何倍ひどかった事かようやくわかったんだ。それで私は空軍の立場から一言書く事にした。新作だ。」
リリー「何故そんなに長い間秘密にされたの?」
R「たくさんの苦しい心を持った人達が素晴らしい事と思わないと思われたからだ。」

ここでビリー、突然しっかりと喋り出します。「そこにいました。」

Rumfoordはにわかにビリーを受け入れ難い様子。
R「奴は今なんて言った?」
リリーが通訳
L「彼はそこにいたそうよ。」
R「どこだって?」
L「知らないわ、どこにいたんですか?」
B「ドレスデン」
L「ドレスデンだそうよ」
R「奴はただのecholaliaなのさ。」

もちろんビリーはEcholaliaなどではありません。Rumfoordが軍隊的思考(消えて欲しい奴はおかしな病気にかかる)をしているだけの事。彼は医師や看護士に告げ口しますが、もちろん病気は確認されず「君たちが出ていくと症状が出るんだ」とぼやきます。医師達はRumfoordを、ただの頑固爺と思います。

ビリーは暗くなってから「私はドレスデンにいました」とまたRumfoordに言います。Rumfoordは苛立ちを隠さず「語り合わなければいかんのか」「いやその必要はありません。知って欲しいだけです。」

第2次大戦後2日後、ビリーは彼は5人の仲間と共に、瓦礫の町で見つけた馬車で食肉処理場へおみやげを探しに行きます。(戦勝国にはおみやげは当然? ウチは敗戦国なので知らなかったな(汗))5月の日差しは柔らかく、ビリーの人生で数少ない幸せの瞬間だったそうです。

ビリーはヨーロッパ戦線に出て初めて「武装」しました。いやその時期でも、誰が襲ってくるかわからないというのが仲間の意見。ベルトには第1次大戦の遺物の大きな銃。コマドリの卵ほどの弾丸が充填されていました。

ふと気が付くと、ドイツ人の夫婦が馬車馬を労っています。実は、馬達は口から血を流し、蹄が割れてました。米国兵はそれに気付かず、まるでシボレーのように平然と馬を扱っていたのでした。夫婦は米国兵を全く恐れる様子もなし。実は2人共産婦人科医で、燃え盛る病院で最後まで赤ん坊を取り上げていたのでした。

ビリーは彼らに何か用ですかと尋ねると、彼らはビリーを睨み、降りてきて馬を見なさい、と、言います。初めて馬の状態をしったビリー、思わず、涙が溢れます。戦争の他のシーンでは泣いた事のないビリーですが、これだけはこたえました。


その後の人生で、ビリーは密かに忍び泣く事はあっても、声を上げて大泣きする事はありませんでした。ただ、それだけ泣いても構わない位の出来事にはたくさん遭遇しているのですけどね。

というわけで、本の題辞にはこの有名な賛美歌の一節がついているわけです。

牛達が鳴いている
その赤子は生まれる
しかし小さなキリストは
泣かなかった

さて、ビリーと医者夫婦は、馬達のハーネスをはずしましたが、傷があまりに深く、彼らは結局動けませんでした。
ロシア人が米国兵を逮捕し、彼らはRucretia A.Mottという名前の貨物船で国元へ返されました。

Rumfoordは「それはやらなくてはいけなかったのだ。任務を負った男はかわいそうだと思う。」ビリー「わかってます。」

#Rumfoordの意見は今も変わらずアメリカ人の一般的な意見よね。しかし同じアメリカ人で被害を受けた人に対してもそう言っているのね。

「すべての人は為すべき事をします。Tralfamadoreで教わりました。」

そろそろ終盤だし、新しい本を読みたい(笑)ので、ちょっと急いで読みます……

ビリーは娘に地下室に「監禁」されますが、抜け出してNYへ。本屋でKilgore Troutの本を見つけます。内容はタイムマシンでキリストの時代を旅した男の話。何故か彼は聴診器を手放さず、キリストが十字架から降ろされた時、「診察」してます。レジでお金を払おうとした時、若い女性向けの週刊誌に踊る「Montana Wildhackはどこへ?」の見出しに目が行きます。ビリー的には、彼女はTralfamadoreで子供を育てているはず、ですが、週刊誌には、San Pedro Bayにセメント漬けにされて沈んでいる、と、書かれてました(汗)


Run!Run!Run!